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全国水族館の旅⑱横浜開運水族館フォーチュンアクアリウム

お正月と言えば、おみくじ! どんな運勢が出るのかワクワクするので、家族や友人と一緒に引いたらテンションが上がりますね(笑)。
横浜には占いをテーマにした水族館があります。科学絶対主義の筆者も、たまにはスピリチュアルなものに身を委ね、新年の運試しをしてみました。


水族館で新年の運試し! いざ占いの館へ

フォーチュンアクアリウムは、横浜市内の観光地として有名な元町・中華街に位置しています。首都圏の人なら横浜に何回も来ていらっしゃると思うので、中華街にお詳しい人も多いことでしょう。
東京方面から向かう場合、JR京浜東北線で行くのがベストと判断しました。横浜駅を通りすぎ、石川町駅にて降車します。北口から出て、そのまま中華街へと歩いていきましょう。

石川町駅から中華街までの道のりは、門が連続していてわかりやすいです。徒歩5分ほどでここまで来られます。
基本的に中華街は人が多く、常に賑わっています。雰囲気を楽しみつつ、人混みに注意して歩きましょう。

中華街に入ったら、右側の歩道を進みます。ほどなくして、チャイナスクエアの案内板が見えますので、矢印に従って右に曲がりましょう。奥に見える雑居ビルの3階にフォーチュンアクアリウムが位置しています。

チャイナスクエアへの案内板。よく注意して進まないと見落としそうです。
初見ではわかりづらいかもしれせんが、このビルの3階が水族館です。DAISOの手前の階段、もしくはエレベーターで上がりましょう。

3階の自動ドアをくぐると、スタッフの方がお声がけしてくれます。占いと水族館が融合した特殊な展示施設フォーチュンアクアリウムに到着です。

フォーチュンアクアリウムの手前の階段踊り場。水族館のすぐ隣には、中国茶を味わえる占い屋さんがあります。

「占い」と水族館、奇跡の融合!

不思議な雰囲気に包まれた展示空間

展示を観覧する前に、来館者は任意で自分の運勢を占ってもらえます。タブレットに生年月日や性別を入力すると、番号が与えられます。その番号が書かれたボックスからおみくじを引くと、その日の運勢がわかります。
おみくじにはフォーチュン水槽の番号が記されており、自分の運気を上げる水棲生物も記載されています。エンターテインメントとして占いを組み合わせることで、水族展示を見る楽しみが倍増しますね。

まず、タブレットの占いにて番号が与えられます。その番号が記されたボックスがおみくじを引きましょう。
当日の筆者の運勢。運気を上げる水槽や水棲生物について記載されています。

水族館の照明や内装は工夫が凝らされ、スピリチュアルでミステリアスな雰囲気がフロア全体に漂っています。水槽には縁起のいいお言葉が書かれていて、展示生物の生態に関係のあるフレーズになっています。

水槽には番号が振られていて、おみくじに書いてあったフォーチュン番号の水槽を見ると運気が上がる(?)そうです。ご覧の通り、人生のアドバイスが白文字で書かれた水槽もあります。
狭い通路の中にも水槽がたくさんありますので、くまなく探索みてみましょう。美しく、可愛い生き物たちが待っています。

最初の展示は「ご縁運」が上がる生き物たちの水槽。他の生物と共生関係を持っている魚たちの展示がメインとなります。

イソギンチャクと共生するカクレクマノミ。一般の認知度が高いので、共生する生物の代名詞のような魚ですね。
エビと共生するハナビラウツボ。口の中をエビに掃除してもらっています。

続いて、「金運」を上げる魚たちの展示に入ります。「金」の文字がつく魚と言えば金魚。本館では、金魚の祖先種についても、生体展示とキャプションで解説してもらえます。

金魚の発生についてのキャプション。フナの仲間から金魚が生まれ、室町時代に日本に渡ってきました。
ヒブナ。体の赤いフナの突然変異種です。金魚の祖先と言われています。
ランチュウ。ちょっとずんぐりしているのが可愛い。筆者の好きな金魚です。

今度は「色福運」を上げるために、カラフルな魚たちに会いに行きます。私たち哺乳類とは違って、魚たちはとってもカラフルです(青色や緑色の哺乳類は存在しません)。かっこよくて鮮やかな姿に惚れ惚れします。

水槽が一箇所にまとめられていて、とても見やすいです。カテゴリーごとに見せ方が工夫してあり、来館者にとっては嬉しいですね。
ゴールドでかっこいいコガネキュウセン。背ビレに目玉のような模様があり、天敵への威嚇効果があると考えられています。
ルリスズメダイ。鮮やかなブルーがかっこいいです。

通常の運勢の展示エリアに加え、フォーチュンギャラリーという通路では、個性豊かな魚たちと出会うことができます。探検するような気分で、狭い路に入っていって、余すところなく展示を楽しみましょう。

サンゴ礁に生息するマンジュウイシモチ。独特なフォルムですので、SNS映えしそうですね。
大きな背ビレが特徴的なハタタテハゼ。警戒しているときなど、状況によっては背ビレを畳みます。
テングカワハギ。名前の通り、細長い口が天狗のようです。

キャプションは全ての水槽に設けられており、端的でわかりやすい解説となっています。要点を強調した説明により、どのような生物なのか、一読しただけで理解できます。

名前と生物の特徴・生態の秘密が書かれたキャプション。各水槽に1つずつついています。
上記のキャプション写真に記載されていたヒレナガネジリンボウ(右)。ニシキテッポウエビの巣穴に同居させてもらう代わりに、ヒレナガネジリンボウは周囲の見張りを行います。

愛すべき水棲生物たちに運気を上げてもらおう!

