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職場の「心理的安全性」を高める方法について調べてみました

日々、リモートワークで仕事をしていて、「もうちょっとスムーズに仕事ができたら」と思うようになりました。
突然、自宅での勤務になってしまい、チャットツールで上司や同僚とやりとりするのも大変です。

そんな中、気になっていたWeb上の記事を読み直してみました。

■グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ-プロジェクト・アリストテレスの全貌
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48137

この記事の中で気になっていたキーワードは、「心理的安全性」です。

記事の内容をざっくり要約すると、米Googleが2012年に開始した労働改革プロジェクト「プロジェクト・アリストテレス」の調査により、社員の生産性を極限まで高めるにはどうしたらよいのか、そのために必要な要素が明らかになった…………という感じです。

この記事の中で「心理的安全性」について下記のような記載があります。


このように目立ったパターンが見出せずに困り果てたグーグルの人員分析部では、集団心理学に関する学術論文など、アカデミックな調査結果を再度深く当たってみることにした(同プロジェクトの初期段階では、それから始めていた)。

そして、そこから浮かび上がってきたのは「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性だった。つまり成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっているというのだ。

たとえば一つのチーム内で誰か一人だけ喋りまくって、他のチームメイトがほとんど黙り込んでいるチームは失敗する。逆に(途中で遮られるかどうかは別にして)チームメイト全員がほぼ同じ時間だけ発言するチームは成功するという。

それは暗黙のルールとして、そのような決まりを押し付けるのではなく、むしろ、自然にそうなるような雰囲気が、チーム内で醸成されることが重要なのだという。

つまり「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵なのだという。

このあと、チームの生産性が上がらず悩む日系アメリカ人のチームリーダーの例が紹介されていました。

思ったようにチームの生産性が上がらないことに悩んだ彼は、Googleの人員分析部から手渡された調査票を使って、チームメイトへのアンケート調査を実施しました。
「社内におけるチームの役割や目的」、「自分たちの仕事が会社に与えるインパクト」などの評価項目で、彼のチームメイトたちが下した自己評価は、いずれも極めて低かったそうです。
これにショックを受けたリーダーは、非公式のミーティングを開きました。
そのミーティングで、彼は下記のような行動を起こしたそうです。


そこで彼は「これから君たちの知らないことを打ち明けよう」と断った上で、自身がスピードは遅いが転移性の癌に冒されていることを告白した。

しばらく沈黙が続いた後、チームメイトの一人が立ちあがって自分の健康状態を打ち明けた。そこから堰を切ったように、チームのメンバー一人ひとりが自らのプライベートな事柄を語り始め、それが終わるころには、自然に今回のアンケート結果についての議論(つまりチーム内のモラルを高めて、生産性を高めるための議論)へと移行していたという。

記事の中ではディテールが省略されているのですが、おそらく、リーダーは健康がすぐれない状態で、少しやつれたような様子で仕事をしていたのではないでしょうか。

毎日一緒に仕事をしているチームメンバーは、リーダーが体調を崩していることを薄々感じていたのかもしれません。リーダーの心境を気遣って、あえてチームメンバーは黙っていた、という可能性もあります。

気になることがあっても質問できない「何か」があるとき、その集団のコミュニケーションは、腫れ物を触るような、ぎこちないものになってしまうのではないでしょうか。

リーダー自身によって、その「何か」が明らかになったとき、それまで堰き止められていた「コミュニケーションの流れ」が勢いよく循環するようになったのではないか……そんなことを、想像しながらこの記事を読み終えました。

読み終えた直後は「ふむ。なるほど、そういうことか!」と理解できたように思っていました。
「チームの生産性を上げるには、心理的安全性を高めればいいんだ!!」と、前向きな気持になってはいたのですが……。

私が働いている企業は日本の企業です。Googleとは、職場の雰囲気も違うし、勤務している人々の気質も全然違います。
また、記事に書かれている参考例はちょっと特殊すぎて、そのまま真似をしても、生産性が上がるようになるとはとても思えませんでした。

