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酔いどれ雑記 201 商売上手

先週の土曜、6年ぶりに眼科に行ってきました。本当はもっと前に行きたかったのですが、やれガンだ、顎の手術だなんだのとあちこち病院に行きまくってたのでついつい後回しにしてしまったんです。

何故眼科に行ったのか?ということですが、緑内障が怖い!と急に思ったからです。いえ、前から怖かったのですが亡母の死ぬ間際のことをふと思い出してーー母は糖尿から緑内障になり、死ぬ数か月前?にはもう完全に失明していたようなのです。わたくしは母が余命を告げられる前の数年間は母に会っていませんでしたので、母が最後にわたくしを見たのは一体いつのことだか分かりません。父は母を病院には連れて行ったらしいのですが、おそらくあの父のことですからまともに看病もしなかったでしょうし、また母も薬を飲んではいなかったそうなのです。

無知で無神経なDV夫に適当な介護(?)をされている姿を見たくなくてわたくしは自分を虐待した母だけれども残りわずかな人生を出来るだけ安楽に過ごせるように、そして人として葬ろうと決めたのです。

わたくしは母のようになりたくないのです。嫌いな人間にいい加減な介護をされるなんてとんでもないことです。目が見えないというだけでも想像しただけで恐ろしいのに......。そのことがもう怖くて怖くて。目が見えないなら逃げられないじゃないか......。わたくしはそんなのは耐えられません。もうこれは眼科に行くしかない、もしすでに緑内障だったとしても進行を遅くすることは出来るからと。

わたくしは近眼です。本や携帯は眼鏡がなくてもはっきり見えます。視力はそんなに良くないのですけども(そして、左右の視力が著しく違う)。黒板の字などちょっと遠くのものはよく見えません。けれども運転をしないですし、もう学校には行っていませんから裸眼でも日常生活に支障をきたしていません。なので20数年前に作った眼鏡は今じゃ全然かけていなく片方のネジも外れています。さすがに新しい眼鏡を作った方がいいだろうなと思い眼科で処方箋を書いてもらいました。そこで紹介されたのがちょっとお高めの某チェーン店でした。どうしてもそこじゃなければ駄目ですか?とおそるおそる訊いたところ、強制はしないけれどもちゃんと処方通りに作ってくれないと意味がないし、細かい調整が出来ないようなところだと困る。その店とは長年信頼関係を築いているし、と。先生はわたくしの好きなタイプの方で、1質問すれば5のちゃんとした答えが返ってくるように頭の回転が速く、はっきりものを言うけど優しくて信頼できるので、先生に従いました。そして今日行ってきたわけですよ、眼鏡屋に。

まず席に通され、処方箋を渡し、20数年ぶりに眼鏡を作るという話をしたら「その20年前にお作りになったものをお持ち下されば、レンズだけ交換して調整することも可能です」と言われました。ちなみにその眼鏡はすごく気に入っているというわけではないのですが、別にあれでもいいかな、といった具合です。レンズだけ交換でも......と提案してきた店員さんに誠実さを感じましたが、同時に商売上手だなぁと思いました。店内に気に入ったものがあるかどうか、まずそこが重要、もしこれといったものがなければ20年前のもののレンズ交換をしようかなと考えました。

結局、こんなのもいいかな、というものを購入することにしました。わたくしの目は少々特殊なのでレンズの用意がなく受け取りは10日後です。