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Basketball Diary

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自身のコーチング哲学を形成してきた様々な出来事についてまとめていきます。
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2023年1月の記事一覧

BASKETBALL DIARY

コーチング哲学について ときには、練習方法や指導法、戦術論から離れ、高校生にバスケットボールを指導する中で起こったエピソードについて書いてみたいと思います。 バスケットボールのコーチとして過ごしてきた中で、特に印象に残っている出来事がいくつかあります。それらはただの思い出話というよりは、むしろ自分のコーチング哲学(フィロソフィー)を形成する上でとても重要な経験となりました。コーチング哲学というと少し堅苦しいですが、方向性、価値観、優先順位という言葉に置き換えると意外と想像し

Basketball Diary Ep.01 『我慢』と『発散』

2013年3月、チームを連れてアメリカのボストンへ遠征しました。
お世話になったアカデミーのプレーヤーはコミットしてプレーしていました。コーチングスタッフのアティテュードはとてもポジティブでした。ボストン・セルティックスのホームゲームでファンがエキサイトしていました。バスケットボールに関わる人たちの内面から、何かが発散されていくような印象でした。
自分の指導するバスケットボールを省みると、選手の様子はどこか懐疑的、自分の指導はいつも否定的、試合の見方はなぜか批判的でした。自分

Basketball Diary Ep.02 『学』と『楽』

前回の投稿に書いたアメリカ遠征の中で、もう一つとても印象的だったことがあります。それは、アカデミーでの練習前のこと。コートにやってきたアメリカ人のコーチングスタッフたちが、せっせとボールを運び、練習試合のための椅子を並べ、タイマーの配線などをセッティングしていたことです。もちろんプレーヤーたちはまだ会場には来ていません。 練習に関わるあらゆる準備が整った頃、「ハーイ」と陽気な挨拶でようやく高校生のプレーヤーたちが集まってきます。プレーヤーは、コーチが準備した椅子に座ってバッシ