海老せん餅

窒息を、美味しく食べて
海老を、せん餅にする不安に満ちる
その感情を尾行すると
海老の目の裏側がみえてくる
異性の指先が、いくつも残っていた
生活の下書きのような、指紋の連続に
砕くと輪郭が、溢れた
血が次の火曜日を運んでいます
一つ一つの活字を、咀嚼する口の形を
海老は忘れない

遺骨の匂いを、混じらせながら
小さな蜂起の跡がある
いろいろな季節の暴力に
満ち足りた豊かさの味
我々はいったいどこに
咀嚼を飼っているのか
薄っぺらの火曜日を
口にするとその遺伝子が
粉々にのこっているとわかったから
次の句読点まで
主役を隠そうとすると
身体のにおいに、上下がうまれる

誤字が、たまたまうつくしい
理由のために生きてきたはずだったが
偶然の、途中にすぎなかった
海老の血が、仮定法のまま
光の反射をもたらしている
生活の嘘、一粒一粒が
明確な曖昧だからいって
宗教の言葉でごまかそうとしても
殻ごとゆでたときに出る
共通の表皮の色に染まり
それはとても美味


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