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ツインソウル 魂の融解

水と炎。

交差すると爆発する。

次元の壁も貫いて。

立ち昇る。


ツインソウルは裏と表。

背中合わせでこの世界を体験している。

普段はお互いを見ることはない。

運命の歪みで

巡り合い、交差すると

爆発が起きる。

常識も、信念も

過去も、未来も、

現実と自分自身でさえ

木っ端微塵に爆破する。

何も残らない。

空と無に戻る。


それなりに

生きてきた。

泣いて笑って

時に苦しみ、悲しみ

喜びや楽しみも経験しながら。

まっとうな人間として

社会の枠のなかで

もがきながら

働いて

気晴らしもして。

恋したり、嫉妬したり。

病気や不遇も

なんとかやり過ごしてきた。


命が生まれる瞬間。

命がこの世を旅立つ瞬間。

そんな瞬間にも立ち会ってきた。


もう、ほとほと

この世はよい、と思った。

じゅうぶんだと。

次は、ない。

もう二度と

地球には生まれ変わらない、

と深く心に決めたとき。


最高に純粋な笑顔を向けられた。

まるで

小学生が大好きな先生に向けるときの

最高に純粋な笑顔。


こんなに真っ直ぐで純粋な

気持ちを

今だかつて

向けられたことが

あったろうか。


男と女の駆け引きや

人間関係の計算もない

真っ直ぐで濁りのない

眼差し、笑顔。


あの時は

受けとめられなかった。

嘘のような偶然も

奇妙な一致も。

経験してこなかった

思いもよらなかった

不意をつかれて

ただただびっくりして

動揺して

何が何だかまったく分からず

気のせいだ

思い込みだ

時が経てば忘れる。

そう、思ってた。


間違いだったようだ。

気づかないようにしていたのに

あの

笑顔と視線が交差した瞬間から

時間とともに

加速し

無限に

爆発していく。

胸の奥の奥から

変容を起こしながら

もはや

どこへ向かうかも

向かっているのかも

分からない。


分かっているのは

もう

あの瞬間の以前の世には

戻れないということ。

そして、もう

分かろうとしなくていいということ。

分からなくて、いい。


ツインと過ごした時間は

時間にすると

本当に僅か。

二人が向き合ったのは

たぶん二時間。


出会った当初

偶然一緒に昼食をとった一時間。

別れる寸前に

偶然一緒に昼食をとった一時間。

関係は友達でもなんでもなく

偶然同じ場所に居合わせただけ。


もうあれから何年も経つのに

その間、様々な出来事があったのに


不思議なことに

その時は

これっぽっちも意識していなかったのに

気にもとめない

なんてことない

些細な日常の雑談だったのに

ツインと交わした会話の

一つ一つ

すべて覚えている。

何を話したか

どんな表情だったか

すべてすべて覚えている。

あの二時間は

まるで永遠のよう。

異次元のような感覚で

すべて覚えている。


不思議な世界があること。

違う次元で生きること。

ツインソウルによって

そこに放り込まれた。

感情のすべてが

涙になることを知った。


これからどこへ向かおうと

ツインソウルとの

ほんの僅かの時間は

胸に刻まれた

わたしの一部。


ただそこには

世界も宇宙も

ひっくり返す

変わらない想いがある。


もう、無に帰すことを

怖れない。







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