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サウナと大寒波

仙台のサウナに行った。2022年の初サウナは、仙台のアーケードの中に構える、事務と併設型のサウナだった。

東京を離れ、寒さとサウナの恋しさに襲われ、やっと作れた時間で訪れたサウナはそれはそれは良かった。だが、これはサウナ単体の話であり、全体像で見ると、不完全燃焼だった。

仙台は寒い。今年は例年稀に見る大寒波が来ていて、「こんな寒い中可哀想に」と仙台市民から哀れまれた。しかし、サウナーとはしぶとい生き物だ。この気温で外気浴をしたら、一体どうなってしまうのだろう。仕事の疲労感や、荷物をまとめる時間の確保、ホテルからサウナまでの道のりと、好奇心を天秤にかけて、好奇心が圧勝した。

いつも通り、サウナに入り水風呂に入る。サウナは100度前後のしっかり高温。水風呂も申し分ない冷たさだった。多大なる期待値を抱え、いざ外気浴!

結論から言うとめちゃくちゃ寒かった。普段外気浴を10分前後する私は、3分で限界だった。整い椅子が鉄製なのもまた体の冷えに直結する。さすが大寒波。

2セット目はいつもより長めにサウナに入った。やはりサウナのポテンシャルが高い。最高だ。水風呂も狭いながらに最高だ。そして外気浴が寒い。

先程よりしっかり目に入ったが、濡れている地面から登る冷気と合わさり、結局寒いまま終わってしまった。

大寒波はしばらく続くらしい。今夜は雪の予報も出ている。東京の行きつけのサウナを思いながら、内風呂でしっかり温まる。

本命のサウナを思いながら、別のサウナに入る。
なんだか、寂しさを紛らわせるために適当な男と体の関係を重ねながら、本命の男を思う複雑な女心の様だなと思いながら、私は帰路に着いた。

外気浴は季節によって良さが違う。
夏場の蝉の声を聴きながらする夕涼みも、秋先の冷たい風を感じながらする外気浴も好きだ。だからこそ、地球と対話しているようにその時の気候を感じることが出来る。

しかし、私は知っている。
夏場は暑くてやだな と思っていた時もあったし、秋ですら寒いなと思っていた時期もあたが、今は結局全部好きなのだ。
いつか、この大寒波すら欲しくなってしまうのだろうか。

サウナは回を重ねる事に違った顔を見せる。
雨の日の外出は嫌いだが、雨の日の外気浴は好きだったりする。
サウナを通すことにより、色んなものが好きになる。だからこそ、サウナは面白いのだ。

仙台。
トータルするとなかなかにキツかった。
もし、同じように年越し出張があれば、次こそは大寒波サウナを楽しめるような、大きい心を持っていたい。

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