BRAINSCIENCE
今回の記事では脳科学を使ったマーケティングの話を書きたいと思います。
今までのマーケティングはデータを中心に考えられていました。
データ中心のマーケティングは、ターゲットを20代とか男性なのか女性なのかといったように絞っていました。
しかし、それは実際には無意味なのです。
この記事では、データではなく脳科学を中心としたマーケティングについて書きたいと思います。
ここで1つ質問をさせていただきます。
これを今読んでいるあなたは物を買うときに自分で決められていますか。
ちゃんと頭を働かせて買っていますでしょうか。
大体の人はちゃんと買ってますと答えてくれます。
しかし、自分の部屋の周りを見てみてください。
買ったのに、1度も着たことない服はありませんか。
買って、箱を開けて1度しか使ってない、または1度も使ってないお土産があったりしませんか。
衝動買いしたことありませんか。
旅行先で○○限定だから買っちゃった。
なんてことを、僕は全て経験しています。
あなたはどうでしょうか。
なんで買ってしまったのでしょう。
結論から言ってしまうとそれは買ってしまったのではなく、買わされているのです。
例えば、自宅から徒歩15分のスーパーに100円のジュースが売っているとします。
しかし、あなたの家から徒歩1分の所に110円で同じジュースが売っています。
ほとんどの人が近いからとか10円に時間を取られたくないからと言ってコンビニでジュースを買います。
これはコンビニにあなたがジュースを買わされているのです。
現代社会の物のほとんどは実は誰かに左右されて買わされているだけなのです。
しかし、それは無意識のうちに左右されているのです。
これが脳科学を用いたマーケティングなのです。
この脳科学を用いたマーケティングは購買行動の他にも使われています。
ニューロポリティクスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
簡単にいうと、脳科学を用いた政治活動の研究のことです。
アメリカの大統領選でも使われていた研究です。
ヒラリーとトランプが最終的に一騎打ちになりましたよね。
トランプには、民衆の脳に訴えて票を入れてもらうにはどうすれば良いのかというコンサルタントがいました。
これは映画になった位、有名な話なので気になる方は映画を見てください。
ここでは簡単に書きます。
トランプのコンサルタントの人はどういう分析をしてヒラリーに選挙で勝ったのか。
コンサルタントの人はこの様な分析をしました。
ヒラリーさんの顔を男女10名ずつに見せたところ、男性の脳にネガティブな反応が見られました。
しかし、女性の脳にはポジティブな反応がありました。
その後、ヒラリーさんの政策を説明した後にまたヒラリーの顔を見せたら男性にもポジティブな反応が見られたのです。
コンサルタントの人はこの分析から政策で勝負してはいけないと判断したのです。
この分析の後、トランプはTwitterなどでシンプルで端的なアピールをし始めました。
その結果、トランプは見事に大統領の座を手に入れました。
つまり、人間というのは複雑な部分をあまり見ていない人の方が多いのです。
実際に選挙に行って投票をするときに、あなたは自分が投票する人のマニュフェストをきちんと理解して本当に入れていますかということです。
これは購入するときも同じです。
僕らが物を買うときのほとんどがスペックを比較して買うよりもデザインや口コミや写真で見た使った時のイメージ、そして値段で決めています。
ドン・キホーテで何か商品を買うときに、きちんと裏側を見て商品の説明をいちいち見ているでしょうか。
ほとんどの人が、これよさそうだなと思ってぱっと見で買ってしまいます。
ということはとにかくシンプルにすることで購買欲を上げられることが出来るのです。
ここから実際にビジネスに活用した場合の話を書いていきます。
脳科学とビジネスセンスは大きく関係しています。
ビジネスセンスとは収益です。
どんなものでも収益に変えられる人はビジネスセンスのある人です。
この収益は購買数×顧客単価で成り立っています。
この収益を上げるために脳科学を使います。
これから紹介するテクニックはこの記事を読んだ後、すぐにで使えますので試してみてください。
まず、脳科学を語る上でどうしても必要な4つのホルモンがあります。
