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全国水族館の旅【29】箱根園水族館

温泉を筆頭に、箱根の楽しみ方はたくさんあります。絶景スポット巡りやアウトドアレジャーが盛んに行われており、国内外の観光客は個々にたくさんの目的を持って箱根を訪れています。
そして、箱根には楽しさ満点の水族館もあります。雄大なジオパークの絶景を満喫しつつ、水の生き物たちに癒される素晴らしき体験。水族館を旅程に盛り込んで、超充実した箱根旅行を味わいましょう!


温泉アザラシと出会う魅惑の箱根旅行

箱根地域の高地に位置する複合リゾートエリア「箱根園」。美麗な芦ノ湖の周辺に宿泊施設・商業施設・学術施設が集まっており、その中に箱根園水族館があります。有名観光地の中の水族館、どんな人気者たちと会えるのか楽しみです。
さっそく東京からロマンスカーに乗り込んで、箱根へGO。現地でレンタカーを借りて、意気揚々と箱根園水族館に向かいます。

箱根への足と言えばロマンスカー。関東在住の方は車でも来られますね。
観光地・箱根の玄関口こと箱根湯本駅。いつのシーズンでも大人気の温泉地です。

水族館へ向かう道中にて大涌谷を通りますので、ぜひ車を停めて観光しましょう。雄大な谷と富士山が同時に味わえる絶好のロケーションは、まさに壮観の極み。地殻変動によって形成された大自然の芸術品を目の当たりにすれば、偉大なる地球のパワーが全身に伝わってきます。

車で山を登り、大涌谷を観光しました。水族館に着くまでの道中も徹底的に楽しみましょう。
峻厳なる大地の絶景を拝むと、地球の偉大さを感じます。大涌谷の付近は風が強いので、帽子などを飛ばされないように気をつけましょう。

箱根園に到着すると、大きな湖が見えてきます。火山活動によって形成された高地の湖・芦ノ湖です。箱根園で遊覧船による芦ノ湖クルーズなどのレジャーがありますので、水族館とセットでとことん楽しみましょう。

箱根園から拝んだ芦ノ湖。ニジマスやワカサギなど数多くの淡水魚が生息する幽玄な湖です。
芦ノ湖に面する箱根園水族館。標高723 mの高さに位置する魅力的な水族館です。
箱根園水族館のイメージキャラクター「縁結びのエンチャン」。もうお察しだと思いますが、本館のアイドルは愛らしいアザラシたちです。

学びと遊びを両立させた箱根リゾートの学術エンタメ施設

広大な展示空間に舞う、海と淡水の生命たち!

芦ノ湖の畔に立つ本館はフロア面積がとても広く、多くの大型水槽が設置されています。また、屋外にも展示エリアが設けられており、リゾート地にぴったりの開放的な心地で観覧することができます。さらに、アザラシやコツメカワウソの給餌イベントも実施されているので、まさにエンタメの極みと言えます。
箱根でこれほど素晴らしい体験ができるのは、至高の贅沢です。たくさん学んで、生き物たちとたくさん遊びましょう。

建屋内は広々としており、多くの大型水槽が設けられています。加えて、本館には屋外展示も充実しています。
来館者が最初に出会うのはフラミンゴ・シクリッド。成体のオスは頭部に立派なコブを備えています。
コツメカワウソの飼育展示。アクリル面には給餌用の筒が設置されており、来館者はカワウソたちの摂食の様子を細かく観察できます。
飼育員さんの手から餌を取るカワウソ。彼らの前足は予想以上に器用です。

本館には高さ7 m、水量1255 tを誇る大水槽があります。水槽内は自然光が差し込む構造になっているので、南海の浅い水域に潜ったかのような心地になれます。
本水槽の人気者はアオウミガメ。運が良ければ、秘密の「覗き穴」からアオウミガメの可愛い寝顔を見られるかもしれません。

太陽の光が差し込む大水槽。竜宮城のごとく幻想的な雰囲気が漂っています。
水槽1255 tに達する大水槽には、かなりの高さと奥行きがあります。縦横無尽に泳ぐ魚やウミガメの動きをくまなく観察しましょう。
大水槽には「覗き穴」があります。この窓の付近でアオウミガメがお昼寝していることがあるらしく、覗いてみると……。
ちょうど、アオウミガメのお昼寝タイムでした! 気持ち良さそうに眠っている姿、めちゃくちゃ可愛いです。

