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そもそも里山の暮らしってどんな暮らし?

「遊べる雑木林のある家が良い」

里山の古民家に引っ越してきたきっかけは、林業を生業とする夫の「遊べる雑木林のある家が良い」という想いからでした。
私はこれまで、里山と言う場所がどういう場所か当時は全く理解していませんでした。

私たちが住む里山の古民家は、小さな集落の真ん中に田んぼがあり、それぞれの家の後ろに小さめの山があるそんな地域です。

ウィキピディアによると里山とは、
「集落、人里に隣接した結果、人間の影響を受けた生態系が存在する山をいう。」

う〜ん分かりにくい。
言い換えると、里山の雑木林や山は人の手が入っている、人が管理していると言う事です。

ある外国人が里山をこんな風に言っていました。

「里は英語でVillageで山はMountain、里山はちょうどヴィレッジとマウンテンの境の地域で人が自然と共存して暮らしている場所。里山の雑木林は人が手を入れる事で、日光が行き届き生態系豊かな自然が実現出来ている。これは、昔ながらの日本人の循環型の暮らしである。」

この外国人の着眼点を知ったとき、なんだか里山の暮らしの可能性ってすごいかも!っとワクワクしてしまった。

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私たちが引っ越してくる前の15年間、この家は空き家で裏山も放置されていました。15年間ヒトが入っていない裏山は荒れ果て薄暗いジャングルのようで、私は、入るのを始めは躊躇していました。
夫が少しずつ、木を切り、草刈りをしているうちに、徐々に日光が届く明るい雑木林になってきました。だんだんとそこにはあらゆる種類の木がある事が私にも見えてきました。立派な茶畑があり、竹林がまとまって生えている場所を知り、大梅の老木や小梅の木、柑橘やマルベリーの木も見つける事が出来ました。同時に私たちの前に住んでいた方々が代々、長くに渡ってこの裏山と共に暮らしていたんだと感じました。

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循環型な里山の暮らし

2013年に静岡県の「茶草場農法」が世界農業遺産に認定されたとき、お隣さんにその事を話題にした事がありました。

お隣さん:茶草場農法?な〜にそれ?

わたし:茶草場農法は、茶園の周りの草木を刈って干して、茶園の肥料にして、土を肥やす農法だよ。里山の草木を活かした循環型の農法が評価されたみたいよ〜。 

お隣さん:そんな事は私が小さい頃は当たり前のようにやってたことよ。自分の山の草木を刈って家畜の餌や畑の肥料にしたり、モノの無い時代はみんなそうやって里山を活かした生活をしていたのよ。

ちょっと待って、頭の中を整理したい。

まず「茶草場農法」が循環型のエコな農法として世界農業遺産に登録された事を知る。
そして、お隣さんから里山を活かす暮らしはおばさんたちが小さい頃は当たり前のようにみんながしていたことなのよ。と言われる。

そうなんだ!里山の暮らしは循環型なエコな暮らし方が可能なんだ。っということを改て認識させてもらった気がして再びワクワクしてしまった。

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引っ越してきて7年、里山に少しずつ手を入れるうちに、お茶が摘めるようになり、山菜、たけのこ、柑橘、梅、しいたけなどの恵みをくれるようになりました。そして一昨年は、ハチ箱にニホンミツバチが入ってくれました。
放置した里山は日の入らない薄暗いジャングルになってしまうけど、私たちヒトが手を入れメンテナンスする事で里山は🌀グルグルと循環し出す。

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じわじわと里山が循環してきたことを少しずつ実感し始めているこの頃です。

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