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ならいごとの旅

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世界の小さな村を訪ね、保存食や手仕事など昔ながらの知恵を学ぶ旅の記録
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#食べ物

究極のslow food葛の根からの葛粉づくり

とろみつけに使われる葛粉、どうやって作られているか知っていますか?葛という植物はどこにでも生え、堤防や道端に育っているのを見かけたことはあると思います。でも、だれも、その根を掘り出し、葛粉をとろうと思う人はいません。 ものがない時代は、それが、大事な栄養源でした。わらびの根や、タピオカ、さらには毒のある彼岸花の根まで、人は食べてきたのです。その苦労を味わいながら、本葛の貴重さを知ろうというのが今回のワークショップ。吉野葛の本場、奈良県宇陀での大実験です。 本気の葛の根掘り

英語で学ぶ発酵づくしの3日間 "The Art of Fermentation School"

3日間の発酵ワークショップ海外のヴィーガン料理教室とのタイアップ企画で、3日間にわたり基礎調味料の作り方や和食文化の基礎を学ぶ「発酵合宿」を開催しました。 「種麹と豆麹が買いたくて日本に来た」「豆麹はどうやって作るのか」「ネパールの納豆は糸を引かないが、日本の納豆菌は何が違うのか」「麹蓋はどこで買えるのか?」「pHをどう調節すればよい?」 マレーシア、ネパール、シンガポールの発酵マニアが集い、鋭い質問が飛び交う。メンバーたちは、3日間寝食をともにすればすぐに仲良しに。寝て

ならいごとの旅 in 台湾(3)畑の中心で食卓を囲むひとびと

台湾で4年半前に始まった生産者とつながる畑の食卓イベントを主催するグループ「稻田裡的餐桌計劃-幸福果食」を訪ねて来ました。 幸福果食は4人のスタッフとボランティア(ここでは、「夢行者(夢を実践する者)」というそう)運営する農業支援の会社。 4年半を通じた活動で、台湾中の約300の農家とつながり、毎週どこかの農家のところでイベントを開催しています。 私が今回参加したのはそのイベントの一つでもあり、4年半前のイベントのはじまりとなった記念すべき地での晩餐会。 中山休閒農場に

【中国フードツアー#04】福建客家土楼で学ぶ食の知恵

たまに同行者募集している食をめぐる旅。客家土楼編です。 参加を検討してくれていた方はこれまでにもあったのですが、なかなか都合が合わず、今回は初めて日本から同行者が来てくれました!! 客家の保存食が面白い。台湾に通っているときから、本場の客家の食のことを聞きたくてようやく実現。土楼に泊まり、糯米の酒を作ってる酒坊を訪問してきました。 土楼はアパートだと思っていたけど、むしろ街でした。 最大600人住んでいる土楼もあって、長がいる。みんな一族なのだ。 4階建になっていて、

【中国フードツアー #01】 白族のおじい、おばあに学ぶ保存食の知恵

オランダの農大在学中、半年間ブータンの農村調査に携わったことがきっかけで始めた小さな村の持続可能な暮らしを学ぶ旅。毎年、数回、どこかの村へ聞き書きに出かけています。今年はブータンにいた時からずっと行ってみたかった雲南省へようやく行くことができました。 発酵食をテーマに白族のじいちゃん、ばあちゃんに聞き書きしながら料理を習う。干しチーズ、発酵パン、豆腐よう(こちらでは毛かび臭豆腐の油漬け)、豆豉、腌菜、などなど一緒に仕込みました。 なぜ雲南へ? 中尾佐助さんの「照葉樹林文化