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【12days】ブラザーヒョク東京聖会に寄せて。
自己紹介と信仰の来歴
沖縄県の教会に通うクリスチャンです。文章の書きやすさを優先して、ですます調ではない固い書き方で記しますが、優しい雰囲気に変換しながら文章をお読みいただけると幸いです。
※ヤンバルクイナサイトで公開中の記事の一気読みバージョンです。
クリスチャンだった母は教会から離れてカルト宗教であるエホバの証人の信者となった。
母の改宗当時、赤ちゃんだった僕は泣くことしかできなかった。とてもよく泣く子だった。
20代の前半で僕は組織を離れた。そして、27歳の時に町の教会でバプテスマを受けて神様の元に帰ってきた。
クリスチャンだった、今は天国にいる祖母。
クリスチャンから、エホバの証人になった母。
エホバの証人から、クリスチャンになった僕。
3世代にわたる霊的な戦いはイエスキリストが勝利した。これからも勝利を重ね、現役のエホバの証人である母の立ち帰りを見ることを楽しみにしている。
僕の大好きな教会は約10年にもわたり幾たびも幾たびも嵐にみまわれた。
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200名近くいたメンバーは現在12名にまで減少している。
神から見放されたかのように見える小さな群れで、決して見捨てることのない神を礼拝している。
これは、2023年現在、36才になった僕が体験した12日間の旅の記録。
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きっかけ
東京に住んでいる元エホバの証人のK兄弟から、青年伝道師ブラザー・ヒョクのことを教えてもらった。
K兄弟は、関西に住むクリスチャンから「あなたはブラザーヒョクと関わることになるかもね」と言われた後、宣教旅行の途中、韓国のホテルでブラザーヒョクと出会う。
K兄弟は、後に東京のクルセードで日本人スタッフをまとめる役を担った。
YouTubeでヒョクさんの動画を観た僕は、彼のイエスに対する愛と純心さに心を打たれた。
今の時代に、彼のような器を用意してくださった神に感謝しながら、友人たちに動画をシェアした。
動画をみた友人たちからたくさん良い反応が返ってきた。9月に東京で大きな集会を開くらしい。いつの日か、沖縄にも来てほしいと強く願った。
沖縄での集会
7月14日。ヒョクさんが沖縄で集会を開くらしい。教会のみんな、友人たち、みくさん(彼女)とその家族と一緒に大きな期待を抱いて、会場である世界宣教教会へ向かった。
大きな期待は、大きな衝撃音とともに砕かれた。
神様から良いものをいただけると思いのぞんだその集会でまざまざと見せつけられたのは、自分たちのイエス様に対する真剣さの欠如と飢え渇きの少なさだった。
あー、はずかしい。はずかしい。と言いながら帰りの車のハンドルを握った。
その晩は、なかなか寝つくことが出来なかった。
ヒョクさんのメッセージ
集会の中で、ヒョクさんはイチジクの例え話、ヨシュアがヨルダン川を渡る時の話、アブラハムが祈りのこたえであるイサクを捧げた話をしていた。
9月の東京クルセードへの招きがあったとき、僕は手を挙げることが出来なかった。
携帯キャリアでの実入の良い仕事を退職してから数ヶ月経過しており、旅費に割く予算を確保できないと思えたし、そのような状況で東京まで行くのは慎みに欠けることだと思った。
僕の目は、現実をみつめていた。
周囲の熱意
聖会の後、共に参加した人たちの多くは霊に燃えており、東京クルセードへの参加を決意していた。
僕も行きたいと強く思ったが、経済的な心配があるのだとは誰にも言えなかった。
沖縄集会の動画が配信された後、動画を見て勇気が湧いてきた。周りのみんなの熱意も心を奮い立たせるものとなった。
そして、クルセードへ参加するのだと決意した。行き方はわからない。でも行くのだと決意した。
ヨエル書
ある日、みくさんがクルセードへの想いを祈りながら聖書を開くとヨエル書のある箇所が開かれた。そこにはこう書かれていた。
「シオンで角笛を吹きならせ。断食を布告し、きよめの集会を召集せよ。民を集め、会衆を聖別せよ。老人たちを呼び集め、幼子と乳飲み子たちを集めよ。花婿を寝室から、花嫁を自分の部屋から呼び出せ」
みくさんが聖句の意味を調べていると、新婚さんであっても参加を免除されない特別な集会のことを言っているとわかった。
みくさんの妹は7月に結婚式を挙げたばかりだった。
みくさん、新婚である妹夫婦、ご両親は飛行機のチケットと宿の予約をした。
雲
デポーションの時に民数記9章がひらかれた。
雲が幕屋から上がるとイスラエルの民が旅立ち、幕屋の上にとどまるなら民は旅立たない。という箇所だ。
この箇所を神様からのメッセージだと受け取ったので、早めに申し込むと安く取れる飛行機のチケットをとらないことにした。
神様が行けと言うときに旅立つのだ。
クルセードの参加登録が開始されると同時に参加を申し込み、クルセード当日の朝に新宿で人と会う予定も組んだ。
東京に行くのはいつだろう。
飛行機のチケット代はゆるやかに値上がりをはじめていった。
ライフ・ライン
みくさんのご両親は、沖縄県嘉手納町でおいしい沖縄そば家さんを営んでいる。
感謝なことに僕はヤンバルクイナを題材にした絵本や雑貨などの作品をお店のレジ横に置かせていただいている。
お店にライフ・ライン(早朝のクリスチャン番組)の取材クルーがいらした時のこと。
