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RATELが配信ノウハウ0から1年で年間140以上のeスポーツ大会を放送するようになるまで。


株式会社RATELについて

2018年設立以来、eスポーツを宇宙一のエンタメにするというミッションを掲げ、まずは地球においてeスポーツ大会の運営/放送事業を展開。主にCoDモバイル/CoDBOCW/ApexLegends/VALORANT/荒野行動等の様々なタイトルの公式大会や大規模大会を運営。

また、事業を拡大する中で多くのeスポーツ選手から寄せられた課題を解決する為ボイスチャットアプリケーション「VOLBOX」を開発中。


これまでのRATELの売上の推移と施策について

2020年春頃の新型コロナウイルスの流行を境目に急激に数値が成長したジャンルの一つが「ライブ配信の視聴時間」です。GikenAccessによると1人当たりの視聴時間は約2倍にもなっているそうで、弊社の大会配信事業が急成長できたのはもちろん運の側面も強いと思っています。
しかし、そのチャンスを確実なものにする為ミクロな施策からマクロな戦略まで多くの打ち手を行ってきました。本noteでは主にこの約1年間でRATELがどのような経緯でeスポーツ大会の放送事業の急成長を実現したのかを解説したいと思います。

弊社大会事業の実績一覧 : https://ratel.games/tournament 

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上の画像は弊社の2020年3月から2021年3月にかけての月間売上の推移になります。絶対値は伏せておりますが、放送の受託という労働集約型かつ積み上げ型のビジネスモデルとしてはかなり綺麗な右肩上がりのグラフだと自負しています。

特に注目していただきたいのは2箇所(厳密には3箇所)で、2020年7月~9月の跳ね上がりと2020年11月の跳ね上がりです。7月~9月に関しては2倍以上の売上を達成しています。外出自粛の動きが全盛期であったこのシーズンにイベント放送という形で売上を成長させることができたのはとても重要なことだったな〜と今では考えています。

2020年7~9月に起きた出来事

大きくは3つの出来事がありました。

・完全オンライン放送案件の獲得
・強力なスペシャリストの採用
・スタジオの移転

主にこれらの要因が7~9月の跳ね上がりに貢献した施策だと考えています。まず当時の弊社の案件の状況ですが、完全オンラインの案件は少なくオフラインとオンラインを融合したような(パブリックビューイングやコミュニティ大会のオフ会等)大会を放送/製作することが多く、どうしても一つの放送を現在よりも遥かに多い人数で回す必要がありました。(オペレーションの未熟さや練度不足も影響)

これらの状況を払拭したのがライアット社のFPSゲーム「VALORANT」の登場に伴うオンラインコミュニティ大会の主催、2020年の初め頃より仲良くさせていただいていたFennel社の主催する大会「FFL」のAPEX等への複数タイトルへの参入でした。

VALORANT大会 VFTについて : https://ratel.games/tournament-vft
FFL APEXについて : https://ratel.games/tournament-ffl-APEX

どちらも高度なオンライン化が求められる放送案件で、当時の社内の技術水準ではかなり難しいものでした。そこで2つ目の要因である強力なスペシャリストの採用につながります。

スペシャリストのジョイン

当時、社内の技術水準はお世辞にも高いものではなく、ゲーミングPCやキャプチャボード等のハードウェアの性能に頼り切ったものでした。これでは労働集約型のビジネスモデルにますます拍車がかかってしまいます。(機材のオペレーター が多くなるので)  そこで重要だったのが、高度な放送のオンライン化をソフトウェアで実現できる人材でした。採用の為に代表の吉村は東奔西走します。北は札幌、南は鹿児島まで様々なeスポーツ領域の登壇/ピッチに参加し、必要であればイベントの運営スタッフとしてコミュニティのサポートに徹することもありました。

そしてついにめぐり逢えたのが現在の弊社の放送技術を一手に担うテクニカルディレクターの方です。元々SEとして働く傍らでUSの超有名格闘ゲームイベントに携わったり個人でのオンライン大会の製作経験も長い、当時の採用要件にドンピシャの方でした。彼のジョインにより社内の放送技術水準は劇的に向上し、放送あたりの人員数も効率化できました。これによりチームを編成し2案件以上を同時に回すことも可能となります。

