日記:初夏の畝立てとムクドリ
昨年の11月から育成していた玉ねぎの収穫がようやく終わった。夏野菜のナスビやキュウリなどが定着し、ひと段落つけたと思いきや作付けスケジュール通りに次はサツマイモの畝立てがすぐに始まる。
今年は天候が不定期かつ降水量も多く、使用している大型耕運機は重量の関係でぬかるみにハマるとスタックしてしまうのもあり、やや遅い時期での耕運が始まった。
気持ちのいい初夏の陽射しを浴びながら、耕運機をチェックする。MT操作故にギアはニュートラルよし、クラッチは切っている、爪も停止状態よし。
L字の形をしたスタートハンドルを所定の位置に差し込み、右手でそれを勢いよく回しつつ左手はレバーを押さえる。
ディーゼルエンジン始動の流れはもはや感覚で覚えており、いかにも昭和に作られた頑丈かつ粗暴なエンジンの音が木霊する。
ドッドッドッドドドドドと軽油が延焼し、排気口から少量の煙が排出される。
耕運機やトラクターによる死亡事故は平均して三日に一人の割合。
自分はその中の一人に入らないように、例えば長靴はしっかりフィットしたもの、小物類は絶対に身に着けない(巻き込まれ防止)などなどを徹底しながら、クラッチを入れて、爪を出し、ギアを一速に入れる。
両手でしっかりとハンドルを握るが、ディーゼルエンジンの力強い動力で振動を浴びながらも耕運機を動かす。
数十センチ先で何重のも爪が土を耕してくれる。
30~40分ほどの耕運が終了し、辺り一面はふかふかの土になった。
後は畝立て用のアタッチメントを装着し、畝立てをするのみと一休憩いれると
どこからともなくムクドリが耕した土を突いており、ミミズを掘り出していた。
ミミズにありつけたムクドリはえらく満足げに鳴きながら、数メートル先に居る人間のことなど歯牙にもかけず、またエサを探す。
こういう光景は珍しくなく、ムクドリやハクセキレイはこうした耕した土から餌を掘り当てるのは習慣らしい。
こちらではおもにムクドリが多く、人間と鳥の奇妙な共生になぜか笑みがこぼれた。
さて、畝でも立てるかとアタッチメントを持ち運ぶ自分の姿にさらにもう一匹のムクドリがやってきた。
さてムクドリよ、次は何にありつけるかな?
上から目線で二匹のムクドリに呼びかける正午前の畑。
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