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論語と算盤(現代語訳)

2021年NHK大河ドラマの主人公ともなる「渋沢栄一」の名著「論語と算盤」の現代語訳なるものを読んだ。

渋沢栄一の根幹となる考えは
商業においても道徳が重視されるべきであり、
誠実に努力し、自身を磨き続けることこそ、よく生きるために必要である。そうして、正しく富を追求せよ。

だと解釈した。

本の中で、孔子の

「まっとうな生き方によって得られるならば、どんな賤しい仕事についても金儲けをせよ。しかし、まっとうではない手段をとるくらいなら
むしろ貧賤でいなさい」

という言葉が度々引用されるが、
この言葉を渋沢が好んで用いるのも渋沢の主張を理解する上で納得できる。

私がこの本の中の一部(さして重要ではない一節だが)で気に入ったのは

「人にはどうしようもない逆境」に立たされたとき、…省略…「自己の本分(自分に与えられた社会のなかでの役割)」だと覚悟を決めるのが唯一の策ではないか、ということなのだ。

これについて、解釈や内容は異なるが、
過去に東進衛生予備校講師林修先生がテレビショーにて述べていた
「群像の感覚」を思い出したのだ。
群像の感覚とは、集団の中にいる自分を客観視し、その集団の中で自分が何をできるか、どんな役割を果たすべきかを見つけ出す能力である。
これこそが、今後社会で生き抜くために最も必要な能力だと林修先生は主張した。

渋沢栄一も「蟹穴主義(渋沢の身の丈を守る)」を掲げているように、
これからの社会において
自分自身をよく知り、自分の役割に適した働きをすることこそが最も重要なことである
と、言えるのではなかろうか。

私は「論語」をきちんと読んだことがなく、
自分なりの論語の解釈を持ち得ていないが、
自身を知ることの大切さ
自身を磨き続けることの大切さ
誠実でいることの大切さ

は古代中国から続く論語に学ぶべき点であると心得ている。

あと数ヶ月のうちに社会に出る。

今年一年間、様々な苦悩や葛藤があり、
全てをかけてきたものを
最後までやり切ることが出来ずに終わった。
しかし、
コロナ禍を経て学んだことも山ほどあった。

どんな逆境においても、
学びをやめず、自身を磨き続け、
何事にも誠実に取り組む大人になりたい。
そして、
大切な人を大切にし続けられる大人になりたい。

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