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天空の葉に水を運ぶ

写真は、福島のホテルの窓からの朝の眺めです。

12階の窓に届くケヤキの大樹。この一番上の、天空にのびる小さな1枚の葉まで、どうやって地面から水が運ばれるのでしょう?

樹木には、心臓のように水を押し上げるポンプはありません。

毛細管現象で水があがるのだと思っていましたが、タオルの端っこを水につけても、こんなに上までは、水があがってきません。

いったい なんの力で、地下の水が25メートルも上の1枚の葉まで押し上げられているのでしょうか?

そもそも、ストローで水を吸い上げようとしても、2階くらいの高さまでしかあがりません。1平方メートルあたり10トンもの力で押し付けてくる大気の圧力に逆らって水を吸い上げるには、そうとう強い力で押し上げなければなりません。マンションの高層階に水を運ぶためには、増圧ポンプで水を押し上げる必要があります。樹木の中にも、同じ働きをしている、強い押上力があるということです。

調べてみると、それは、蒸散、根圧、凝集力という3つの作用でした。

葉っぱが活動して、水分が空気中に放散されることで、水が上に吸い上げられて動きます。この力が手伝うことで、木々は、100メートル上の葉っぱにも、水を運ぶことができます。

しかし、下からも、そこに届くように押し上げる力がなければなりません。それは、浸透圧によって、土から根の中に水がはいってくる圧力=根圧です。根の中にカリウムなどのミネラルが存在することで、外界の水が樹木の体内にとりいれられるのです。

そして、下からはいった水が、上まで1本の水柱になって引き上げられるためには、水の凝集力が必要です。

つまり...ヴァータ、ピッタ、カパが働いているのか!

人間の体も同じこと...。

古代のリシ(仙人)たちが、自然界の力を、この3つに集約して考えたことの素晴らしさに感動した朝でした。


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