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学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話(坪田信貴)

 でも、僕のその後の印象は、実は悪くありませんでした。
 最初に僕がいつもするように「じゃあ、よろしくお願いします」と深々と挨拶すると、その子もぺこりと頭を下げ、「よろしくお願いします」と挨拶を返してきたからです。
 それで、塾での指導経験が長い僕にはすぐわかりました。
「あ、この子、見た目はドギツイけど、根はめちゃくちゃいい子だな」

 主人公のさやかちゃんがここまで成長できた理由は大きく3つ。

1つ目は「人を信じ、言われたことを素直に忠実にやる人である」こと

2つ目は「中途半端なプライドを捨てて、恥をかくのを恐れなかった」こと

3つ目は「さやかちゃんのことを信じ、守り続けてくれる味方がいたこと。そして、さやかちゃん自身の頑張りが周りを味方にした」こと

 本を読むまでは
「結局主人公は勉強の素質があったから慶応に受かった」と思い込んでいたが、違った。
 本に描かれるような「すごい人」というのは、運や環境と共に「根本の人間性」が優れている。

 生きていくためにプライドは必要だ。しかし、中途半端なプライドは要らない。周りの目、自分の立場。本当に守らなければいけないものを大切にできず、守る必要のない殻を破けない人間が世の中にどれほどいるだろうか。これはさやかちゃん自身もそう、そしてお母さんのああちゃんが何よりこの点において素晴らしい。
 なお私は代表的な中途半端プライド保持者の1人である。(だからダメなんだなぁ…)


 私は仲間由紀恵主演の「ごくせん」シリーズが大好きである。あの熱血教師っぷりが堪らず、幼い頃から全シリーズを観てきた。

 さやかちゃんやごくせんシリーズに登場する不良たちに共通していること
それは「切り捨てられ、諦められ、見放され、きちんと向き合って話を聞いてくれる大人が居なかった」ことである。

 仲間由紀恵演じる山口久美子や、本書の著者である坪田信貴は「見た目や偏見で人を決め付けず、一人一人と向き合う力」を持っていた。
そういった人間は、この世の中かなり少ない。
しかし、この力を持つ人は、人を変えることができる。

どうやったら
人と素直に向き合えるんだろうな。
どうやったら
人を素直に信じられるんだろうな。

 自分自身、これから出会う色んな人に、色眼鏡無しで向き合う強さを育んでいきたい。
 そして、人を心から信じ支えられる人間になりたい。
 人に信じられ、誰かの原動力になれる人間になりたい。

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