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映画レビュー「時空(とき)の旅人」

今日、テレビでは「鬼滅の刃」劇場版を放映していたようですが、全く関係なく先日BSで録画した1986年製作のアニメ映画「時空ときの旅人」を観てました。

原作は、眉村卓のジュブナイルSF小説「とらえられたスクールバス」です。
読んだはずなのですが、ほとんど覚えておらず…
スクールバスジャックをした未来少年ジロが、抵抗を「無駄なことだ」と言おうとして「ムナコタ」と口走るところだけ何故か覚えてます。
映画にはこのシーン、ありませんでしたが、当初ジロの現代語がカタコトなのは共通。
ジロの声が緒方恵美っぽく、まだこの頃はいなかったよなあと思ってたら、戸田恵子でした。
似てますね。

少々駆け足な展開で主人公たちの状況への適応ぶりがややご都合主義的なところは時代かな?と…
しかし、歴史改変をテーマにしたタイムスリップものとして、途中までそれがうまくいきかかり「裏の歴史」=「織田信長暗殺の失敗」が姿を現すあたりは面白かったです。
信長が「もう一人、謀反人がおる」と言って、羽柴秀吉の討伐を下命するくだりにはびっくり。

そういえば「戦国自衛隊」でも原作では信長の存在が結末に絡んできてましたね。
日本では、信長はタイムスリップもののキーパーソンとして人気があるようです。

ところどころに俳句が挿入されますが、これがなんと制作総指揮の角川春樹氏による句であるとエンドロールに。
春樹氏は、写真をあしらった新手の句集をヒットさせ、父である先代角川社長から「お前は俳句を愛していない」と言われ「売れる句集を作っただけだ」と言い返したという逸話を思い出しました。
角川書店という会社の代替わりという歴史の流れも織り込まれているようで、非常に興味深い演出です。

キャラクターデザインは、萩尾望都。
アニメ映画として、作画・ビジュアル面はなかなかよく出来ているので、ご覧になってみてはいかがでしょう?

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