取材クルーに欠員が出たと言うことで、ヘルプで入っていた牧師とお話しをさせていただく機会があった。
何かの話の流れで、牧師先生がこう言った。
「ヤンバルクイナが突破口になるかもしれないね」
その言葉は、数日後に現実のものとなる。
信仰
神様が経済の必要を満たしてくださるという信仰が弱まりそうになる度に、信仰者たちの動画をみたりして心を強めた。
特に、カリーブレイクの語る「御国の経済」の動画は7度以上も繰り返してみた。
ジョージ・ミュラーやレスター・サムラルの信仰の証から神への信頼を強めていった。
雲が動く
クルセードの2日前、9月16日の早朝。みくさんのご両親が経営する沖縄そば屋さんに一本の電話が入った。
「お店に置かれていたヤンバルクイナの作品に感銘を受けました。作家さんに、今度始める会員制のお店のロゴなどをデザインしていただけないでしょうか」
みくさんと、いくらかやり取りをした後に、その人は次のようなメールを送ってきた。
「現地を見ていただきたいです。上京することは可能でしょうか。往復の飛行機チケット代は私が払います」
雲が動いたので、僕は飛行機のチケットをとることにした。
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ヨルダン川を渡って
9月17日。
みくさんの家族と共に沖縄から飛び立った。飛行機の座席は家族の1列前の席だった。
ヤンバルクイナの作品が突破口になった。奇しくも9月17日は沖縄ではヤンバルクイナの日。神様のユニークな一面に心が弾んだ。
ヨルダン川を渡り、羽田空港に到着。
空港に迎えに来ていた依頼人の車に乗せていただき現地を視察した後、深夜にみんなで新宿のホテルにチェックインした。
ホテル近くにシャロームという名前のアパートがあるのを見つけたみくさんが神様からの歓迎を喜んでいた。
リビングバイブル
翌朝、会う約束をしていた人が神奈川県から新宿まで来てくださったのでホテル近くのカフェに入った。
彼は以前「ハリネズミのチッチ」という絵本を僕たちから買ってくれたことがありSNSで親しくさせていただいてはいたが会うのは初めてだった。
また、NFT(ブロックチェーン上のデジタルコンテンツ)が数年前に日本で流行り始めた頃にNFTで遊んでいた僕からヤンバルクイナのNFTを買ってくれたこともある。
彼はWEB3系の法人も運営しているとても賢くて優しい人だ。
カフェでお互いに自己紹介をした後、今回上京した理由を説明しながら自然と聖書の話しになった。彼に渡そうと持ってきていたリビングバイブルと沖縄土産を渡すことができた。
お茶を飲んでいる時に、みくさんの妹から連絡があった。みくさんの母親が散歩中に淀橋教会の近くを通った時に、整理券の配布をするという情報をつかんだらしい。
整理券の配布はまもなく始まる。彼に事情を説明すると、カフェから出て教会まで一緒に走ってくれた。
立っているだけでも汗が噴き出る夏日。
神奈川から出てきたのに人混みの中を一緒に走って教会を探してくれた彼に感謝している。
無事整理券を手に入れ、午後から別の予定が入っていた彼とまた会う約束をして淀橋教会の近くで別れた。
別れぎわ、彼に手を置いてイエスの名で祝福をお祈りした。
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海の向こうから来た人々
淀橋教会の近くで教会のメンバー数人と会うことができた。
うちの教会からは僕を含めて8人が参加した。そのうち2人はかわいい赤ちゃんだ。みくさんとご家族は合わせて5名。
僕たちは、胸を高鳴らせながら会場の門をくぐり臨在の中へと入っていった。
会場の中では、名前は知らないが沖縄の聖会で見かけたことのある人たちを見かけた。今回の東京クルセードには沖縄から200名ほどの人たちがきていたようだ。
また、海外からも多くの兄弟姉妹が来ていた。日本を覚えて海を越えて来た兄弟姉妹の心に感動を覚えた。
海を越えてきた兄弟姉妹の上に主の豊かな祝福が臨むよう祈る。
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うわさで人を判断しない
沖縄を出る前に、ヒョクさんに対するネガティブな情報が沖縄のクリスチャンたちの間で広まりつつあった。
とはいえ、教会のメンバーも僕もみくさんの家族も、うわさ話で人を判断しないと決めていた。
1000の批判も1つの真実の前では無力になるものだと知っている。
そのうわさが事実だとしても、事実は切り取り方によって不真実を生み出すことができることを、この数年の世界的な問題に対する報道を見ながら気がついていた。
僕自身、理解に苦しむ形でうわさ話の標的になったことがある。そもそも、陰口を叩く人たちの99%は実際に話したことのない人たちだ。
僕はうわさ話をある意味でフィルターだと思うことにしている。つまり、うわさ話で人を判断するような人たちが近寄ってこないフィルターだ。
なので、僕の人間関係の純度は高い。良い人たちが周りを固めている。
1000の批判はクルセードの中で無力なものとなった。
イエス・キリストの名があがめられたからだ。
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イエスから目を離さない
新宿、淀橋教会。2000人を越える人々が集まったようだ。
ワーシップチームによる賛美が奏でられる中、ヒョクさんが会場に入ってきた。
わっと歓声が上がる。それはまるで戦場に現れた将軍を迎える兵士たちの鬨の声のようだった。
