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第94回センバツ高校野球準々決勝展望

第1試合:浦和学院-九州国際大付

 2回戦では和歌山東の好投手・麻田を早々に攻略した浦和学院。投げても宮城が7回を無失点に抑えると浅田、金田と繋いで完封リレーを完成させた。
 特筆すべきは宮城の安定感。ここまで16回を投げ無失点。奪三振も23と安定感抜群だ。打線も大振りせずコンパクトに叩く意識が徹底されている。ここぞで一発も生まれるなど投打のバランスが噛み合ってきた。
 九州国際大付は、エースの香西が広陵の強力打線を1点に抑えて完投。逆転で準々決勝進出を決めた。香西も19回で3失点(自責点2)、与四死球2とこちらも抜群の安定感を誇る。
 持ち前の強力打線は復調気味。広陵戦では4番の佐倉にも当たりが出始め状態は上向き。また1番の黒田が絶好調で打線のキーマンになりそうだ。
 互いの左腕エースが好調なだけに投手戦になりそうな予感。ただ、香西の立ち上がりは気になるところ。浦和学院打線は初回からたたみかけていきたい。立ち上がりの攻防が流れを左右しそうだ。

第2試合:近江-金光大阪

 楽しみな近畿勢対決。
 聖光学院との2回戦は、打線が2回に一挙5点をあげて逆転勝利した近江。エース・山田は立ち上がりこそ苦しんだものの、中盤からは完全に復調した。打線も9番の清谷が調子を上げ、チーム一丸で戦えている。
 気になるのは山田の状態。怪我明けの公式戦でここまで2試合を完投。計22回を投げている。ただ、聖光学院戦では87球の省エネ投球。恐らくこの試合でも山田が先発のマウンドに上がることが予想される。
 初のベスト8となった金光大阪は、エースの古川が抜群の安定感を見せる。ここまで22回を投げて3失点も自責点は0。直球と変化球のコンビネーションが良く、木更津総合戦でも延長タイブレークの末のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
 この試合もカギは立ち上がり。山田の立ち上がりを金光大阪打線が捉えられるかどうか。古川は安定しているだけに、近江としては序盤の大量失点だけは避けたいところだ。

第3試合:國學院久我山-星稜

 2回戦では甲子園初登板となった渡辺と松本(慎)が好投を見せて高知に競り勝った國學院久我山。春夏通じて初の甲子園ベスト8となった。
 エースの成田を温存できただけでなく、投手陣の底上げもできた。打線も小技を絡めながら攻撃できており、監督の采配も光っている。先発マウンドの行方や継投のタイミングも見所。
 星稜は大垣日大を下してベスト8進出を決めた。エースのマーガードが安定している他、打線も徐々に上り調子となっている。心配なのはマーガードの爪の具合。連戦となるだけに温存した武内を先発に送るかもしれない。
 コンディション面は國學院久我山有利だが、打線は星稜の方が調子が上がっている。両チームの先発投手の人選に注目したい。

第4試合:市和歌山-大阪桐蔭

 市和歌山は投手戦の末にサヨナラで明秀日立を下した。エースの米田は心配だった立ち上がりから好投を続け、最後には自らサヨナラ打を放った。
 1回戦、2回戦と共に1点差ゲームを制して勝ち上がっている。勝負強さは甲子園で磨きがかかっているようだ。
 大阪桐蔭は不戦勝でベスト8進出。コンディション面では有利に立った。力のある複数の投手陣がいるだけに、先発を誰に任せるかが気になる。
 米田は連投となるだけにどれだけ疲労回復できるか。大阪桐蔭は2試合続けて好投手との対決となる。昨秋の近畿大会では対戦がなかったカードだが、上回るのは市和歌山の米田か、大阪桐蔭の強力打線か。

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