未知

わたしは わたしの
歩幅を 知らない
動いているのは 私の脚で
そこへと続く 私の身体
歩いているのは私、だけれど

わたしは わたしの
言葉を 知らない
動いているのは 私の口で
そこへと続く 私の身体
紡いでいるのは私、だけれど

たしかにどこかへ 歩いている
なにかを思って 紡いでいる
けれども大事なところだけ
近くて遠い 靄の中

伸ばすこの手は 何も触れず
掬う思いは 声にはならず

わたしは わたしを
未だ、知らない

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