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親父・90歳になる

6月10日は父の誕生日だった。
昭和9年生まれ。ついに90歳だ。
卒寿の祝いは去年数えでやったので今年は連絡もしていない。
何故なら、もう僕のことも覚えていないからだ。

コロナ禍に突入する前はまったく脳の衰えは感じなかったが
コロナが明け、久しぶりに会ったら別人格のようになっていた。
そのとき僕はどこかで別れが近いな、と感じていた。

父は還暦後に再婚をしたのだが、
それ以降、新しい奥さんの尻に敷かれるようになった。
そして新しい奥さんに気を遣ってか、
前妻の子である僕や、兄弟を遠ざけるようになった。

親父が選択した人生なのだから仕方ないと
それには甘んじることにした。
なので会うのは年に一度か二度くらい。
それだけで言えば親不孝なくらい父に顔を見せなくなっていた。

それにしても認知症が進む父をどう受け止めるのが正解か迷う。
考えないようにもしているが、それでも育ててれた恩もある。

よかったのは、後妻になってくれた方が
結局親父の爺さんになっていく30年、親父を見限らず一緒にいる。
きっと最後の最後まで添い遂げてくれるんだろうなと思う。

良くも悪くも僕たち兄弟は親父の介護はしないで済む。
逆に言えばすることができない。
あ、ちなみに父の後妻は僕の姉よりも年下なのです。

おそらく先行き短いであろう父の最期をどう看取るのか。
迷っている間にその日は来てしまうんだろうな、と感じている。

結果、今日は大阪出張に行っていたのですが。

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