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つまり、佐藤の本棚。

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今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
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2018年6月の記事一覧

読書の記憶(七十八冊目) 「LITTLE RED RIDING HOOD」

こんにちは。広告文案家の佐藤(さったか。)です。ちょうど今くらいの時期(6月末)になると、予備校に通っていた時のことを思い出します。特に印象的な出来事があったわけではなく、建物を出て雨の匂いを含んだ涼しい風に当たった時「予備校生だった時のこと」が、ぼんやり頭に浮かぶのでした。 雨音なのか、湿った空気なのか、グレーの空のせいなのか、なにがそう感じさせるのかはわかりません。ただ、ひたすら静かな気配がします。 さて、私が今まで読んできた本を並べる「佐藤の本棚」も78冊になりまし

読書の記憶 七十七冊目 「兄たち 太宰治」

こんにちは。広告文案家の佐藤(さったか。)です。私が起業してまもない頃、ある経営者の方に「なにか嬉しいことがあった時は(たとえ、それが些細なことでも)大袈裟に喜んだ方がいいですよ。そうするとまた嬉しいことを呼び込めるから」と、アドバイスされたことがあります。 あの当時の私は、たいそう「つまらなそうな顔」を、していたのだと思います。それをさりげなく指摘してくれたやさしさと懐の深さ。今になって、その有り難さがよくわかります……。いつの日か若手の起業家の方に、このような言葉を届け

読書の記憶 七十六冊目 「太宰治との一日 豊島与志雄」

こんにちは。広告文案家の佐藤です。以前、図書館で借りた本に「コピーライターは広告文案家と呼ばれていた」と書かれていたことを思い出したので、ふと使ってみました。薄暗い部屋の片隅で煙草の煙をくゆらせながら、ひとり呻吟しているような、どこか物憂げな雰囲気がします。 さらに付け加えるのなら、私は「企業理念の標語(コーポレートスローガンというやつですね)」を手がけることが多かったので「企業理念的標語制作 広告文案家」という肩書きを考えてみました。こうなってくると、軽みが出てきてしまっ

読書の記憶 七十五冊目 「一問一答 太宰治」

こんにちは コピーライターの佐藤(さったか)です。今まで私が読んできた本を並べていく「佐藤の本棚」も75冊目となりました。ようやく75冊か。なんだか70冊を過ぎたあたりから、100冊のゴールがなかなか近づいてきません。むしろ遠ざかっていくような気配すら感じます(笑)このペースだと、年内のゴール達成は難しいか? いやいや、あきらめずに淡々と並べていこうと思っております。応援よろしくお願いします。 さて、6月になりました。私にとって6月といえば「太宰治」が思い浮かびます。太宰の