4つめのエリアは「健康運」に関わる生物展示です。「長く生きる」ことをテーマにしているので、ウツボやアナゴのような細長い魚が展示されています。

モウヨウタケウツボ。頭部の小さな斑模様が特徴です。
ハナヒゲウツボ。成長するに伴って、オスからメスへと性転換します。

次の展示エリアの名前は、(そういう名前の運勢があるのか不明ですが)「珊瑚運」。サンゴは様々な生物が出会い、支え合う海のパワースポットです。豪華絢爛なサンゴの水槽を眺めていると、日々の疲れも癒やされますね。

サンゴの水槽。色とりどりのサンゴに加え、魚や甲殻類が飼育展示されています。
ウミキノコ。名前に「キノコ」とついていますが、立派なサンゴの一種です。
サンゴの役割や自然界での役割について、キャプションで詳細に解説。要点がまとめられているので、来館者はスムーズに理解することができます。

観覧順路をさらに奥へ進むと、靴を脱いで上がるエリアへと移ります。まずは、雄々しく身構えるカエルたちとの対面です。

この展示エリアには靴を脱いで上がります。中には休憩用ソファやトイレがあります。
ミヤコヒキガエル。ヒキガエル系はずんぐりしていて可愛いです。
クランウェルツノガエル。昆虫のみならず、小型の脊椎動物も食べる強い子です。

奥へ進むと、ソファーがたくさん配されたリラクゼーション空間が出現します。滑り台と水槽が合体していたり、視覚的にとても楽しめるエリアとなっています。

展示空間の中央に滑り台。その下部は水槽になっています。
滑り台水槽にて飼育されているキッシンググラミー。口と口を合わせる行動は、キスをしているかのようです。ただ、彼らのキス行動は喧嘩しているだけであり、しかもキスするのはオス同士です(笑)。
本エリアでは、中国茶などのドリンクが販売されています。まったり飲みながら、ソファに座って水槽を眺めましょう。

最後のエリアで扱われているのは「恋愛運」。恋をテーマにしているので、愛情深い魚や、夫婦愛の強い魚が紹介されています。我が子を大切に守り育てる点では、人も魚も変わらないのだと教えてくれます。

セジロクマノミ。クマノミは夫婦愛が強く、子育てもこなします。
ハナビラクマノミ。日本の海に棲むクマノミは6種類。本館では、その全ての種類を見ることができます。

そして、愛情深い魚と言えばタツノオトシゴの仲間です。彼らはカップルとなった後、離れることはほとんどありません。
本年は辰年。美しく愛に満ちたタツノオトシゴをじっくりと観察してみましょう。

本棚と合体したタツノオトシゴの展示水槽。中段や下段には海洋生物学や占いの本が並べられています。
ポットベリーシーホース。先述の通り、タツノオトシゴはカップルになるとほとんど離別することはありません。
クロウミウマ。タツノオトシゴの仲間はオスが「出産」することで有名です。メスから託された卵を、オスが腹の中で大切に身ごもるのです。

恋愛運に関わる水族展示ということで、フラれた場合のリカバリーも考えられています。「フラれてもフラれても天使の笑顔で打破」というフレーズに合わせて、エンゼルフィッシュの仲間が展示されています。

プラチナエンゼルフィッシュ。大きなヒレで天使のように泳ぐ姿がエンゼルフィッシュの名前の由来です。
トリカラーエンゼルフィッシュ。エンゼルフィッシュは見た目が美しくかっこいいので、観賞魚として高い人気があります。

本館はエンターテインメント性と独創性が強い水族館であり、きっとあらゆる年代層に受けると思われます。展示解説はわかりやすく、水棲生物の特徴を学びながら、楽しく観覧することができます。水族館に限らず、全てのビジネスにはオリジナリティの濃いアイディアが重要なんだなと感じました。

「本日の暦」パネル。1日ごとに書き換わり、開運の言葉を記してくれます。
おみくじは結ぶもの。観覧順路の最後の星型フレームにおみくじをくくりつけ、観覧は終了となります。

横浜開運水族館フォーチュンアクアリウム 総合レビュー

所在地:神奈川県横浜市中区山下町144

強み:「占いをテーマにした水族館」という独自のブランド力、飼育生物の魅力とスピリチュアルな雰囲気が合わさった独特の空間演出、占いが持つミステリアスなテイストに適合した生物たちの展示

アクセス面:横浜の中華街のど真ん中にありますので、アクセスはとても良好です。JR京浜東北線の石川町駅で降車し、北口から中華街の方へ向かうのがわかりやすいルートだと思います。水族館はチャイナスクエアの奥にありますので、普通に中華街のメインストリートを歩いていると見落とす可能性があります。どうしてもわからない場合は、近場のお店でフードを購入した際に、店員さんに「チャイナスクエアはどこですか?」と訊いてみましょう。

やはり特筆すべきは「占い」をテーマにしている独自性です。スピリチュアルな雰囲気を醸し出す内装、妖艶で美しい生き物たちはSNS映えすること確実です。
キャプションは要点がはっきりしていてわかりやすく、生き物の特徴を確実に掴むことができます。さらに、水棲生物たちの生態を解説しつつ、その特性を占いや運気と紐付けることによって、来館者を常に楽しませてくれます。総じて、非常にエンターテインメント性の高い水族館であると思います。
改めて、水族館のテーマは自由であり、展示は発想が大切だと感じされてくれます。こういったユニークな水族館があるからこそ、展示スタイルは多様に進化していくのだと思います。

水族館は立地的にガンダムファクトリー横浜に近く、動く実物大ガンダムと合わせて観光できると思います。ぜひ、横浜で素敵な1日を過ごしてください。

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