ワーシップリーダーの一声により、僕たちは視点をイエス様へと戻して賛美を続けた。
献金
聖会で際立っていたことの一つに、献金を集めなかったことがある。これだけ大きな規模の集会で献金を募れば、かなりの額のお金が集まったはずだがヒョクさんは献金を求めなかった。
「そのお金はあなたの周りにいる必要な方のために使ってください」とアナウンスがあった。
今回のクルセードのために、渡航費、宿泊費、聖会運営費とかなりの金額を支払ったはずだ。しかし、献金を求めることはなかった。
ヒョクさんとチームの皆さんの必要を神が満たしてくださり、なお豊かに満ちあふれよう強く祈る。
メッセージ
僕たちは、主がヒョクさんを通して語られる言葉をひとつもとりこぼすことのないようにと前のめりの姿勢でメッセージに耳を傾けた。
この会場を出るとき、あなたは別人となっています。という言葉に強く同意して信じた。
今、この瞬間も生きておられるイエスキリストを見つめ続け、自分の中からイエス以外の花婿を取り除くことが勧められた。
罪を悔い改め、日本のためにとりなし、韓国のためにも祈った。
イエスの名が高く高く掲げられた。
クリスチャンたちが、主の花嫁が目を覚ますべき時がきている。
イエスキリストをお遊びと考えてはなりません!主に対して真剣になるよう強い勧めがなされた。
主が戻って来られるとき、油注がれたものはどこだ?とは言わない。牧師はどこだ?ともリーダーはどこにいる?ともいわない。私の花嫁はどこにいる?と主は言う。この言葉を心に刻み込んだ。
会場にいた多くの人が癒しを受け取り、たくさんの悪霊が人々から追い出された。
イエス・キリストの圧倒的な勝利。目を覚まして起き上がった花嫁たちが会場を埋め尽くしていた。
炎
クルセードが終わり会場を後にするころ、僕たちの胸には炎がゆらめいていた。
イエス・キリストを待ち望む花嫁として思いを新たに、みくさんと妹夫婦と一緒に新宿の街を歩いていると、トラブルに巻き込まれた様子の若い女性と出会った。
女性に声をかけて寄り添うみんなの姿には、キリストの麗しさが現れている。
クルセードでヒョクさんが「キリストに自分を捧げたいと思う人は前に」と呼びかけたとき、妹夫婦は前にでていた。
主の御霊が会場を統べおさめ、僕たちひとりひとりの上に臨んだことをはっきりと理解することができた。
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次の予定は
クルセードの余韻と共に目覚めた朝。
次の予定はまだ決まっていなかった。
明日か明後日、仕事の依頼人とは別口からまとまったお金が振り込まれる予定ではあったが、それまでの間、僕のポケットには少額のお金しかない。帰りのチケットを購入することはできない。
みくさんたちは、今日の午後の便で沖縄に戻ることになっている。
ホテルの中で神に祈った。「行き先を教えてください。聖書を通して教えてください」
スマホの聖書アプリを開くと、旅に出る前に参加した、みくさんの教会の土曜礼拝で語られた箇所の近くの聖句が開かれていた。
この聖句を届ける相手は1人しかいない。栃木県に住む信仰の先輩の顔が心に浮かんだ。
軽いポケット
栃木県に向かうのだと心に決めたあと、K兄弟からクルセード会場の片付けボランティアを募るメールが届いたので、ホテルをチェックアウトして淀橋教会へ向かった。
淀橋教会で、みくさんたちと別れた。別れぎわ、僕の所持金が1000円程度しかなく入金があるまで数日かかるかもしれないことを知っていたみくさんが、まとまった額のお金を渡そうとしたが、感謝しつつそのお金を受け取ることをお断りした。
「大丈夫、心配しないで」みたいな事を言ったと思う。
必要は全て主が満たしてくださる。
因みに、僕はクレジットカードを持っていない。
数駅分歩こう
会場清掃の奉仕を楽しんだあと、スタッフの方々と一緒に近くの韓国料理屋さんで韓国料理をご馳走になった。
おいしい食事と兄弟姉妹の証を聞いてお腹も心も満たされた。
韓国料理店をでて、駅前で兄弟姉妹と別れ、僕は歩き出した。栃木県への道のりを調べるため、コンビニのイートインスペースに座りスマホを開く。
経路を調べたところ、目的地までは1500円ほどかかるようだ。所持金は1000円くらいだったので数駅分歩こうと思い、コンビニを出て歩き始めた。
目的地の反対側に向かって。
アートなスマホクリーナー
都会の喧騒のなかで目をキョロキョロさせながら歩いていると、絵画ギャラリーのキャッチのお姉さんに捕まった。
数分後、お姉さんの押しに負けた僕は850円するスマホクリーナーを手にしていた。イスラエル出身の画家の作品がプリントされたアートなスマホクリーナーだ。
ポケットの中では小銭が愉快に踊っている。
ギャラリーを出て地図を再確認すると、そもそも反対方向であることに気がついた。
一体ここに何をしにきたのだろう。
アートなスマホクリーナーに、電車に乗る選択肢は綺麗さっぱり拭い去られた。
栃木県まで徒歩で1日か2日かかりそうだ。
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4%
暑い。歩き続ける。
スマホの充電が少なくなっている。予備のバッテリーは持っていない。コンビニでスマホの充電器をレンタルする持ち合わせもない。
ペットボトルの水もスマホの充電に比例して少なくなっていく。
充電残り4%
沖縄に先に帰っているみくさんと連絡が取れなくなるのは困ると思った。心配させたくない。