アドレナリン・セロトニン・オキシトシン・ドーパミンです。
アドレナリンは心臓がバクバクしている状態や興奮している時に出るホルモンです。
セロトニンは興奮状態を鎮めるホルモンです。
オキシトシンはスキンシップをした時に出るホルモンです。
ドーパミンは自分が何か快感を得ている時に出ます。
この4つのホルモンがどういう風に収益に関わっているかというと、
購買数にアドレナリンとセロトニン、顧客単価にオキシトシンとドーパミンが関わっています。
購買数の方を先に書かせていただきます。
高速道路のお土産コーナーに○○限定とかAmazonで商品を買うときに在庫が残り何点と書かれていたりすると、人は不安や焦りを感じセロトニンの分泌が少なくなります。
この時に、感情のコントロールが出来なくなり衝動買いをしてしまうのです。
これは多くのお店がやっていることです。
今回はそれよりワンランク上のテクニックをご紹介します。
というのも、そもそもあなたの商品や事業は不安を作れていますかということです。
○○限定など見えている不安よりも見えない不安を見せることの方が重要なのです。
例えば、給湯器の無料点検をしに作業員の人がやってきました。
あなたは無料ならということで実際に点検をしてもらいました。
点検が終わった後、作業員の人があなたに今は大丈夫ですが定期メンテナンスをしないと恐らく1年以内に壊れて何万か損します。
しかし修理でしたら、数千円でできますのでいつでもお問い合わせください。
と言ってその従業員は帰ろうとします。
あなたなら、この後どうしますか。
僕は実際に作業員の人が帰る時に、修理を依頼してしまいました。
数千円払えば何万円も損しないから修理しようという気になったのです。
これはプロスペクト理論というものが使われていて、人間というのは得をするということよりも損をするという場面の時の方が気持ちが2倍動くという理論です。
今なら1万円の所、数千円で修理できます。
というのではなく、今数千円で修理しないと何万か損をします。
と言った方が売れるのです。
収益に繋がりますね。
おさらいすると、収益は購買数×顧客単価です。
この購買数の所にアドレナリンとセロトニンが関わっています。
そして、購入数というのは人にどれだけあったかという機会数×成約率です。
機会数を増やすには、有料も無料の方が上がりますよね。
そして、成約率は得をするというよりも損をするということに目を向けさせた方が上がるのです。
なので、まずは無料で相手にアクションを起こして機会数を増やし、相手に損をするという感情を与えなければならないということです。
次に顧客単価の方について書きます。
顧客単価についてはオキシトシンとドーパミンが関わってきます。
この代表的な例がAKB商法です。
この言葉を聞くとそういうことかと思う人もいるのではないでしょうか。
AKB商法では実際に何をしていたかというと、例えばAKBのCDがありますよね。
AKBファンの人は同じCDをメンバーの人と握手するために何枚も何枚も買ってますよね。
あれは詐欺商法ではなく、CD意外の価値をしっかりと把握をして顧客が満足をしているからこそ買っているのです。
普通CDは2000円位で1人1枚という人がほとんどです。
そうすると1000人買ったら200万円になります。
しかし、AKB商法を使うと同じ人が何枚も買いますので1000人が10枚づつ買うと2000万円の売り上げになります。
売り上げが全然違いますよね。
この商法にもオキシトシンとドーパミンが使われているのです。
オキシトシンはスキンシップをする際に出るホルモンです。
AKB商法にもホストにもキャバクラにもこのオキシトシンが利用されています。
人間にはこれが欠かせないのです。
これは実験や研究でも必要な証拠が出ています。
スイスの心理学者ルネ・スピッツが第二次世界大戦で親を失った孤児55人を集めて食事と衛生面を徹底的に管理して過ごさせました。
ただし、絶対コミュニケーションやスキンシップを取ってはいけないという条件のもとです。
この結果、16歳を迎えた子供たちはわずか11人でした。
他の子は死んでしまったのです。
人間は絶対にスキンシップや人とかかわることが必要なのです。
このスキンシップという価値を利用して単価を上げているのです。
次にドーパミンについて説明します。
