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【事前に確認してる?】フリーランスあるある(契約トラブル編)

フリーランスの方に契約に関する相談

をよくお寄せいただくのですが、

(契約前に確認しておいたらよかったのに)

ということがよくあります。

そんな状態にならないように、

契約前に確認すべき事項をまとめた

ガイドライン的な記事を作成しました。

これを読んでおけば、

重要なポイントは逃さないはず!

依頼の内容

  • 当事者は誰か(誰と誰の間の契約か)

  • 委託業務の内容(何をするか、どこまでの範囲の業務か)

  • 業務の遂行方法(場所、時間、機材やソフトウェアの提供の有無)

  • 納期(納期の変更を含む)

  • 成果物

よくあるトラブルとしては、

契約当初と異なる業務を依頼されるようになる

通常は、「委託業務」の条項に

「上記各号に付随する一切の業務」

という文言があって、

周辺業務も「委託業務」に含まれてくるが、

たまに「委託業務」の範囲を超えて

全く関係ない業務まで依頼されてるのに

報酬がそのままというケースのように

委託業務と報酬の見直しをした方がよい場合

もあります。

これに隣接する問題として、「労働者性」があります。
要するに、「これって業務委託じゃなくて、実態は雇用なんじゃないか?」と疑いたくなるケース。
労働者性を正面から争う場合は、ちゃんと弁護士に相談した方がいいと思いますが、実際は「労働者性」を盾に業務委託契約の条件を改善する方向で交渉することが多いと思います。

報酬と支払条件

  • 報酬金額

  • 支払方法(銀行振込か、現金手渡しかなど)

  • 支払いスケジュール

トラブルとして、圧倒的に多いのが

報酬が支払われないケース

これは実は難しい問題で

実際は「未払いが発生したら負け」

だと思ってください。

なぜなら、フリーランスの契約では、

回収のコストの方が高くつくことが多いから

例えば、
50万円の未払報酬を回収するために、
弁護士なしで少額訴訟をやって、
勝訴したとしても、
払ってもらえない場合もがります。

その場合、
強制執行までしていくことになりますが、
ここまでくると、
割りに合わないことは明らか

ということで、
これを避けるためには、

  • 前払いで払ってもらう または

  • お金に困ってそうな会社やきちんと支払ってくれそうにない会社とは取引しないということになります(断る勇気も必要)。

また、配送業などに多いのが

業務に必要な

自動車、交通費(高速代)

ガソリン代、保険料などが

会社の負担ではなく

フリーランス側の負担とされていて

手取りの報酬額が想定より減ってしまうケース
(システム利用料など謎の天引き項目がある場合もあります)。

あと、マッサージ、エステなどでは、

技術講習料というのがあって、

これが給与から天引きされる場合というケース

があります

(短期離職の場合は、全額返済というケースもあります)。

この辺りの「天引き」についても注意してください。

契約期間

  • 契約の開始日と終了日

  • 自動更新の有無

  • 中途解約の可否

圧倒的に多いのが、辞められないケース。

契約期間中に仕事を辞めたいのに、
フリーランス側から中途解約が認められない

または

解約するなら違約金の支払いが必要と言われて、辞められない。

契約時に、
解約のことは協議しづらいとは思いますが、

せめて
・中途解約を認めない旨の記載がないか
・変な違約金条項の定めがないか

くらいは確認しておきましょう。

あと、意外と大事なのが、

契約を更新しない場合の事前通知期間。

これを過ぎてしまうと、
「次の更新時期まで解約できません。」
と言われることがあります。

なお、中途解約について、契約書に何も記載がない場合、民法上の原則に従って、期間中でも解約できるとされることが多いですが、その場合でも解約のタイミングによっては発注者から損害賠償請求を受けるリスクが残る、という感じになることが多いです。

著作権その他知的財産権

  • 作成した成果物の著作権の帰属先

  • 依頼者が成果物を使用できるか(使用許諾、ライセンス)

これはデザイナー、イラストレーター、音楽家、ライバーなどの芸術系のフリーランスの方にとっては極めて重要です。

フリーランスとしては、自己のポートフォリオとして使用する権利を有することや依頼者が成果物をどのように使用してよいかなどを、できるだけ細かく確認してください。

損害賠償責任、競業避止義務

  • 損害賠償責任(間接的損害まで含めて広く責任を負わされる)

  • 競業避止義務

  • 違約金条項

特に、競業避止義務や違約金条項は、契約を解消する際に問題になることが多いので、

気になる場合は、修正または削除してもらうための交渉をしましょう

(例えば、競業避止義務なら、エリアを絞る、期間を短くする、など)。

そのほかに大事なこと

  • 契約書の内容を詳細に確認し、不明点は必ず依頼者に確認する。

  • 修正または削除して欲しい箇所は、交渉をサボらない。

  • 口頭での合意事項も必ず書面に残す。

  • 必要に応じて、専門家のアドバイスを受ける。

最後に

たくさんの契約書を見てきてますが、
サインしない方がよほどマシな契約書なんて世の中たくさんあるんです。

「大したこと書いてないから、サインだけしてくれたらいいよ。」

といった言葉に騙されず、
しっかり確認して、内容に納得してから契約してください。

もし何かご相談したいことがあれば、
お気軽にこちらのフォームでご連絡ください。


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