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ならいごとの旅

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世界の小さな村を訪ね、保存食や手仕事など昔ながらの知恵を学ぶ旅の記録
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2020年12月の記事一覧

ならいごとノート:十津川村で「ゆべし」を習う

ゆべしは柚をくり抜いて、味噌やクルミ、山椒を詰め込んで藁にまいて半年ほど熟成させる保存食。今でも和歌山や奈良の農山村に伝わっています。ゆべしというと、スイーツの餅が先に浮かぶ方が多いかもしれませんが、かつては武士の携行食として戦場に持って行ったという味噌の保存食。作ってみるとわかるのですが、「柚餅子」と呼ばれるのはゆず自体が餅のようにもちもちしてきます。 <ゆべしができるまで> 十津川村でゆべしづくりを習う最寄駅からバスでゆられること3時間。 平均年齢70歳、7世帯の住民

発酵と植物と色の研究室「古代染色ラボ」全5回の記録ノート

古代染色ラボの最終回でした。 乳酸発酵の媒染剤、お歯黒を作るところから始まり、型染めの型作りと、小紋糠から糊づくり、そして、灰汁づくりと、色と植物を追求する実験室。ラストは生薬をテーマに、麦灰と稲灰の色のサンプルをとりました。 第1回 「お歯黒」 昭和初期まで使われていたというお歯黒は、1ヶ月の乳酸発酵で鉄を溶かして作る媒染剤。歯を染めるだけでなくいい天然の媒染剤。2ヶ月間乳酸発酵させたお歯黒を持ち寄り、お茶とクロモジのお歯黒媒染をしました。 第2回 「灰汁」こんにゃく作