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最先端の経営学論文から - 過去の失敗を「未来の成功」に変える方法

経営学の世界的トップジャーナルから、ビジネスパーソンが明日から使えるアイディアをお届けするこの企画。

失敗から学ぶのは大事だってみんな知ってるけど、「あれ?また前と同じ失敗してるじゃん…!」ってこと、ありませんか?

今回は、その問題をズバッと解決する、"Academy of Management Journal"8月号に掲載されたピーター・M・マドセン氏ら(ブリガムヤング大学)の論文をご紹介。

失敗を「未来の成功」に変えるには?

この論文によると、企業は失敗からたくさん学ぶけど、時間が経つとその学びが忘れられてしまうことが多いそうです。そうならないためにどうするか?研究者たちは「失敗に対する注意をどう持続させるか」に注目しました。その結果、次の3つがポイントだそうです:

  • 失敗が複雑であればあるほど、記憶に残りやすい:単純なミスよりも、いろいろな要因が絡んだ失敗のほうが、「どうしてこうなった?」とみんなの記憶に残りやすくなります。

  • 自分の責任だと思うと、記憶に残りやすい:失敗の原因が自分たちにあると認識すると、「次は気をつけよう」と強く意識するようになります。

  • 失敗体験を思い出すことを日常のルーチンに組み込む:失敗から得た教訓を、毎日の仕事の一部にしてしまえば、忘れたくても忘れられなくなります。例えば、失敗の要因をチェックリストに入れて、日々の業務で確認するようにすると、教訓が自然に浸透します。

明日から使えるライフハック

ライフハック1: 失敗の原因をパズル的な感覚で解く時間を作ろう
過去の大失敗を振り返る時間を設け、「この失敗、何が原因だった?」を解き明かすパズルに仕立てましょう。失敗の要因を細かく分解し、「犯人探し」をする感じです。これにより、失敗を複雑なケースとして捉え、教訓を深めて忘れにくくなります。

ライフハック2: 「失敗日記」をつける
失敗日記をつけて、「今日はどう失敗した?」を記録してみましょう。ここでは、失敗を責めるのではなく、「成長の記録」として使い、どんな失敗をして、どう改善したかを振り返ります。これで、失敗が単なる「過去の話」ではなく、常に「次の成功のための学び」に変わります。

ライフハック3: 「失敗復活祭」でリベンジ!

以前失敗した試みを「失敗復活祭」として再挑戦してみましょう。過去の学びを活かして、同じ過ちを繰り返さないことを心に誓えば、やる気も倍増!失敗を「過去のもの」ではなく、「これからの成長の糧」に変えていくわけです。

失敗を覚えているのはちょっとツラい。でも、忘れちゃうともっとツラい。

失敗を思い出すのは少し苦しいけど、忘れて同じことを繰り返すともっと痛い目に遭います。だからこそ、失敗を笑いながら振り返りつつ、しっかり心に刻んでおくことが大事です。失敗は「過去の痛み」ではなく、「未来の可能性」に変えられるのです。

出典:

Madsen, P. M., & Desai, V. (2024). Change at Last, but When Does Change Last? Preserving Attentional Engagement around Past Failures and Their Lessons. Academy of Management Journal, 67(4), 933-955. https://doi.org/10.5465/amj.2022.0391

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