なんらかの方法でチームの中の「心理的安全性」を高めることで生産性は上がるのだろうな、という感じは確かにするのですが、上記の記事だけでは実用的ではない、ということがわかりました。

もうちょっと、「心理的安全性」とはどういうものか、調べてみる

「心理的安全性」って、どういうものなんだろう。
上記の記事だけ読んで、なんとなくわかったようなつもりにはなったけれど、果たして本当に自分は理解しているのだろうか。もうちょっと、情報が必要なんじゃないか。

と、いうことで、さらに「心理的安全性」についてGoogle検索を利用して調べてたところ、Google社のサイトに手がかりがありました。

■Google社のサイト
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/

上記のサイトで「心理的安全性」の定義はこのようになされていました。


心理的安全性: 心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。

おおむね、最初に引用した記事と似ているようです。
Googleのサイトに掲載されている記事は「心理的安全性」だけではなく、「チームとは何か」を定義したり、リサーチチームがデータをどのように収集したか説明していたり、また、生産性の高いチームに影響を与えている要素はなにかを分析していたりして、かなり長い記事になっています。

「心理的安全性」のレベルを調べるときの質問項目がありましたので、下記に転記いたします。

1. チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
2. チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
3. チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶    することがある。
4. チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
5. チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
6. チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような
   行動をしない。
7. チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、
   活かされていると感じる。

また、記事の中で「チームの心理的安全性」という概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンソン教授である、という手がかりを得ることができました。

エイミー・エドモンソン教授の研究について

あいにく、Googleのサイトにアップされているエイミー・エドモンソン教授のTEDの動画には日本語の字幕がついておらず、あまり英語のヒアリングが得意ではない私が見ると、充分には内容を理解することができませんでした。

困ったときには、Google検索に頼るにかぎります。
キーワードを「エイミー・エドモンソン」に設定して検索したところ、今回はラッキーなことに下記の記事を発見できました。

■職場を崩壊させないために必要な「心理的安全性」を作り出す方法
https://gigazine.net/news/20161020-psychologically-safe-workplace/

英語のスピーチをていねいに翻訳して紹介して下さっているので、とてもわかりやすかったです。

以下に、自分用のメモとして、要点だけまとめておきます。

・「Self Impression Management(自己印象操作)」について

・職場で、自分を無知で無能な人に見せないために多くの人は下記のような行動を取る。
1.無知だと思われないために「質問をしない」
2.無能だと思われないために「間違いや弱点を認めない」
3.押しつけがましいと思われないために「アイデアを出さない」
4.ネガティブだと思われないために「現状を批判しない」

・自己印象操作が行われると、人が学ぶ機会を奪い、イノベーションを起こさなくなり、アイデアを出さず、無意識のうちに「よい組織を作り出す」ということよりも「自分の印象を操作」するということに集中するようになる、ということが問題となる。

・心理的安全性が高いチームとはどのように作るのか?

1.仕事において、自分たちがこれまで経験したことのない「不確実なこと」や「人々が頼り合って行うこと」が山ほどあるということを明確にし、職場の全員の考えや声が必要であるという前提を形作ること。

2.「人はミスを犯す」と認めること。ミスをした時に部下から「ミスをしました」という言葉を素直に聞ける雰囲気を作ると、チームのメンバーはより安心して声を上げられるようになる。

3.チームのメンバーにたくさん質問すること。チーム内の「声」を生み出すには必要なことである。

さいごに

エイミー・エドモンソン教授が挙げて下さった3つの方法ならば、今の私の職場でも取り入れることができそうだな、と思いました。

あまり大げさに取り入れるのではなくて、普段の仕事をする中でさりげなく伝えてゆくほうが、無理がなくてよいのでは。

「心理的安全性」については興味があるので、関連する本など見つけたら、また自分用のメモを作ってみたいです。

ではでは、最後まで記事を読んで下さって、どうもありがとうございました!



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