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酔いどれ雑記 214 So ist das Leben

先日、「助けを求めてる人が必要なのは私でもなく他の誰かでもなく、特定の誰かかも知れない」という話を書きましたが、私がネット上の「助けて」「寂しい」って声にどう反応していいのか悩んでしまうということにはあるきっかけがあったような気がします。

もうかれこれ17年くらい前の話。ドイツ人男性(Maxとここでは呼びましょうか)とネットで知り合ったのです。日本が好きな外国人と日本をつなぐサイトのフォーラムで。彼とはいわゆるメル友ってやつですね。彼は日本が好きで、ある都市に数か月住んでたこともあるそうです。知的な彼とは色々な話をしました。文学や音楽、哲学から日常の話まで、3日にいっぺんくらいはやり取りしていたかと思います。

知り合って1年ほど経った頃でしょうか、彼が妹と日本に旅行に来るというのです。その時に会おうと提案してきました。私はもちろんOKし、楽しみにしていました。

彼はまず西の方から旅をしたようで、広島や京都からメールが届きました。そして都内の某所でMaxと妹さんと対面(彼の写真を見たことはありませんでした)、洗練された今時の欧州の青年といった風貌でした。そしてメールでやり取りしたように気さくで、話していてとても楽しかったです。食事をした後、喫茶店に行ってお開きになり、またね!今度は私がドイツに行くからね!と約束しました。

彼がドイツに帰った後もしばらくメールのやり取りが続きました、が、いつもは3日に一度くらいはメールをくれるのにぱったり来なくなって、半月くらいしても返事が来なかったので「何かまずいこと書いちゃったかな?Maxは今まで私のメールで気を悪くしたことってあったのかな?」と心配になりメールを送りました。

そのメールの翌日くらいに返事が来ました。
「ごめん、日本にいた時の彼女が忘れられなくて......君と話してると辛いんだ」
「彼女が見てくれるかも?と思ってフォーラムに登録したんだ」
と......。

私は彼に掛ける言葉が見つからず、返事はしませんでした(彼も望んでいなかったでしょう)。

彼女の話など、まるで出てこなかったのにこのタイミングで?それに彼女が忘れられなくても私と友達でいることは出来ないの?と困惑しました。けどそれも人生、So ist das Leben!