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お金

 子供にお金を与える機会は幾つかあります。お小遣いに、お年玉。知り合いのおじさん、おばさんから貰うこともあるでしょう。その度に、私たちは子供からお金を取り上げてきました。こう書くと、虐待ではないか?と言われるかもしれませんが、ちゃんと子供名義の口座に貯金していたので問題ないと思います。そのお金は、大学生になった時に通帳とともに渡しました。郵貯の学資保険にも加入していたので、その満期が18歳だったためです。
 よく子供にお金の使い方を学ばせる意味で、早くからお金を渡した方がいいと考える場合もあるかと思いますが、そんなに単純なことではありません。子供はお金があると、あるだけ使います。子供にとって、何の苦労もなく手に入ったお金は、魔法の杖のようなものですから。かといって、お金を手に入れるプロセスを身をもって教えるわけにはいかないので(働かせれば、場合によっては児童労働になってしまいます。子供同士のお金の取引もトラブルの元ですからやめた方がいいでしょう)、そうなるとお金に関する知識と能力(ファイナンス・リテラシー)がある程度構築されるまでは、できる限り自分でお金を使わせない方が良いと考えたからです。ただし子供が欲しがる必要なものを買う場合は、子供が能力的に選べない場合を除いて、その選択は子供にさせます。そうしないと、子供は親が選んだからという理由を覚え責任回避をするようになります。
 そのため我が家でお小遣いが始まったのは高校生になってからでした。子供が小学校、中学校時代には、近所の友達でお小遣いを持った子が遊びに来ましたが、一緒に何かを買いに行かせるということはしませんでした。遊園地に行けば遊ぶためにお金は必要ですし、ゲームセンターに行くことも反対ではなかったですが、私たちの中ではお金を使うことは消費なので、お金を使うことが目的となるような行為は、遊びと一線を画した方が良いと思っていたからです。

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