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第94回センバツ高校野球4日目展望

第1試合:國學院久我山-有田工

 昨秋にイチロー氏の指導を受けた國學院久我山は、都大会決勝で劇的な逆転サヨナラ勝利を飾った。高校通算8本塁打の下川邊、巧打者の齋藤、秋季大会9盗塁の主将・上田を中心に機動力を絡めて攻撃する。投手陣は安定感のある成田、130キロ超の直球とスライダーが武器の渡邉、動く直球が持ち味の松本など7人を擁する。
 春は初出場の有田工は、終盤勝負で勝ち上がってきた粘り強さが持ち味。チームの大黒柱はエースで1番打者の塚本。九州大会では秀岳館、海星と強豪私学相手に完封勝利を飾った。打ってもチームトップの打率を記録。また1年生4番の角田も楽しみな存在だ。
 塚本がどこまで粘れるかが試合のカギ。打線に課題を抱える有田工は継投策で目線を変えられると厳しいか。終盤まで接戦勝負に持ち込めば有田工にも勝機が生まれる。

國學院久我山(11年ぶり4回目)
東京都杉並区、私立
都大会優勝
主な卒業生:井口資仁(ロッテ監督)、丸山祐市(J1名古屋)、平野佑一(J1浦和)、大塚明夫(声優)、矢尾一樹(声優)

有田工(初出場)
佐賀県西松浦郡有田町、県立
九州大会ベスト4
主な卒業生: 古川侑利(日本ハム)、白竜(ミュージシャン)

第2試合:星稜-天理

 名門校同士の注目の対戦。
 夏2度準優勝の星稜は林監督が率いる最後の大会。北信越大会では接戦を制して勝ち上がってきた。エースのマーガードは185cmの長身から最速141キロの直球を投げ下ろす。1年生投手の武内は力のある最速143キロの直球を投げ込む将来性抜群の右腕。打線は主軸の前にランナーをためられるかがカギ。
 春1度夏2度の優勝経験を持つ天理は、通算7本塁打の主将・戸井、通算17本塁打の内藤と中軸2人に破壊力がある。機動力も持ち味。投手の大黒柱は南澤。188cmと長身ながらサイドスローから投げ込み凡打の山を築く。
 星稜投手陣と天理クリーンアップの結果次第で流れが変わりそう。序盤で流れを掴めば天理、終盤まで接戦に持ち込めば星稜か。

星稜(2年ぶり15回目)
石川県金沢市、私立
北信越大会準優勝
主な卒業生:松井秀喜(元ヤンキース)、本田圭佑(元サッカー日本代表)、島内宏明(楽天)、岩下大輝(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)、鈴木大輔(J2千葉)、新谷良子(声優)、馳浩(石川県知事)、木谷高明(ブシロード社長)

天理(3年連続26回目)
奈良県天理市、私立
近畿大会ベスト4
主な卒業生:中村奨吾(ロッテ)、西浦直亨(ヤクルト)、太田椋(オリックス)、森浦大輔(広島)、達孝太(日本ハム)、野村忠宏(柔道)

第3試合:只見-大垣日大

 21世紀枠最後の1枠で選出された只見。日本有数の豪雪地帯に位置する同校は過疎化による生徒減少に直面し、野球部員も15人(うちマネージャー2人)しかいない。それでも町外から生徒を受け入れる「山村教育留学制度」を活用し、地域の若い活力となっていることが評価された。
 打線は出場校中最下位のチーム打率ながら1年生の酒井(伶)、山内、勝負強い室井に期待したい。投手陣は秋にエース格の活躍を見せた酒井(悠)、セカンドも守る室井、187cm右腕の大竹など複数の投手が揃う。
 東海大会ベスト4ながらサプライズ選出となった大垣日大は、機動力を駆使した攻撃的な野球が持ち味。得点圏で西脇主将や1年生の米津に回したい。投手陣は左腕エースの五島が大黒柱。秋季大会63回2/3で与四死球11という安定感が売りだ。
 下馬評では大垣日大の圧倒的有利か。只見は複数の投手陣が相手打線をかわしながら、少ないチャンスをものにしていきたい。

只見(初出場)
福島県南会津郡只見町、県立
県大会ベスト8

大垣日大(11年ぶり4回目)
岐阜県大垣市、私立
東海大会ベスト4
主な卒業生: 滝野要(中日)、橋本侑樹(中日)

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