まだまだ魅力的な大型水槽が続きます。
お次は、多種多様な淡水魚たちのお出迎え。大きくてかっこいいピラルクやコロソマたち、さらには神々しいアリゲーターガーの白変個体まで登場します。あまりの美しさと神秘性に心が奪われてしまいます。

淡水魚たちの大型水槽。様々なサイズの魚たちが遊泳しており、とても見ごたえがあります。
巨大なピラルクたちの舞。パワフルな姿に惚れ惚れします。
アリゲーターガーの白変個体。言葉では表せられなきほど神秘的でかっこいい!
天井にも大きな水槽が設置されています。陽光の中を泳ぐピラニアたちは凛々しく麗しいです。

続いて現れるのは、とっても横に長ーい大型水槽。ここでは大小様々なペンギンたちが飼育されていて、彼らのかっこいい泳ぎっぷりを堪能できます。決して可愛いだけではない、ペンギンたちの活動的な勇姿に惚れていただきたいと思います。

ペンギンたちの飼育水槽。横に長い構造なので、彼らのダイナミックな遊泳を拝めます。
軽やかに泳ぐジェンツーペンギン。水中での力強い躍動を見ると感動します。
大きなキングペンギン。泳ぐスピードはかなり速く、急な方向転換も難なくこなします。

迫力満点の大型水槽のみならず、他にも様々な生き物の水族展示で楽しませてくれます。本館はスターがたくさんいます。ぜひとも、お気に入りの子を見つけて愛でてください!

ロングノーズ・デンキナマズ。野生個体はコンゴ川に棲んでおり、300~400 Vの発電を行います。
ファンタスティックな照明が似合うミズクラゲ。成体になるまで7回も姿を変えます。
カクレクマノミとナンヨウハギとサンゴイソギンチャク。クマノミのみならずナンヨウハギにも人気が出たのは、やはりディズニー映画の影響ですね(笑)。

水族館の目の前に広がる芦ノ湖。その湖沼生態系を知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
芦ノ湖は火山活動によって生まれたカルデラ湖であり、もともと固有の生態系を持っていませんでした。現在の芦ノ湖に生きている魚種の大半は、人為的に放流されて定着した移入種です。特異で不思議な芦ノ湖の生態系、本館の水族展示で学んでみましょう。

淡水魚の大型水槽。ここで飼育されている魚たちは芦ノ湖にも生息しています。
水槽内を観察しながら、芦ノ湖の生態系をイメージしてみましょう。ちなみに、放流魚ばかりですが芦ノ湖の魚はとても個体数が多く、釣り人に大人気です

淡水環境の重要問題として着目すべきなのは、外来種による日本固有の生態系への影響です。外来種たちは決して悪くないのですが、国内の生態系を守るために、我々は対策を取らなくてはなりません。在来種を守ると同時に、悲しい外来種を増やさないためにどうすべきなのか、本館の展示は来館者に強く問いかけています。

外来魚として有名なオオクチバス。芦ノ湖にも棲んでいます。
オオクチバスと並ぶ著名な外来魚ブルーギル。繁殖力と環境適応能力はとても高く、芦ノ湖においても多数生息しています。
ヤリタナゴ。在来種の生き物でも、別の地域に放流されれば、そこではイレギュラーな存在(国内外来種)として扱われます。

あふれるユーモア! 温泉アザラシのステージ開幕!!

ここからは屋外展示のスタートです。心地よい箱根の高地の風を浴びると、全身で地球を感じられますね。風光明媚な芦ノ湖を眺めながら、個性豊かな生き物たちの観覧を進めていきましょう。

屋外エリアの探検開始。池の向こうにはコツメカワウソの飼育舎があります。
コツメカワウソは気持ちよくお昼寝中でした。寝顔を静かに観察するのも楽しいですね。
屋外エリアの広場で飼育されているガチョウたち。有料で餌やり体験を楽しむことができます。
中庭の池にはシロチョウザメが泳いでいます。箱根の空気を味わいながら、チョウザメを眺めるのも風流ですね。

