見出し画像

酔いどれ雑記 128 懐かしい痛み


19年前、わたくしが24歳で初めてウィーンに行った時の紀行文+雑記。改めて読むと新鮮な驚きと切なさと、ああ、やっぱり私は変わってないな、変わらないんだなという絶望、滑稽さとが相まって妙な気分になります。手書き(!)で同時期に書かれた他の紀行や雑記を合わせると千ページ以上あるのですが、面白いと思ったところを出来るだけ編集せずにいずれこちらに掲載したいと考えていますが、まず読むのが大変です、自分の書いた文章だけれどもーーいえ、自分が書いたからこそ大変なのでしょう。読みながら「あの頃はこうだった、ああでもないこうでもない」と涙を禁じえなく、懐かしい甘さと痛みを感じずにはいられないでしょうから。

「世界の全てのものは自分の意識を通してしか認識できず、
今わたくしが見ているものは自分が見たもの、経験したものの
つなぎ合わせたイメージでしかないと信じて疑わない。」

これ、そのノートをめくっていてたまたま目についた文ですが、当時は構造主義にかぶれていたからなんでしょうね。けどまぁ、今も変わってないですね、この考えは......。なお、これを書いた2年後くらいにこの話を交際したばかりの方(専門は量子力学だったはず)にしたら「最近、これが数学的にも脳科学的にも正しいと証明されつつある。君がそんなことを考えているなんて驚いた」と言われましたけれども......。あれからこの手の分野の研究も色々進んだのかも知れませんが、今やわたくし、そういうのとは縁遠い日々を送っていますゆえ......。