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求人広告に書いてある内容は事実なの?転職が初めての人が知っておきたい本当の求人広告

先日、求人広告(求人票)を見る時に気を付けるべきところはありますか?という話題が出ました。

私はパーソルキャリアや、その後の人材会社でずっと求人広告や求人票をつくる側の立場にいます。また、自分自身が転職者として求人サイトを見比べて応募して、採用された経験もあります。

今回は、これらの自分のバックグラウンドを活かして、転職初心者の方向けに、求人広告について知っておいて欲しいことを書いてみようと思います。

求人広告の内容は信じちゃダメ?誇大表現と人手不足の市場影響

求人広告を運営する会社のほとんどは、全国求人情報協会(通称:全求協)という協会に加盟しています。

全求協さんによると、日本には約800社の求人情報提供事業者があり、求人専門メディア(求人広告のこと)の種類はなんと300種もあるそうです。

皆さんがご存じの求人広告と言えば、リクナビでしょうか?それともdoda?求人広告と一口に言っても、新卒者向け・転職者向け・アルバイトパート向けから、最近では副業・複業者向けのメディアも増えてきていますし、すべてを把握している人はなかなかいないかもしれません。

これだけ多くの求人情報提供事業者がいて、たくさんの求人広告があるおかげで、私たちは素敵な企業求人にほとんどの場合、無料で出会うことが出来ます。これは、求人情報提供事業者のおかげです。

しかし、有効求人倍率が高まり、日本ではコロナ禍であってもまだまだ人手不足が続いているのは事実です。と言うよりも、人手不足の企業と、人材が潤っている企業で格差が出てきている現状と言えるかもしれません。

働き手よりも企業求人の数が増えると、「お前のところの求人広告に載せても応募がまったく来ないじゃないか。広告掲載費を返金しろ」といったクレームが求人企業から求人情報提供事業者へ寄せられることがあります。

事実、私がdodaとanなどの求人広告の営業をしていた2014年~2018年は、相当数の企業様にご指摘および深刻なご相談をいただき、胃がキリキリする日々を送っていました。(広告効果は水物なので、どんなに頑張っても応募が0のときは0です。応募が来なかったらお客様から鬼電がかかってきて説教されることもしばしば…)


前置きが長くなりましたが、このような人材市場の影響を受けると、求人情報提供事業者はどうしても「広告に誇大表現を使ってでも、応募数を集めなければ…」という思考になりやすいです。

応募がゼロであれば「お前のとこの求人広告は詐欺だ」と、詐欺呼ばわりされてしまうこともあるからです。

その結果、求人情報提供事業者は、少しでも応募を集めるために求人広告の内容を誇大化したり、誤った情報をこっそり載せようとしてしまいます。

たとえば、平均の残業時間が月間40時間の現場だとしても、実態をあやふやにして

「平均残業は10~20時間です」

と大嘘を書いてしまったり、

「平均残業は20時間(繁忙期は40時間)」

と表記をして、繁忙期はいつなのか誤魔化して、どうにか乗り越えようとしたりします。もちろん事実と異なる事項を書くことは、求人情報提供事業者の倫理観を逸脱する行為です。本当の詐欺事業者になってしまいますよね。

すべての求人情報提供事業者が違法な広告を掲載しているわけではありませんが、人手不足が続く昨今では、どうしても「求人企業に寄り添い過ぎた」広告が増える傾向があるのは事実でしょう

結果として応募をする求職者に嫌な思いをさせてしまうトラブルが発生してしまうのです。


応募時に提示された労働条件と事実が異なれば労働契約を破棄できる

先ほどご紹介した、全国求人情報協会では次のように求人広告倫理綱領が定められています。

求人広告は、読者・ユーザーの適切な職業選択に資するよう配慮されたものでなければならない。
求人広告は、真実なものであって、法令及び社会倫理に違背するものであってはならない。また、読者・ユーザーに不利益を与えるものであってはならない。
求人広告は、読者・ユーザーに誤解を生じさせることがないよう、平易な表現を用いるなど、的確な表示に努めなければならない。

求人情報提供事業者は、あらためてこの倫理綱領を肝に銘じて、自分たちの運営する求人広告は、人の人生を大きく左右するものだと自覚し、責任をもった行動をすることが大切だと思います。


また、職業安定法でも

ハローワーク等へ求人申込みをする際や、ホームページ等で労働者の募集を行う場合は、労働契約締結までの間、労働条件を明示することが必要です。

と正しい労働条件を労働者に提示することが明確に定められています。

ハローワークや求人広告のスペースが小さくて、労働条件を書ききれない場合は労働条件通知書等により労働条件を通知しましょう、と労働基準法で定めれているのです。

つまり、裏を返せば、求人広告掲載内容または応募時~内定をもらうまでの間に、万が一きちんとした情報を企業が提示してくれない場合は労働契約が成立しません。

なにか少しでも「おかしいな」と思ったら、無理に労働条件を受け入れず、入社しない方が良いでしょう。なお、求人広告を使用したときに困ったことがあれば、下記の全国求人情報協会の窓口に相談することも可能です。

まとめ

初めて転職するとき、今の会社を辞めたくて仕方がないときに求人広告を見ると「こんな素敵な企業があるんだ!」と、書いてあることすべてを鵜呑みにしてしまう人もいるでしょう。

もちろん、私も、私のように人材事業に真剣に携わる人たちは虚偽の求人情報で人材を釣ろうとは一切考えていません。しかし、すべての求人情報提供事業者が、正しく運営しているとはなかなか言い切れないのが事実です。

転職を支援するサービスを利用する際は、あくまでも「自分の目で見て聞いたこと」や「一次情報」を重視しながら、この情報は正しいのか?確認する癖をつけていってほしいと思います。


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