神様に「スマホの充電が切れてしまうと彼女を心配させてしまいます。どうか、スマホの充電がなくなることのないようお願いします」と祈った。
すると「主はわたしをいこいのみぎわに導かれる」という聖書の言葉が与えられた。みことばから励ましを受け歩を進める。
水辺のほとり
水色の建物が見えてきた。ここがいこいのみぎわだろうか。建物の前でしばらくたたずむも違うと感じたので再び歩きだす。
高田馬場駅の近くまできた。
コンビニで飲み水を購入する。
コンビニをでると、教会系のカフェが目の前に現れた。カフェの入り口で店員さんに、スマホの充電をさせていただけませんかと声をかけると、カフェ入り口の待合スペースで充電をどうぞと案内していただいた。
充電しながらカフェの店内を眺めると、多くの人たちが飲み物を飲みながら憩っている。
いこいのみぎわに座りながら充電をさせていただいていることに気がついた。神様に感謝の祈りを捧げる。
カフェを出る時、店員さんに感謝の気持ちですとアートなスマホクリーナーをお渡ししようとするも「お礼は結構です。また、お会いできることを楽しみにしてます」と笑顔で送りだしてくれた。
アートなスマホクリーナーをカバンにしまい、また歩きはじめる。
池袋西口
新宿から歩き始めて何時間経過しただろう。既に日は暮れている。
20時頃、池袋駅の西口に来た。
駅前の広場でベンチに腰を下ろして足を休める。休んでいると栃木にいる先輩と連絡がとれた。会う約束をしたが、すぐにではなく、流れに任せて会えそうな時にまた連絡すると伝えた。
マンガ喫茶とか適当な場所に泊まりますと先輩に伝えた。
とはいえ、今日は広場で野宿だろうなと思えた。「足を伸ばして眠りたいです」と祈った。
足を伸ばして
しばらくすると、この広場によくない雰囲気を感じた。それで、この広場にある霊的な契約の解除と悪しきものの力を縛る祈りをした。
祈り終えてスマホを開くと、ひとつの決算アプリに目が行った。このアプリを使うという考えはまったくなかったが、使えることがわかった。
数時間後、僕は池袋駅近くのマンガ喫茶の店内にいた。完全個室な快適な空間のなかで眠りに落ちていく。
足を伸ばして。
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目的地
朝、池袋西口のカフェでコーヒーを飲み、コンビニのATMへ。14万円の入金があった。ほっと胸をなでおろす。しかるべき場所に色々と送金し、手元に数万円が残った。帰りの飛行機代とあと数日分の滞在費がまかなえる額だ。神に感謝を伝えた。
飛行機のチケットを取ろうとしたが、今は取ってはいけない気がする。それでチケットは後から取ることにした。
すぐに栃木県に向かうこともできる。が、まだ時ではないと思った。
池袋に来た理由があるはず。
今日の行き先を教えてください。神様に祈りながら人混みの中を歩き始めた。
しばらく歩いていると、「沖縄の〜〜」と大きな声で沖縄の話をしながら歩く2人の青年が目の前に現れた。この青年たちの歩く方向へ歩き出す。もしかしたら、この2人組に福音を語ることになるのだろうか。
やがて、2人の青年は道路沿いにある大きな建物の中へ消えていった。
建物の前でしばらくたたずむ。思い切って青年たちに声をかけるべきだっただろうか。わからない。建物を通り過ぎて、もう少し歩いてみようと思った。
数分あるくと、歩道にコーヒーの立て看板をみつけたので、お店の中に入ってみることにした。
雨
清潔で落ち着いた店内。レモンスカッシュとチーズケーキを注文した。穏やかで優しそうな店主さんが店を切り盛りしている。
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しばらくくつろぐ。追加でホットコーヒーを注文する。店内にはもう1組のお客さんがいる。この人たちに福音を?わからない。
お客さんたちが退店した。お店の外は雨が降り始めている。僕は傘を持っていなかったので、雨の強さを確かめるために外を確認しようと立ち上がる。
優しい店主さんが、「駅まで行かれますか?よろしければこれを使ってください」とビニール傘を差し出してくれた。
「ありがとうございます。僕は沖縄から来たもので旅の途中です。傘をかりてもお返しできないと思います」と答えた。
福音
沖縄から来たクリスチャンであること。新宿の教会で開催されたブラザーヒョクの大会に参加した帰りであること。雲の話、ヤンバルクイナの話をした。
僕がここに来た事には意味があります。神様が店主さんに伝えたいと思っていることがあります。と言い、福音を語った。
イエス・キリストが地上にこられ、罪のない方が僕たちのために身代わりとして十字架の上で死んで墓に葬られ、3日目に蘇り、天に昇られたこと。このイエスを信じる者は永遠の命を与えられること。そして、彼はまもなくこの地に戻ってこられると伝えた。
話を静かに聴いていた店主さんが口を開いてこう言った。
「僕は無宗教ですが、立教大学(クリスチャンの宣教師が創立した大学)の出身です。幼い頃はサンデースクールに通っていましたし、聖書も読んでいました。とっても久しぶりに神様のお話を聴きました」
神様が彼の信仰の回復を願っておられるのだと感じた。
「イエス・キリストは物語に収められているだけの人ではなく、今も生きておられます。神様は、幼い頃、聖書に親しんでいた店主さんのことを今も覚えておられます」と強く語った。
「また、聖書を開いて読んでみたくなりました」と店主さんは言ってくださり、コーヒー代をサービスしてくれた。
帰り際、店主さんに手を置いて、大胆に神に祈った。店主さんの人生の祝福、店の祝福を共に祈りお店の外にでた。
