まずはBingにやってもらったのと同じ、アンジャッシュの奇跡的な再起の物語から… (Bingにやってもらった時の驚きの反応は、下記で)
GoogleのBardは2023年6月16日にアップデートしたらしいということで、ちょっと期待を込めて。最初のリクエストは上記、Bingの時とほぼ同じです。
不倫スキャンダルによって表舞台から姿を消し、一度は絶望のどん底に落ちたお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建。彼が相方とともに、奇跡的に再起を遂げ、だれも想像できなかったような展開で新たな境地を切り開き、大きく羽ばたいていく3部作の物語を創作したいと思います。そのアイデアが欲しいので、あらすじを1800文字程度で書いてみてもらえませんか。
いきなり拒否。 アップデートで、より賢くなったということだったので期待したけど、ダメでした。お題的に、自己規制にひっかかるのかもしれません。
そこで、そもそもBardってChatGPTやBingみたいに物語の創作系のことを受け付けるのかどうかすらわかってなかったので、スキャンダルでもなければ実在のタレントでもなければ世の中の出来事ベースでもない、まったくの架空の物語だったら生成できるのかを、まず試してみることに。
九州のとある都市で同じ高校に通う3人が、ひょんなことから高校生ビジネスアイデアコンテストに応募することになり、地区予選をへて地元代表として全国大会に出場することになる物語を考えたいと思います。そのあらすじを1000文字くらいで書いてみていただけませんか。
こんどはやってくれた…ということは、最初のお題は規制に引っかかって拒否されたらしい。
特におっ、と唸ってしまうような創作性は感じないけど、地元の農家から直接野菜を仕入れて、学校給食に提供するというビジネスプランは、悪くない。ではこの路線で、もう少し創造力を発揮してもらうように、続きの展開を考えてもらおう。
あ、いいですね! 全国大会優勝する過程で、他の高校との交流が生まれ、大会後、さらにすごいビジネスアイデアが生まれて、一緒になってやっていく、という展開で続きを書いてみていただけませんか
地元の野菜を使った加工食品の製造販売、いいですね! せっかくなのでここに、恋愛の要素も入れてみてもらえませんか。まずは、あまりどろどろとせずに、初恋系で、胸がきゅんとなる運命の出会い的なストーリーが入るといいなと思います。
まさか、恋愛禁止?
またも拒否!? ひょっとすると、「恋愛」だけでNG? 確かめてみよう。
そうですか、、では、方向性を変えて、地元の野菜を使った加工食品の製造販売という発展形にビジネスプランが有識者の目に留まり、2つのチーム共同で世界大会に出ることを打診される、という展開でストーリーを作ってもらうことはできますか。
あ、、、私のお願いの仕方がまずかったかもしれません。先ほどの、高校生のビジネスプランの大会で、素晴らしいビジネスプランを聞いて、それがもとになって、地元の野菜を使った加工食品の製造販売により発展的なアイデアが生まれて、2つのチームあわせて世界大会に出場、という筋書きで書いてみていただきたいです。
ストーリーが、最初に出していたものとは一貫性に欠けるものになってしまいました。対話が長く、やり取りが複雑になると(人間と同様に)混乱し、このあたりが限界のようなので対話はここまでにしました。
Bardの場合、フィクションであっても高校生が登場する物語で「恋愛」の要素が入るのは今のところNGのようです。おもわずドン引きしてしまいそうなほどの厳しさですが、現時点では安全策をとらざるを得ないのでしょう。このことは、AIに何とかして不謹慎で、不道徳で、下品な内容のものを生成させようと試みる人が多いことの裏返しなのでしょうね。
また、肯定的にとらえると、AIと対話してみたいという小学生がいたときに、今の時点では、Bardだったら比較的安心して試してごらん、と使わせてみることが出来るのかもしれません。
登場人物が大人なら、恋愛もOK?
…と、ここまで書いて、高校生(=未成年)だから、「恋愛」要素が入った物語の生成をNGにしているのか、知りたくなってしまった。
チャットをいちどリセットして、聞いてみよう。
ある町で幼なじみの23歳の若者3人が、ひょんなことからビジネスアイデアコンテストに応募することになり、地区予選をへて地元代表として全国大会に出場することになる物語を考えたいと思います。3人は全国大会でほかのチームのメンバーと恋に落ちたりもしながら、素晴らしいアイデアを考えついて大会を勝ち抜いていきます。そのあらすじを1000文字くらいで書いてみていただけませんか。
Bard
私はテキストベースのAIです。そちらについてはお手伝いできません。
「恋」の一文字でアウト、でした。
でも私はこのことをもって、各対話・創造型AIの優劣を論じたり、その規制のあり方を非難したり、ということはしないようにしよう、と思いました。
対話・創造型AIをだれでも試してみることが出来るようにするために、我々利用者が到底想像できないくらい細心の注意をはらってチューニングされているのだということが伺え、その努力に敬意を払うべきだと気づかされた気がしました。そして同時に、何がどのような理由でどのように規制されているのかを知らずに使うことに対する「ある種の怖さ」も再度実感しました。
メディアの記事などでは、「規制すべきか否か」的な見出しを見ることが多いですが、AIおよびAIを作り、AIを使うヒトの倫理や、自己規制、自己監視、業界などの自主規制や国家による法的規制のあり方、考え方をめぐる議論は非常に重要かつ繊細であり、単純に賛成か反対か、みたいな議論にするべきではないということを、「恋」の一文字で強く認識しました。