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第94回センバツ高校野球5日目展望

第1試合:花巻東-市和歌山

 現役メジャーリーガー2人の母校である花巻東の注目は、なんといっても1年生の佐々木。佐々木監督の息子であるスラッガーは僅か1年で56本のアーチをかけた。新世代の怪物がいよいよ聖地にやってくる。
 佐々木以外にも通算45本塁打の強肩捕手・田代、通算14本塁打の宮澤と強力なバッターが並ぶ。投手陣では技巧派左腕の萬谷が大黒柱。制球良く投げ込み、相手打者を幻惑する。
 昨春はドラ1バッテリーで聖地の土を踏んだ市和歌山。今年はエース・米田に期待が集まる。最速149キロの速球派右腕。小園(DeNA)を思い起こさせる本格派は、秋季大会でも奪三振の山を築いた。控え右腕の淵本も最速143キロで奪三振能力が高い。183cmの長身から投げ下ろすフォークが最大の武器だ。打線は主将の松村、1年生4番の大江の前にランナーをためたい。
 米田と佐々木の対決が最大の注目。打力では花巻東が上回るだけに、市和歌山にとっては米田の投球がカギを握る。花巻東は早めに相手エースを攻略したいところだ。

花巻東(4年ぶり4回目)
岩手県花巻市、私立
東北大会優勝
主な卒業生:大谷翔平(エンゼルス)、菊池雄星(ブルージェイズ)、高橋樹也(広島)、松本遼大(日本ハム)、沢木冬吾(小説家)

市和歌山(2年連続8回目)
和歌山県和歌山市、市立
近畿大会ベスト8
主な卒業生:川端慎吾(ヤクルト)、益田直也(ロッテ)、小園健太(DeNA)、松川虎生(ロッテ)、藤田平(元阪神監督)

第2試合:大島-明秀日立

 奄美大島からやってきた大島は一般枠では初めての選出。県大会では4試合がサヨナラ勝利。九州大会でも降雨引き分け再試合を制するなど劇的な勝ち上がりを見せた。
 最大の注目はエースの大野。最速146キロ左腕は、秋季大会89回で98奪三振という驚異的な成績を残した。松井稼頭央氏由来の名前を背負い、聖地で大暴れを誓う。打線は武田、西田、中の中軸3人がキーパーソンだ。
 関東王者として挑む明秀日立は破壊力の高い打線が持ち味。ハワイ生まれの通算20本塁打スラッガー・石川ケニーを筆頭に、小久保裕紀氏の甥・快栄や武田、佐藤とパワーヒッターが勢揃い。最速142キロ右腕のエース・猪俣は粘り強い投球でチームを支える。控えにも140キロ超え投手が複数揃う。
 奄美のドクターK・大野と明秀日立の強力打線の対決が最大の見どころ。終盤まで接戦勝負なら大島の流れか。ただし、大島は早めに相手投手陣を攻略できれば慌てさせることもできるが、はたして……。

大島(8年ぶり2回目)
鹿児島県奄美市、県立
九州大会準優勝
主な卒業生: 金子万寿夫(元衆議院議員)、田畑千秋(大分大学教授)、竹山浩史(元ラグビー選手)

明秀日立(4年ぶり2回目)
茨城県日立市、私立
関東大会優勝
主な卒業生:細川成也(DeNA)、増田陸(巨人)、ンドカ・チャールス(J3岐阜)、吉田知樹(J3いわき)、黒宮渉(J3いわき)

第3試合:丹生-広島商

 21世紀枠選出校が名門校に挑む県立校対決。
 丹生は選手全員が地元出身。地域に愛され、街の活力になっている姿が評価された。また、練習に他スポーツを取り入れる独自の取り組みも評価を受けた。近年は県大会でも好成績を残しており、同校初のプロ野球選手も輩出したばかり。
 注目は1年生エースの井上。最速140キロの速球とカットボールで三振の山を築く左腕は玉村2世の呼び声も高い。打線では怪我から戻ってきた主将の来田が軸になりそう。橋本、小津、小松など他の打者も粒そろい。
 春1度夏6度の優勝を誇る広島商は古豪復活の機運が高まる。ここ一番で一気呵成に畳み掛ける集中力が最大の武器。2番の八幡を軸に田丸、植松と上位に好打者が並ぶ。投手は7人おり、チームワークの良さも強みだ。
 井上の聖地デビューに期待が高まるこの一戦。互いに打線に力はあるため打ち合いになる可能性も。最後まで目の離せない熱戦になりそうだ。

丹生(初出場)
福井県丹生郡越前町、県立
21世紀枠、県大会ベスト4
主な卒業生: 玉村昇悟(広島)、西川一誠(前福井県知事)

広島商(20年ぶり22回目)
広島市中区、県立
中国大会準優勝
主な卒業生: 柳田悠岐(ソフトバンク)、達川光男(元広島監督)

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