店の外まで見送ってくださった店主さんに感謝を伝えて、僕は駅に向かい歩きだした。
雨はあがり、太陽が輝いていた。
元エホバの証人
イエス・キリストの素晴らしさに感動しながら駅に向かいあるいていく。池袋での目的は達成されたと理解できた。
この喜びを誰かと共有したくなり、K兄弟と電話で話した。
夕方、K兄弟と会うことになった。
高田馬場駅で兄弟と合流し、新宿へ向かった。
K兄弟は、痛みを抱えていそうな方に大胆に声をかけていく。病を癒す祈りをし福音を伝えるために。
新宿で、杖をついた男性に声をかけたところ、男性は快く応じてくれた。コロナの頃から左半身に感覚があまりないのだという。
2人で男性に手を置き祈った。少し良くなっていると男性は喜んだ。もう一度祈った。彼はさらに喜んだ。
話を聞くと、長崎出身のカトリック教徒だという。
病の癒しと同時に、経済の癒しを祈る必要を感じた。必要を全て満たしてくださる神に共に祈り、祝福して別れた。
その後も、きっかけを見つけては人々に福音を語るK兄弟と一緒に町をあるいた。
かつて、エホバの証人だった僕たちが、真理を携えて、イエス・キリストと共に働いている恵みに心の底から感動した。
その日は、K兄弟の家に泊まらせていただくことになった。
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擦り切れることはない
K兄弟の家でカバンの中の洋服を整えながら、もう一着シャツを買おうかと考えていた時、「衣が擦り切れることはなかった」という言葉が頭に響いた。
数分後、僕はK兄弟からいただいたTシャツを着ていた。兄弟はスマホの充電バッテリーも渡してくれた。
旅人をもてなす兄弟の心に感動すると同時に、僕も彼のように与える人になりたい。成長したいと思った。
12日間の旅で、スマホの充電は途切れることなく、衣服に困ることもなかった。
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三浦半島へ
昼過ぎ、駅まで送ってくれたK兄弟に見送られながら改札を抜けて、神奈川県三浦半島に向かう。
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クルセードの朝にリビングバイブルを渡した友人に会うために。
三浦半島で彼と再会しいろんな話をした。彼はブラザーヒョクの動画を既に観てくれていた。
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聖書の話、イエス・キリストの話、福音を語った。K兄弟が通う教会のYouTubeチャンネルも共有することができた。
一緒に食事をした後に横須賀まで車で送っていただき、共に祈ってから車を降りた。
その後、僕は横須賀にしばらく滞在することになる。
アーメン
朝、洗濯をする為コインランドリーへ向かう。
交差点で信号を待っていると、1人のご婦人が話しかけてきた。病院の場所を教えてほしいという。彼女の手には包帯が巻かれていた。スマホで病院の場所を調べて道を教えたあと、怪我の癒やしのために祈ってよいか聞き、手を置き祈った。
祈りの最後、ご婦人がアーメンと言った。もしかしたらクリスチャンだったのかもしれない。あるいは、かつてクリスチャンだった方だろうか。その辺りは詮索せずに歩を進めた。
コインランドリーで洗濯機を回しながら、椅子に腰掛けてデボーションの時をもつ。「からだから痛みを取り去れ」という箇所が開かれた。その時はじめて、自分の身体が痛んでいることに気がついた。
普段全く運動をしないのだ。革靴で長距離歩くことももちろんない。旅の興奮の中で身体の痛みにまで注意が向いていなかった。
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128835597/picture_pc_3d9b7c64db0da4a5cf1dadd14528fbf4.jpg?width=1200)
彼女に福音を
横須賀、今でも後悔していることがある。
街を歩きながらラーメン店で接客している方に目がいった。彼女に福音を語るようにと神様に言われた気がしたが、その時、僕は沖縄料理が食べたくて沖縄料理店を目指して歩いていたので、そのラーメン店を素通りした。
沖縄料理店に着くと店が閉まっていた。
それで、先程のラーメン店に戻り店内に入って食事を注文した。タイミングを伺っていたが店内は混雑しており、結局、彼女に福音を語ることが出来なかった。
神様が語られた時にすぐ動いていれば、彼女に福音を届ける幸いにあずかっていたのだと思う。
一万円
公園でハトにエサをあげるホームレスのような男性を遠目に見かけた。彼と祝福を分かち合いたいと思い財布を確認したところ、一万円札は数枚あるものの千円札はない。
ここで一万円をお渡しできるクリスチャンになりたいと願いつつも、僕は彼に近づくことなく公園を後にした。
日が暮れたころ、路地の向こうから彼が歩いてきた。一度そばを通り越して行ったが、僕は彼の後を追うことにした。福音を伝えたい。それに、今の僕は千円札が財布の中にある。
路地裏で自動販売機の釣り銭受けを確認して回る彼に声をかけた。
最初は無視されていたが、彼の手に千円札を握らせると立ちどまり「ありがとうありがとう」と言いはじめた。
手短に自己紹介し、イエスキリストを伝え、肩に手を置いて一緒にお祈りした。イエス・キリストに助けを求めてください。彼は今、生きています。必ずあなたの助けとなります。と語った。「はい、はい」と彼はうなずいている。
