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最先端の経営学論文から - イノベーションと模倣、どっちが勝つ?

経営学のトップジャーナルに掲載された最新論文から、ビジネスパーソンが使えるアイディアを引き出そうというこの企画。

今日は、「Research Policy」2024年11月号に掲載されるソウル国立大学のチェ・ソンヨン氏らの論文「技術リーダーシップの変革における模倣とイノベーションのダイナミクス:多様な技術体制における後発企業のキャッチアップ戦略」をご紹介。

新しいアイデアを考えるよりも、誰かのを真似した方が早いんじゃないか、なんて思ったことはありませんか?

今回ご紹介する論文は、いかにして「模倣」と「イノベーション」を使い分けて市場のリーダーに追いつくかという戦略を探っています。

イノベーション vs. 模倣のバランス:論文の要点

この論文では、後発企業がリーダーに追いつくための効果的な戦略を研究しています。簡単に結論から言うと、イノベーションだけ、あるいは模倣だけに頼るのは良くないということ。では、どうすればいいのか?

  • 最初は模倣、後でイノベーション: 初めのうちは他社の成功例を模倣し、基礎的なスキルや知識を習得する。技術が進んでから、より多くのリソースをイノベーションに注ぎ込むのが効果的。

  • テクノロジーのライフサイクル(技術の陳腐化速度)が速い場合、模倣の方が有利:一方、技術の変化がゆっくりな業界では、イノベーションがリーダーを追い越すカギになる。したがって、技術の進展スピードを見極めることは、戦略を選択する上でとても重要。

  • 適度なバランスが肝心: リソースをすべてイノベーションに使うと資金が尽き、模倣に頼りすぎるとオリジナリティが欠ける。両者のバランスを見極めることが大切。

明日から使えるライフハック

  1. まずはマネしてみる!: 最初は(特に慣れていないことなら尚更)マネが大事。明日から、仕事で真似できる部分を探しましょう。例えば、同僚のプレゼン資料をこっそり参考にしたり、カッコいい口癖を使ってみたり。マネをして、効率的にスムーズなスタートダッシュを切りましょう!

  2. 「模倣とアレンジのハーフ&ハーフ」作戦: マネが板についてきたら、次のステップは、ちょっとしたアレンジを加えること。同僚のエクセルの便利な関数を自分なりに改良してみるとか。「あれ、こいつやるな?」と思われるようになるかも。

  3. 流行の技術にはまず乗っかる:技術の変化が激しいときは、まず模倣から始めるのが効果的。新しいツールやシステムが導入されたら、最初は他の人の使い方を観察して、良いところをどんどん真似しましょう。慣れてきたら、少し自分流にアレンジ。これで「新しい技術への対応が早い人」として一目置かれるかも。

マネるはマナぶ

真似ることは、学びの第一歩。新しい技術や考え方をまずは模倣して取り入れ、それから自分流に工夫を加えていけば、どんな変化も楽しめるようになりますよ!


出典

Chang, S., Kim, H., Song, J., & Lee, K. (2024). Dynamics of imitation versus innovation in technological leadership change: Latecomers’ catch-up strategies in diverse technological regimes. Research Policy, 53(105056). https://doi.org/10.1016/j.respol.2024.105056

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