ドーパミンは関心を掻き立てたり、やる気を起こしたりするスイッチです。
こんな人が周りにいませんか。
アプリのガチャにめちゃめちゃ課金する人。
パチンコについついはまって子どもを社内に置き去りにする人。
これは脳内にドーパミンが出ている証拠です。
こんな実験もあります。
2羽の鳩を別々の折に入れて、片方の折にはボタンを押すと毎回餌が出る仕組みのボタンを置き、もう片方の折にはボタンを押すとたまに餌が出る仕組みのボタンを置きます。
毎回餌が出る方の鳩は何回か押した後、飽きて押さなくなりました。
しかし、たまに餌が出る方の鳩はずっと押し続けたのです。
これはドーパミンが掻き立てられているからなのです。
AKBの握手会もそうです。
ただ、AKBのライブを見るのではなく選挙や握手をして自分も活動に参加するという行為がある場合とない場合ではドーパミンの出る量が全然違います。
そして、ファンのドーパミンを出すために様々工夫がされています。
例えば、何回も握手会であっている人にたまにそっけない感じで握手をします。
そうすると、またちゃんとやってほしいと思ってまた熱心に握手会に参加してしまうのです。
ずっと同じ笑顔だと飽きられてしまうからです。
これを実際にビジネスで実践するにはどうすれば良いのでしょうか。
結論はブランディングをしっかりとすることです。
先ほどのAKBのCDの話を少し確認します。
AKBはCDをただ2000円くらいで普通に売るのではなく握手会や選挙などの付加価値をつけることで1CDの価値を何倍にも高めていました。
この価値を高めるという所にブランディングが関わってくるのです。
まずブランドとは会社が所有しているものではないのです。
顧客の中にあるものです。
顧客にこのブランドを植え付けるために企業が何かを発信することがブランディングと言います。
このブランディングというのは2つに分かれています。
1つ目はセンサリーエクスプレッション&ボイスです。
2つ目はブランドエクスキューションです。
これだとわからないので簡単に説明していきます。
1つ目のセンサリーエクスプレッション&ボイスですが、例えば皆さんはマックのカラーは何色と聞かれたらなんと答えますか。
ENEOSのキャラクターといえばなんでしょうか。
恐らくほとんどの人が同じ答えになります。
これは企業が宣伝しているものでしょうか。
実は僕たちが勝手に持っているイメージですよね。
このようなイメージを顧客に植え付けることをブランディングといいます。
なので、このようなイメージが無い企業は今すぐ何かを統一したりキャラクターを作った方がいいです。
2つ目のブランドエクスキューションとは、日本語に訳すとブランドの管理です。
営業の態度やお店の雰囲気、そして顧客との接点などの管理がしっかりされているかを確認しましょう。
このブランドを作りにはどうすれば良いのでしょうか。
まずは、ブランドを顧客に体験してもらいましょう。
そして、顧客と一緒にブランドを作りましょう。
ブランドを体験させるにはどうすれば良いのでしょうか。
例えば、経営者のストーリーを売る。
シャネルのココシャネルのストーリーは何回も映画になっていますよね。
顧客カスタマイズをさせてあげたり、顧客の下の名前を読んであげたりと特別な何かを体験してもらうことです。
また、このようにして自分のビジネスを成長させていくにはAARRRというフレームワークがあります。
日本語に訳すと、1つ1つが英単語の頭文字になっていて、
獲得・活性化・継続・紹介・収益といったこの一連の流れを実践する必要がありますが、ドーパミンなしでは出来ないのです。
ここでこの記事全てをまとめると、まず僕らが買い物をするときはほとんどが自分の意志ではなく企業に買わされているということです。
買わせるためには、顧客を不安にする必要があります。
収益とは、購買数×顧客単価を表しています。
この収益を高めるには、無料を利用し購買数を稼ぎ、ドーパミンを利用して顧客単価を上げます。
ドーパミンを利用して付加価値をつけましょう。
ブランドとは企業ではなく顧客にあるもです。
顧客とブランディングをしていきましょう。
ビジネスを成長させるAARRRというフレームワークがありますが、これにはドーパミンが必ず必要です。ということです。
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