その場を後にして歩きながら、僕の心は晴れなかった。イエス・キリストを伝え共に祈れたことは大変な喜びだった。だが、僕の財布には一万円札が残っているのだ。
この一万円札を捧げてもなお神が必要の全てを供給してくださると頭ではわかっていた。が、行動に移せなかった。
一万円札をホームレスの方に渡すのは賛否が分かれるのは知っている。今回はそこが問題ではない。神から受けた祝福を他人に流すことを惜しんだ自分の姿が悲しかった。
自分の霊的な成長と経済の満たしを神様に願い求めた。神様はその祈りに必ずこたえてくださる。
身体の痛みを取り除く
マンガ喫茶の個室。身体の痛みが強くなっている。デボーションを通して与えられた神様からのアドバイスに従うことにした。
まる1日横になり、徹底して身体を休めた。翌日、痛みは完全に消え、以前よりも体力が充実している感じがした。
日曜の午後に栃木の先輩と会う約束をした。先輩とあった後に乗る飛行機のチケットもとれた。
日曜の晩遅くには沖縄に戻れそうだと、みくさんに連絡をいれた。
やっと先輩に会える。短時間の予定ではあるが、神様から預かった言葉を確実に届けるのだ。
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勇者
電車に揺られて栃木県に向かう。途中、乗り換えの駅でお土産を購入した。
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「否定的な言葉を口にしない」先輩からかつて教えてもらった大事なこと。何年も前に教えてもらったこの言葉をできる範囲で守ってきた。物事の肯定的な側面を観察しようとする癖はこの教えが土台になっているのかもしれない。
栃木に着き、駅に迎えに来てくれた先輩と合流。行列のできるラーメン屋さんを案内してもらった。とっても美味しかった。
食事を済ませたあと先輩の家へ。
顔を合わせて話したかったことを話すことができた。固定観念にとらわれずに状況を突破していく先輩の力を言葉の端々に感じることができ嬉しかった。
時間が来たので、また駅まで送っていただいた。車の中で、神様からお預かりしていた聖書の言葉を共有し、車を降りてから共に祈った。
彼は信仰の勇者なのだ。
力あるイエス・キリストが彼の名を呼び続けている。
福島に行きなさい
飛行機のフライトまで3時間以上ある。時間にはだいぶゆとりがある。特急の座席でくつろぎながら東京を目指す。
ひとつ気になることがある。福島県にいる姉に福音を届けるようにという語りかけだ。
とはいえ、既に飛行機のチケットを取っている。払い戻しの効かないチケットだ。財布の中も心細くなってきている。福島まで行っても帰って来れる保証はない。この語りかけは「自分の声」なのだろうと考えることにした。
旅のはじまりから、何度も神の備えを経験しながらも、僕はまた現実を見つめていた。
消えた時間
空港には、かなりゆとりを持って到着する予定だ。
ところが、特急電車を降りる駅をひとつ間違えた。本来の駅へ戻り、成田行きの電車を待つ。時間にゆとりを持っていてよかった。駅を間違えるのは今回の旅ではじめてだった。
何本も電車が目の前を通り過ぎる。目当ての電車がなかなかこない。少し焦り始める。このままではフライトの時間に間に合わないかもしれない。そこで気がついた。さっきから目の前を通り過ぎていく電車こそが成田行きの電車だった。
飛行機は僕を乗せることなく沖縄へ飛び立った。
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向きを変えて
とりあえず、成田市に来てみた。
マンガ喫茶の中で、ごめんなさいと神様に謝った。
福島に向かうことを決め、スマホのマップで道のりを調べる。浅草から高速バスが出るようだ。明日、浅草に向かおうと思った。飛行機は僕の飛行機代だけを沖縄に輸送したのだ。今晩はもう力が出ない。
バスターミナル
沖縄を出発して9日目。浅草にいる。
屋形船が浮かぶ川を見下ろしながらバスターミナルを目指して歩いている。
あずま橋のところに来た。スマホのマップによると、ここにバスターミナルがあることになっている。
それらしき建物が見えてきた。水上バスターミナルと書いてある。これは、屋形船のチケット売り場ではないでしょうか。あの、屋形船では福島まで行けないですよねとスマホに問いかける。
昨日から連絡を取り合っている姉に聞くと、新宿にバスターミナルがあると返事がきた。その時はまだ、チケットをネットで購入する考えがなかった。バスターミナルで買うのだと勝手に思い込んでいた。
あずま橋の近くで新宿へ向かう経路をスマホで調べる。見慣れた服装の人たちが橋の近くに集まって来ていることに気がついた。
エホバの証人だ。
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福音を語るためにきた
エホバの証人の長老らしき人の周りに4、5人の男女が集まっている。
なるほど、エホバの証人に福音を語るために僕は浅草に来たのだ。声をかけるタイミングを測っていると、彼らが歩き出した。僕も後を追う。
交差点のところにくると、更に多くのエホバの証人たちがいた。カートに教団が発行する冊子をセットして小さな看板を掲げる女性や小グループで会話をしている人たち。
かつて、自分も彼らと共に街中のチャイムを鳴らしていた。誠実な心で、1人でも多くの人を滅びから救いたいと願っていた。マインドコントロールの影響下にあるなどと思いもしない。気がつかないからマインドコントロールなのだ。