そして、満を持して花形の登場!
愛らしいパフォーマンスでギャラリーを魅了するアザラシたちのショーの開幕です。芸を披露してくれるのは、バイカルアザラシとゴマフアザラシ。淡水のアザラシと海のアザラシ、夢の共演です! どんな技を見せてくれるのか、ワクワクしてきますね。

ショーの舞台となるアザラシ広場。どんな素敵なパフォーマンスが見られるのでしょうか。
お利口なゴマフアザラシ。飼育員さんとの息はぴったりです。
ボールを抱えて回転しているのは、バイカルアザラシのアッシュくん。可愛い癒し系男子です(笑)。
ぼたんちゃん、ひまわりちゃんはしっかり者のゴマフアザラシ。ジャンプをはじめ、華麗な芸で魅せてくれました。
箱根園水族館のオリジナル芸、温泉アザラシ! バイカルアザラシのアッシュくんが見事にキメてくれました。

最高に楽しいショーに魅せられて、ギャラリーはみんな大満足!
今度は水中でのアザラシたちの躍動を見てみましょう。アザラシ広場には下層階に通路があり、水槽の中を覗ける構造になっています。ユーモラスなパフォーマーたちの素顔、じっくりと観察したいですね。

バイカルアザラシのアッシュくんが一瞥をくれました。アザラシ広場の下層階では、水槽の内部が覗けるようになっています。
ゴマフアザラシは美女ばかり。体の模様を見れば、バイカルアザラシとの識別は容易にできます。

アザラシ広場の通路には、水棲爬虫類や両生類の展示水槽があります。筆者の推しはワニガメであり、戦士の鎧のごとく武装的な甲羅がたまりません。彼らの行動をゆっくりと観察していれば、きっと自分の最高の推しが見つかると思います。

水棲爬虫類と両生類の展示水槽。特にカメ類の展示が充実しており、かっこいい子も可愛い子もたくさんいます。
かっこいいワニガメ。ガメラのモデルになったカメであり、噛む力はとても強いです。
ビルマヤマガメ。ヤマガメという名がついていますが、ほぼ水棲であり、陸に上がることは稀です。
ジーベンロックナガクビガメ。首が長くてユーモラスな外見をしていますが、やや気性の荒いカメです。
シリケンイモリ。沖縄諸島原産の両生類です。シックな色合いがかっこいい!

箱根園水族館の展示には、生き物たちの魅力を強く感じさせてくれる工夫がたくさんあります。まさにリゾート地の箱根園ならではの飼育展示施設であり、水棲生物マニアはもちろん、家族連れやカップルにも全力プッシュできる水族館です。

箱根園水族館 総合レビュー

所在地:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根139

強み:アザラシたちのステージショーやコツメカワウソの給餌などの生き物たちの魅力を披露する各種イベント、展示生物の動きを詳細に観察できる多数の大型水槽、自然照明を活用した水族展示や幅広く観覧しやすい通路など来館者目線での利便性の高さ

アクセス面:高地の水族館ということで、やはり車を運転して行くのがオススメです。箱根湯本駅から箱根園行きの路線バスに乗ってもスムーズに辿り着けますが、途中で大涌谷などの絶景スポットに立ち寄るならば断然レンタカー・自家用車が便利です。幸いにして、バスの本数は多いので、時間帯によっては途中で下車してもすぐに乗り直すことが可能です。また、路線バスで水族館へ向かう場合は約1時間かかりますので、バスに乗る前に必ずお手洗いを済ませておきましょう

圧巻の大型水槽とアザラシのユーモラスなショーで人々を魅了する、リゾート地の箱根園にふさわしい水族館です。子供にもわかりやすい展示解説と観覧しやすい施設設計も来館者には嬉しいところで、家族連れに強くオススメできます。加えて、芦ノ湖の生態系や外来種問題についても水族展示とキャプションで説かれており、観覧を楽しみながら環境学習もできます。
特筆すべきは、やはりアザラシたちの秀逸なパフォーマンスです。箱根の大自然を感じつつ、温泉アザラシの芸を拝む素晴らしい時間。まさに箱根旅行の究極のメモリアルですね。

景観を楽しみながら旅をするのなら、やはりオススメはレンタカーです。せっかく箱根園へ行くのですから、付近の観光スポットにたくさん足を伸ばしましょう。

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