雲の向こうに

黒い雲の向こうに
まだ
染まりきっていない
澄んだ青
無垢な青が
広がっている

「遠くの空よ
この世は一体 何色だい?」
そう
問いかけようとして
ふと
気付いた

あれが見ているのは
漆黒に染まった雲であって
その遥か下にいる
我々なんぞ
見えてはいないのではなかろうか。

私がどれほど見つめても
その視線は片道切符
交差することなど
ないのかもしれない、と。

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