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[Re:] Re-try; オールドレンズの楽しみ -- (5) Schneider社 Xenar 50mm --

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こんにちは。第5回目を書いてから、しばらく時間が経ってしまいました。記事を書き続けること、note を始めるにあたって立てた目標ですが、う〜〜ん、それには、何にもまして、まず楽しんで写真を撮ることですね。

[Re:] Re-try;少年の頃、大好きだったこと -- オールドレンズの楽しみ --

さて、今日は、Schneider社製の Xenar 50mm の楽しみを書きたいと思います。Shcneiderは(西)ドイツのレンズメーカーでライカやハッセルブラットにもレンズを供給していました。私が持っている Xenar 50mm f2.8 は、Web情報を総合すると、そのデザインから1960年代製の中期型であると思われます。

このレンズは、いわゆるテッサータイプ、4枚3群構成のレンズです。テッサータイプは「四隅までカリッと写る切れの良さ」が売り と思っていましたが、実際はどうなんでしょう。次回は、本家 Zeiss 社の Tessar の楽しみをレポートしますので合わせてお読みください。

季節感が表現できるレンズ

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Xenar 50mm f2.8 @墨田区キラキラ商店街、2021年七夕
このレンズの特徴は? 何と表現したら伝わるか色々考えた末、「季節感が表現できるレンズ」としました。季節感というか、温度、湿度、空気の流れみたいな事が表現できるのかなと思いました。上の写真は、梅雨明け前の暑くて湿った重い空気、時より雲間から差し込む太陽の光の下、撮影したレトロ感満載の商店街です。見事に温度、湿度、吹き抜ける熱い空気が表現できているのではないでしょうか?
(コメントは、100%私の主観で書いておりますので、悪しからず。)

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Xenar 50mm f2.8 @墨田区キラキラ商店街路地、2021年七夕
庭木の緑色部分が薄らと白く霞んでいるのは、物理的にも湿度が高い、そんな天候を映し出しているのでしょう。

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Xenar 50mm f2.8 @墨田区キラキラ商店街、2021年七夕
露出条件を右脇の七夕飾りに合わせたので、全体が明るめの写真になりました。商店街の奥が良い感じで霞んでます。暑いです。

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iPhone @墨田区キラキラ商店街、2021年七夕
ほんの参考までにですが、iPhone で撮った写真を掲載します。ハードは勿論、現像ソフトウエアも全く異なりますので比較して良し悪しを云々する価値はありませんが、先端技術とレンズだけ古風という比較はできるできます。iPhone はレトロ感は残しつつ軽快な写りです。

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Xenar 50mm f11 @銀座、2021年10月秋
空も木々も映さず、太陽光と影で、爽やか感を写す事ができました。

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Xenar 50mm f2.8 @新宿、2021年10月秋
このレンズ、暗部の階調表現が苦手な様です。コントラストが強い、黒潰れが早いレンズです。この写真は、前掲のキラキラ商店街の写真と違って暗部からも、空気が重い とは感じません。秋のカラッとした空気感が伝わってきます。(このレンズと EOS 6D の組み合わせで無限遠にするとミラーと干渉します。焦点距離は5m程度が限界でした。f11まで絞りましたが、まだ甘いです。)

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Xenar 50mm f2.8 @門前仲町、2021年10月秋
季節は同じく秋、空は雲ひとつない青空、しかし日陰の商店街。一転して真冬の雰囲気です。このレンズは、季節を先取りできるのか! って驚きました。
同じ重い空気感を、暑い、寒い と写し分ける事ができるんですね。(あくまで主観です。)

ピント合焦面のもどかしさ

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Xenar 50mm f2.8 @銀座、2021年10月秋
ピント合焦面はもどかしいです。カリッとしません。なので被写体がポッと浮かび上がるような描写は難しいです。被写体と背景の境界はなだらかで優しい感じがします。

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Xenar 50mm f2.8 @銀座、2021年10月秋
カリッとしませんが、質感は十分です。被写体の存在感が大きくなります。

鮮やかな発色

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Xenar 50mm f2.8 @銀座、2021年10月秋
暗部の階調は早く潰れてしまい、その分、黒が引き締まって鮮やかな発色の写真が撮れます。特にこの黄色はいい発色です。
「黒が引き締まった」「白が真っ白い」とはプリント用紙でよく使われるキャッチコピーですが、昨今のタブレット時代では黒が引き締まるのがいい条件です。

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Xenar 50mm f2.8 @門前仲町、2021年10月秋
被写体が色とりどりでも周りに白が多いとあまり良い発色ではないですね。もっと近寄って、バックを黒っぽくしたらいい写真が撮れたでしょう。それにしても、発色の良さを予感させる一枚となりました。

バブルボケも鮮やかな発色

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Xenar 50mm f2.8 @新宿サザンテラス Petite Delirium、2021年10月秋
このお店は、ベルギー産のチョイ濃いめの Delirium Beer を飲ませてくれます。酔うほどにピンクの像やクロコダイルが現れるという楽しい Beer です。
まぁ、この Beer の話は後にして、 背景を見てください。実に綺麗なバブルボケ。こういうお店の雰囲気もよく写しています。

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Xenar 50mm f2.8 @新宿サザンテラス Petite Delirium、2021年10月秋
お酒の瓶の前に置いたグラスビール、例によってピント合焦面がカリッとしませんが、直後の瓶のラベルの適度のボケ具合がいいですね。トロッとして酔った私を写しているようです。

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Xenar 50mm f2.8 @新富町、2021年10月秋
コスモスの直後のバブルが真円で美しいです。立体感の乏しさをバブルを浮かせたり、背景を黒で締めると被写体が浮かび上がるにがわかります。
Lightroom でシャドウ部を落とし、ハイライト部を少し持ち上げたら面白いかもしれません。ポテンシャルは高いレンズです。

高いコントラストが被写体を浮き上がらせる

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Xenar 50mm f2.8 @新富町、2021年10月秋
このレンズの高いコントラスト、黒潰れが早い特性を利用しない手はありません。露出をアンダーにして背景を黒で締めると被写体がポッと浮かび上がります。ハイライト部分の発色が薄いことを活かした写真が撮れれば楽しい、それを工夫するのがもっと楽しい。そんな気がするXenar 50mm f2.8 でした。

中立無色のレンズも使いよう

ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。
今回取り上げた Xenar 50mm f2.8 は、中立無色、「可は多く、不可はなし、されどハッチャケも無し」といったところ。目立った欠点がない分、面白みがないのですが、じっくり考えて使えば、わかってくれる人もいる そんな使いこなしが良いようです。
次回は、テッサータイプレンズの本家 Zeiss 社の Tessar の楽しみをレポートしますので合わせてお読みください。

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Zeiss Tessar 50mm f2.8 @有楽町 国際フォーラム


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