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お弁当2

 我々がドイツに住んでいるとき、子供たちは小学生でした。上の子は日本人学校に通っており、下の子はインターナショナルスクールに通っていました。日本人同士でご飯を食べるとき、当然お弁当になります。それに対して現地の(ドイツの)子供たちはどんなお弁当なのでしょうか。
 時々インターネットで、外国人の方が日本人と結婚して子供にお弁当を持たせるときにカルチャーショックを受けるという記事を見かけます。私たちはさほど意識していませんが、日本のお弁当は世界に誇るべき文化であると共に、親にとってプレッシャーであり大切な時間を奪う負の文化と言えるかと思います。栄養が満たされていれば見た目はどうでもいいのに、どうしても見栄えにこだわってしまうあまり、ウィンナーをタコにしてみたり、海苔をパンダに抜いてみたりしてしまいます。時々はいいですけど、毎日は辛いものがあります。
 他の国は知りませんが、少なくともドイツの子供たちはそんな見栄えのいいお弁当を食べていません。ほとんどの子が、黒パンにハムとチーズとレタスを挟んだものをタッパに入れ、バナナと一緒に持ってきます。または、学校近くのパン屋さんでパンを買って持ってきます。ある時驚いたのは、いつもパンを持ってくる子が、その日は親が忙しかったらしくポテトチップ一袋にリンゴでした。ドイツの学校では、食堂でグループになってお昼ご飯を食べますが、みんな楽しそうに持ってきたものをそれぞれ食べます。その際、持ってきたものが買ったものであろうが、作ったものであろうが、気にしません。むしろ華やかなお弁当を毎日作って持ってくる方が少数派ですので。
 一方ドイツでは昼に温かいものを食べるという文化がありますので、親は温かい食事を会社のカフェで採っています。端から見たら子供の昼の食事と親の食事とに大きく質に差があるので、これは虐待ではないか?と思ってしまいますが、ドイツでは子供のお昼は見栄の対象ではないようです。楽でいいですねー。高齢化と少子化で、女性の社会進出や、時短などの効率化が話題になりますが、このような現場レベルでもっと楽になったらいいのに、と思います。子供のお弁当はお父さんが作る(お父さん、お母さん、どっちでもいいですけど、とにかくどちらか一方の強制的負担にならないようにする)、もしくは5分以内に完成しなければならない、という法律を作ったらどうですかね。そうしたらレンチンしてパンに挟んだだけ、もしくはお握りだけのお弁当、または子供専用のお弁当屋さんが主流になるかと。ポテトチップ一袋はさすがにやりすぎだとは思いますが。

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