スタジオの移転

効率化されたメンバーで案件を複数同時に放送できるようになったからと言って、売上高が倍になるわけではありません。7~9月の成長の最後の関門となったのが放送できるスタジオの確保でした。(※8月ごろまでは実は渋谷の小さい築35年のアパートの一室で放送を行ってました)

また当時社内では自社アプリケーション開発に資金リソースを使い切っており、とても余裕を持ってスタジオを構えられる状況ではありませんでした。外部のスタジオで行おうにも長期的な契約の放送案件も多く、ランニングコストの大増加は免れません。バーンレートは既にアプリ開発で燃え盛っており資金の捻出も高難度でした。

そのタイミングでRATELはJ-KISS方式によるエクイティファイナンスを実施します。資金調達の目的としては、開発が遅延していた自社アプリへの開発費の追加投資でした。その際に開発メンバーの増加に伴うオフィス移転計画が立ち上がりました。そこに空間の半分をスタジオ化するというプロジェクトが乗っかる形でスタジオ移転が実現することとなりました。

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(移転プロジェクトの内装図面。R6Sっぽくて好き)

2020年11月に起きた出来事

9月にオフィス/スタジオ移転が完了し10月頃になると今度は放送の人的リソース不足に直面します。夏頃に比べて3倍以上の案件を抱えている状況かつ技術チームの教育も後手に回っていました。

そこで、各チームと話し合いを重ね、ある意思決定を行いました。それは10月期間中の自社大会の放送を完全に停止し、その期間中に可能な限り採用~オンボーディングを進めつつ、既存のチームの練度を高めるというものでした。当然売上は減り残キャッシュの減少に拍車がかかるわけですが、採用の加速と練度の向上は11月に控えていた大規模案件には必要不可欠な要素です。

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(11,12月の案件の為に10月の自社大会のほぼ全てを停止した)

結果としては、採用は比較的上手くいき中途のディレクターを数名採用、社内のメンバーも入れ替わりこそあったものの実戦に出られる練度を確保することができました。(ここの練度にKPIを設定できればなお良かったのですが...笑)採用のKPIはシンプルに一次面接(カジュアル面談)の実施数に設定し、面談回数や求人のPV数を先月までの4倍に増やしました。

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(10月以降のWantedlyの運用状況。10~11月の数値が大きく変動している)

「まず、困ったら整理と予測なので。」

ある日、近況報告を行った際に株主の小笠原さん( @ogasahara )に言われたこの言葉が本当にシンプルかつその通りだなと痛感しています。ビジネスにおけるあらゆる困難な状況や課題において、地道にスプシやKeynoteで整理と予測を繰り返すことの重要性が凝縮された一言だと勝手に思ってます笑

ビジネスや起業において勢いや根性が一定数重要なのは言うまでもありませんが私のCOOという立場上、現在の社内の状況を正確に整理/予測した上で業務を執行するのは極めて重要だと考えています。

今後のRATELの動きとMISSION

冒頭でお伝えした「ミクロな施策からマクロな戦略まで〜」という言葉のうち今回書いた施策群はミクロなものにすぎないと考えています。我々の掲げる「eスポーツを宇宙一のエンタメと証明する」というミッションの通り、より大きなeスポーツ市場を実現していきます。現在社内で開発を進めているボイスチャットアプリケーション「VOLBOX」もその布石の一つで、よりeスポーツコミュニティが熱狂できるようなプロダクトへと仕上げていきます。(2021年9月リリース予定)


また大会事業の方ではレベニューシェアモデルの大会立ち上げプラン「ノバシェア」を展開しており、国内のeスポーツ大会/リーグの増加にコミットしていきたいと思います。大会の母数を増やすことは選手やチームに潤いをもたらし、eスポーツ市場の拡大を加速させてくれるものだと考えています。(こちらが軌道に乗ってくればKPIがMRRに移行していくかもですね)

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こんな人に仲間になって欲しいです!

以上のような事業の急拡大とeスポーツ市場規模拡大への挑戦に伴いRATELでは、現在複数のポジションの採用を強化しております。もし下記のポジションやRATELに興味がある方がいれば私のTwitterや弊社のWantedlyより連絡いただけると喜びます😀

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■採用情報ページ(HP) : https://ratel.games/recruit 

■募集職種一覧(HERP) : https://herp.careers/v1/ratel/

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