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教育学部だからなんとなく「先生」



目標のなかった学生


教育学部に入学したての当時、私は「こんな先生になりたい。先生になって、こんなことを頑張りたい。」といった具体的なイメージや目標は全くありませんでした。
ただ教育学部に入ったのだから将来は教員になるんだろうな、といった漠然とした思いしか持っていませんでした。

一年生の時、大学の講義で、「教育原理」という時間がありました。
その講義は、「授業論について、教師の資質について、教育研究について」等の内容であり、私はその内容に興味を惹かれ、講義がある日を楽しみにしていました。
そのあたりを詳しく書くと膨大な量になりそうなので割愛しますが、結果から言いますと学生時代はその先生の研究室に入り勉強に没頭しました。
卒業論文も各方面からたくさんの授業記録を収集し、分析し結論をまとめました。
その内容が、私の教師生活の大きなテーマの柱となっていき、その基本的な考えの元、教師生活を完走した!という気持ちが大きいです。

バイブル


今、私の書斎(事実上の物置ですが・・)から1冊の本を持ってきて、パラパラとめくってみました。
『斎藤喜博の世界 用語による思想形成のあとづけ 松本陽一・高橋嘉明 一莖書房 1983年』という一冊です。
自分が教師を目指すうえでの実践の源となった教育実践者の「集大成の一冊」です。
集大成とは言っても、実践者本人が書いたのではなく、その実践者の多くの著書から項目ごとに重要な部分を抜き出し、後の研究のためにまとめられた本です。
私にとっては「教育という仕事のバイブル」として、長年手元に置いて繰り返し愛読してきました。
言わば私の教師生活とともにあった本の一冊です。


自分に問いかけてテーマを考える


特に若手の皆さん、そして教師を目指す若者たちに強くお伝えしたいのは、20代のうちに「教師生活を貫く一本の柱(教育実践研究のテーマ)」を見つけることができれば、教師生活がより有意義なものになる可能性が高くなる、ということです。

テーマは、一人一人の性格や考え方が違うので、その方に合ったもので全くかまいません。
ただ、そのテーマを追求することが自分の教師生活、日常生活に楽しさ、喜び、夢や希望、生きがいを感じさせてくれるようなものがベストです。
今まで頭に全くなかったものを最初から考えるのではなく、今まで自分が何に感動し、何にこだわりを持ってきたのか、またどんなことに喜びや楽しみを感じるのか、という自問自答を繰り返して、そこからテーマを考えてみることをお勧めします。


何か1つのテーマを考える作業は、とてもワクワクする作業です。
良い習慣、そしてその思考や行動の積み重ねは、人生を安定させる」と考えていますが、今回の「教師生活を貫く一本の柱(テーマ)を持つ」とも関連付けて考え、毎日を有意義なものにしていっていただきたいと思います。


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