すきま風

怒りのような
嘆きのような
どちらとも取れる言い草で
吐き捨てていく

それは酷く冷たかった
鋭い刃先が身を掠め
触れたところが赤く滲む

頬が痛かった
耳が痛かった
けれども黙って聞いていた
向けられた言葉の数々を
出来うる限り
受け止めたかったのだ

反応の無い私に
痺れを切らしたのか
或いは飽きたか
気が済んだのか
静寂の中
置き去りの私と
言葉たち

一体あれはなんだったのか……。

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