浅草に来る前、僕はK兄弟と沖縄にいる元エホバの証人のH兄弟に、元エホバの証人の姉にイエスが神であると伝道するのに役立つ聖句等を教えてもらっていた。
今、兄弟たちのアドバイスが役立とうとしている。
意を決して、地下通路の入り口近くで固まっている3人組の男女に声をかけることにした。
イエス・キリストの恵み
エホバの証人の方々ですよねと声をかける。彼らの表情に警戒の色が浮かぶ。沖縄から来た者ですと自己紹介する。おぉー!と3人組のエホバの証人から声が上がった。3人のうち1人の青年が那覇からきた人だったからだ。彼らの警戒が緩くなったのを感じた。
自分が元エホバの証人だとは伝えない。彼らは自分たちから離れた者とは会話すらしてはいけないと教育されているからだ。
沖縄在住のクリスチャンで、新宿で開かれたクリスチャンの集会に参加した後だと話す。「みなさんにお伝えしたいことがあります」と切り出した。
福音を全力で語る。特に、那覇からきた青年に強く語った「良い行いによって救われるのではありません。もちろん良い行いも大切です。しかし、救いはイエス・キリストの名を信じることによって、彼が成し遂げてくださった事を信じる信仰によって私たちは救われるのです」
エホバの証人には救いの確信がない。良い行いをし続けないと、組織に従順であり続けないと救われないのだと思っている。
イエス・キリストの救いの恵みを、人力で獲得しようとしているのだ。
証人の1人が「あなたは何故私たちに語るのですか何がしたいのですか」と言ってきた。
「みなさんと同じです。1人でも多くの人を救いたいのです」と答えた。
イエス・キリストの愛と彼が神であることを伝え、お体ご自愛くださいと言葉をかけてその場を後にした。
「あなたもお元気で」と証人の1人が言った。
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姉に伝えたいこと
新宿からバスに乗り福島へ。
福島の姉から、ホテルを手配したと連絡があった。姉は多忙だが、その日の晩に数時間時間を空けてくれた。
僕の母がまだクリスチャンだった頃、小さい姉は母に連れられて教会に通っていた。教会を出たあとエホバの証人になるが、一般男性との結婚を教団に咎められるかたちで除名され今に至る。
除名されたとはいえ、教団に対する嫌な気持ちは特になく、また何かを信仰することがあるとするなら、それはエホバの証人だと数年前に姉から聞いたことがあった。
姉に会って福音を伝える。エホバの証人が偽のクリスチャンであること、イエスが神であることを証しする。
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神のこども
夕方、福島市に到着した。姉がとってくれていた駅前のホテルにチェックインする。しばらく休憩した後、待ち合わせ場所へ向かった。
姉と合流して近くの飲食店に入る。落ち着いて話ができる良い席を案内された。お互いの近況を分かち合った後、エホバの証人の話になった。
教団と魔術の関係。改ざんされた聖書。組織の真の目的が真理からかけ離れていることを共有する。
ゼカリヤ書などを通して、イエスが神であることを証しした。
エホバの証人のくびきが、姉から解かれていく。
幼い頃、教会に通っていた姉を主が覚えておられ、姉の名を呼んでいる。
別れぎわ、姉に手を置きイエス・キリストの御名で祈った。
「アーメン」と姉が言った。
少し嬉しそうな表情をしている姉の顔を見たイエス様の胸が熱くなった事がわかる「わたしの娘よ」と主は優しく語りかける。
かつて、神の御前で楽しく走り回っていた多くの息子や娘を主がふたたび呼んでいる。
訓戒
翌朝、快適なホテルをチェックアウトして駅の中にあるファストフード店でコーヒーを飲んでいる。
さて、どうしたものか。と考えていた。旅の任務は完了したが沖縄に帰ることができそうにない。東北で仕事を見つけてしばらく働くべきだろうか。
色々と思案しながら、心臓の裏側から不安が広がっていく。不信仰がまたもや僕にまとわりつきはじめていた。
祈って聖書を開くと、詩篇78篇が開かれた。なんと、イスラエルの民を導く雲の事が書かれている箇所だった。14節から先を読み進めるにつれて悔い改めへと導かれていく。
「荒野で食事を備えることが、神にできるのか。確かに神が岩を打たれると水が湧き出て流れがあふれた。だが神はパンを与える事ができるのか。民のために肉を用意できるのか」
数々の奇跡を経験しながらもなお不平を述べるイスラエルの民と自分が重なってみえる。
みことばを通して神が訓戒を与えてくださっている。神の言葉を受け入れ祈った。
主の教えは他の何にもまさってしたわしい。僕のような者をさえ、教えさとしてくださるのだ。
主は今、生きておられる。
神を信頼する領域へと心が戻ってきた。主を信頼しつつ、できることはなんでもしようと勇気が湧いてきた。
「チケット代はクリスチャンが持ってきます」と言う主の語りかけを受け取った。
チケット代
チケット代をいつ与えられるかは分からない。駅からしばらく歩いたところに職業相談所があることがわかったので、とりあえず情報だけでも入手しようと相談所に向かった。
短期で住み込みの仕事などありますかと尋ねる。なかった。
福島に滞在することにはならないようだ。どこに向かいましょうかと祈りつつ歩いていると、沖縄にいるみくさんからの電話が鳴った。
