其の一【わたしと落語と】落語との出会い
わたしがはじめて落語を聞いたのはたぶん高校生ぐらいのとき。ホールでやっている落語会にフラッと入ったのだったと思う。確か無料で入場の呼び込みまでしていたのだが、それがなんと桂米朝師匠の会だった。会場は沸きに沸いてわたしももちろん涙が出るほど笑った。こんな面白い話芸があるのか!と感銘を受けた。
それから時を経て落語をモチーフにしたドラマに出会い、落語っていいなあ、好きだなあって意識するようになった。
思い返してみれば小学生の頃、図書室にあった偕成社の『少年少女名作落語シリーズ』を何度も借りて読んだりしていたのだ。装丁や挿絵も好きだった。その頃に読んだ『目黒のさんま』『死に神』『まんじゅうこわい』などのお話を落語として耳で聞くと「ああ~この話知ってる!」と嬉しくなった。
高校生の頃は面白いと思っても触れる機会の少なかった落語だが、大人になってからは落語会や寄席にも足を運ぶようになった。コロナ禍においては落語会の配信も増え、家にいながら楽しめるようになった。
もっと気軽にYouTubeやSpotifyなどで楽しむこともできる。目を閉じて出囃子を聞くと寄席の楽しげな風景が浮かび、落語の時代へと心はタイムスリップ!映像作品にも触れられないほど疲れているとき、落語はわたしにそっと寄り添ってくれるのだ。
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