青い靴下

保育園に行く次男坊のために、青い靴下を床に置く。
これをはくように促すと、了解と親指をあげる。
よかった。
今日は靴下を素直にはいてくれるようだ。
兄とふざけ合いながらもパジャマを脱いで着替え始めた。
よかった。
今日はふつうに登園できそうだ。
1月。外は寒いけど晴れわたって良い天気。
さあ、でかけるぞと次男を見ると靴下をはいていない。
床に一足だけ青い靴下がある。
ふざけているうちに片方をどこかに蹴飛ばしてしまったのか。しかしちょっと探してみたがない。
時間もないので黄色い靴下を新しく取ってきて、床に置いてみた。

「青い靴下が良い。」

始まった。

「青い靴下のもう片方が見つかるまで探す。」

しょうがないのでいっしょに探すが見つからない。

代わりに黄色い靴下をはくか、どうしても嫌なら、裸足でいくか。なんなら片方だけ青で片方黄色でも良い。どれかにしておくれと説得をするも答えは同じ。

「青い靴下が見つかるまで探す。」

そのわりにまじめに探す様子はない。
横から見ていた小学生の兄の顔が引き攣るような激論。父と次男の戦い。なんとかグレーの別の靴下をはいてくれたものの、罵り合いながら登園をした年明けはじめての保育園でした。

夜。お風呂に入ろうと次男がよろよろとズボンを脱いだら、ズボンの中からスポーンと小さな青い靴下が片方だけ飛び出しました。

おどろきと、よろこびと、メラメラと怒りを思い出し、殴り合い蹴り合いながらお風呂に入りました。

靴下2つあるといいけど1つだけあるとき、多い。


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