僕が沖縄に無事戻って来れるようにと彼女は祈っていた。海が見えるそば家に、僕の状況を何も知らないアメリカから帰国したばかりの1人の牧師が来店された。沖縄そばを食べた後、そば屋に隣接しているみくさんの絵画ギャラリーに飾られていた1枚の絵を購入してチップも置いていったという。
「このお金は、わたしの祈りに対する神様からの答えだから受け取ってほしい。チケット代にあてて」とみくさんは言った。
受け取ることをためらったが、朝、主が語られたことと、彼女の祈りに応えた主の御手を理解できたので感謝して受け取ることにした。
「クリスチャンが持ってきます」という主の語りかけがあったことをみくさんに伝え、一緒に喜んだ。
楽天銀行に振り込まれたお金で飛行機のチケットを購入する。絵の代金とチップは、飛行機のチケット代とほぼ同じ金額だった。
その日の夜、夜行バスに乗り、僕は新宿に向かった。
主は今、生きておられる。
翌朝、新宿から成田行きのバスに乗り、空港を目指す。無事、飛行機に乗ることができた。僕の席は緊急脱出口の近くだったので、思いっきり足を伸ばせる広々とした空間だった。
大鷲の背中に運ばれて沖縄に帰ってきた。
那覇空港に、みくさんと、みくさんの母、妹が迎えに来てくれた。
ヒョクさんの東京クルセードからはじまった、12日間の思いがけない旅だった。
信じられないくらい楽しい旅だった。イエス・キリストの素晴らしさと力と愛を味わい続ける旅だった。
引き寄せの法則だとか、強く思うから叶うだとか、そんな言葉を遥かに越える主の御手が働いていた。僕は成功をイメージしなかった。強く念じてもいなかった。
ただ、わからないままでいた。何も感じられなくても、目の前に、主が共におられる証拠が次々と現れた。
失業中の1人のクリスチャンだ。自分自身に関して誇れる事は何もない。
だから、僕はキリストを誇る。キリストの十字架を誇る。
小さな島の、小さな教会の、小さき者の12日間が喜びのうちにおわった。
主は今、生きておられる。我がうちにおられる。
明日は13日目。主と歩む旅はつづく。
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この店気になる
沖縄に帰ってきた数日後、ヤンバルクイナの置物の材料を買い出しに行った帰り道。運転中のみくさんが道路脇に「端材」と書いてある看板を見つけた。
この店に行ってみようと言うみくさん。店を通り過ぎたがUターンして店に向かった。
3つの店舗が共同で経営しているお店。そのうちの一店舗はなんと、かつて、みくさんの教会に通っていたが今は教会に来ていないご夫婦が経営しているという事がわかった。
ご夫婦と再会を喜び、ご主人さんに旅の証をし、手を置いて祈った。
神様が花嫁たちを呼んでいる。戻ってきてと懇願している。
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母
エホバの証人の母を病院に連れて行った帰り道。僕たち親子は普段、衝突をさけてお互いの信仰の話をしない。
ただ、この日は違った。
かつて母が教会で学んだであろう真理を力強く語る自分に驚いた。
母が僕に言う「信仰から離れる子もいる」
エホバの証人を離れた僕を少し見下す発言。
「信仰から離れたのは、お母さんだよ。イエス・キリストの元に戻ってきてよ」
母に優しく接し続ける事で、母の心をキリストに向けようと努力していた事が全て無駄になったかのような気がしないでもない。
母を家に送り届けた後、みくさんのお父さんと話した。話を聞いて僕は驚いた。
その日、みくさんのお父さんは、僕の母について祈っているときに普段よりも強い促しを受けて「背信の霊よ離れされ」と強く宣言したと言う。
母がカルトを離れ本当の信仰に戻ってくる日を楽しみにしている。
神に信頼する
あるところに提出した請求書のお金がなかなか振り込まれて来ない。金額は56600円。
10月20日に経済の必要がある。そのお金がないと困る。
神様に祈った。
「主よ、僕の必要を満たしてくださるのはあなたです!人ではありません!あなたを信頼します!」
ジョージ・ミュラーの伝記を呼んでいる中で、詩篇の81篇10節
「あなたの口を大きく開けよ。わたしがそれをみたそう」というみことばをいただいた。
暗号通貨の取引所に1000円ほど残っていたお金で大きくエントリーした。
エントリーした通貨が急激に高騰する。1000円が数日のうちに数十倍に膨らむ。
因みに、暗号通貨の取引には非常に慎重になるべきだし、暗号通貨の良し悪しを言いたいわけでもない。
10月19日。
利益を銀行から出金する。
63000円を出金できた。什一の6300円を引いた額は56700円だった。
必要は主が全て満たしてくださる。旅で経験した通りのことがここ沖縄でも起きている。
仕事を与えます
12日間の旅の証を書き終えたら、次の仕事を与えます。と主からの語りかけを受け取った。
失業中であるが故に、沖縄で出会った旅人をもてなし、キリストを伝える特権に預かることができた。
11月11日までの3日間。日本一周中のバックパッカーに宿を提供するため、教会で一緒に寝泊まりした。福音を伝え共に祈った。
今日、旅の記録を書き終えることができた。次の仕事は何だろう。主の言葉を信頼する。
〇〇を買いなさい
この語りかけの結末はまだわからない。
追記をこの下に書ける日を楽しみにしている。
注:これは、僕個人に対する語りかけです。みなさんに何かの購入を呼びかけるものではありません。
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