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「他人に教える」のは自分自身の上達につながるのか問題

「”だれかに教えるつもりで”練習したほうが、効率的に上達できる」
なんて話、いちどは耳にしたことがあるんじゃないかと思います。

僕は正直、
「たしかに、教えるために相手より理解度と知識量は高くなりそう。でも、それで自分自身の技術が高まることはあるのかな?」
と半信半疑ではあったのですが、どうやら一定の効果は確認されているようなんですね。

教えようとすることで自分が「分からないこと」「できないこと」が分かる


人に教えるには、まず自分で
「そのスキルのポイントはどこか」
「それをうまくやるためにはどのようなことを意識する必要があるのか」
などを考える必要があります。とうぜん初めて学ぶときには分かりません。
しかし、そこで自分の
「分からないこと」
「できていないこと」
を自覚することができ、最終的にいままで持っていたスキルに関することを細かく振り返る機会になります。 

だれかに教えることで、
情報を整理し、より効果的に情報を扱えるようになる。
そして結果的に、人に教えることが自分の成長に繋がる、というわけですね。

このようなことを、心理学の専門用語では
”プロテジェ効果”
と呼んでいるそうです。

スキルを教えることは「自分にテストを出す」ことに似ている

ここは個人的な見解ですが、人に教えるという行為は「事前テスト」という
学習前にいきなりテストをして、分からないところを明確にする
というアプローチをした際に得られる効果に似ているものがあるなあと。

事前テストの効果に関しては、
事前テストを行った後に学習し、その後同じ内容のテストを行ったグループは、学習後に初めてテストしたグループよりも20−30%得点が上がる
という報告があります。

あらかじめポイントに気づいておくことで目的のはっきりしたメニューを組んだり、意識するポイントがはっきりした状態で練習することができるようになるんですね。

「人に教える」ことによる学習効果は、技能の習得にも効果が期待されている

上記で取り上げた「人に教える」効果に関する研究は、勉強に対しての効果を示したものなのですが、

どうやら、「他人に教える」ことによる学習効果は、勉強だけでなく、特殊な技能を身につける場合においてもあるようです。

最近広まってきたeスポーツの現場なんかでも用いられているそうな。

実際の効果についての報告はまだちょっと見つけられてないのですが、期待が膨らみます。

ひとりで教えるように練習する方法

スキルや知識を人に教えるのはいいぞーって話をしてきたわけですが、
「そんなこと言われても、私は友達がいないので教える相手がいません!」
なんて人もいるかと思います。

そんな方は、実際に教えずとも、だれかに教えるように練習することは可能です。
一部の例をざっくりまとめてみましたので、参考までにどうぞ。

僕もぼっちで過ごすことが多いのでよく使っています(悲しい)。

勉強
・テキストを見る前に書いてあることを予想する
・1テーマ読み終わったら、自分の言葉でまとめてみる(メモ、ボイスメモ)

楽器
・さっと楽譜を見て(模範演奏を聴いて)、ひととおり弾いてみる
・この曲のポイントは何かを説明してみる
・最初の1フレーズを確認し、丁寧に弾いてみる
・楽譜を見ないで弾いてみて、分からないところを確認する

スポーツ
・お手本をみてその場でマネしてみる、そのポイントを説明する
・撮影して分析する

参考になれば幸いです。

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