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130年続く笠間藍染:新月の藍建てを訪ねる

以前、旅色プラスの連載で書かせてもらった笠間藍染の工房で藍建てを見学してきました。

こちらの工房は、少なくとも130年前から土間で藍を育てているという。4つの藍壺がワンセットになっていて、寒い時は中央の穴から籾殻を焚いてツボを常に温める。絶やすことなく続けて来た色だ。

そして、藍建をやるのは、昔から必ず新月の日と決まっている。最近では藍染の受注も減り、3−4ヶ月に一度、藍がなくなってきたら次をつくるのだそう。

こちらが徳島の蒅師、佐藤家から仕入れているという蒅。

初めは、このとおり真っ黒。

蒅を20分ほど踏み続けるとだんだんやわらかくなってゆく。粘土のような音がして、いろは墨のよう。

均一に柔らかくなると、水を入れてかき混ぜる。

石灰を入れてさらに混ぜる。

お酒一升瓶と小麦粉は翌日に入れるのだそう。

20日後にはだんだん青色に変化し、華が咲いた状態がこの壺。

真っ黒になったこの土壁に歴史を感じさせられます。きっと、たくさんの微生物たちが共生しているのでしょう。

笠間藍染 
住所 奈良県宇陀市室生下笠間620

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