流れで登ることになったエクアドルの山がヤバすぎた話

こんにちは、Satoshiです。

実は今日、流れでエクアドルのCumbre Rucu(クンブレ・ルク)という山に3人で登ってきたのですが、その山がヤバすぎたという話をします。

そもそもどんな流れだったのかというと、今僕はエクアドルの首都キトにあるホステルに居候させてもらってる(一応、ボランティア)のですが、そのボランティア仲間から、

Teleforico(ケーブルカー)に登って、その様子を宿のインスタにアップしよう!

と言われた流れです笑

仲間の一人はすでに経験済みで、ちょっと片道2時間くらい歩いて山に登ろう!

というので、ああそっか、と思っていました。

というわけでさっそく今日朝九時に出発して、ちょっと食べ物を買います。

僕はすでに水とクッキー(6個入り)を持っていたので、近くの売店でりんご(20円)とクロワッサン(15円)を追加で買って行きました。ま、結論から言うと全然足りなかったのですが笑

そうして食べ物を買うと、ケーブルカーのある場所までタクシーで向かいました。

ケーブルカーは一人8.5ドルで、僕はちょっと高いなと思いましたが、往復チケットであり、さらに山への入山料も入っていると考えたら決して高くは無かったと今なら思えます。

そうしてまぁケーブルカーに乗ったのですが、ここで驚いたのは、本日のメインイベントであるはずのケーブルカーに乗っているのにも関わらず、ほとんど誰も写真を撮っていないということでした。

↑ケーブルカーからの眺め

18分の所要時間の後、到着します。

この時点ですでに標高3800mでした。

半袖とパーカー一枚とジーパンとランシュー(ランニングシューズ)で来ていた僕が、寒くないはずありません笑

いい感じに雲が向こうからやってきて、文字通り雲行きが怪しくなってきました笑

↑こんな感じ

ここから、始まるのです。

登山

ケーブルカー降り場の周りをぐるぐると見て回ると、唐突にも登山は始まりました。

※降り場の近くにある建物で、トイレに行っておいたのがこの日最大の正解でした。一度登り始めたら、トイレも食べ物を売ってる売店も無かった

最初の道はそこまで急じゃなかったので、ああ、歩くんだなーくらいに思っていました。

※ちなみに、スタートして10分くらいのところに、雲のブランコという、素晴らしいブランコがありました。もしここに訪れるなら、このブランコと、それからもう少し先に行ったところにある第一展望台ら辺くらいまで行くのがオススメです。

↑雲のブランコ

そうして歩いていくと、当然ながら、ちょっと頭がジンジンしてきました。まぁ4000mくらいのところを高山病の薬も飲まずに歩いているので、当たり前だなと思いました。

経験者の男性は、超絶前を歩いていくタイプで、僕はもう一人のメンバー(女性)にペースを合わせる感じで歩いていました。

※ここで今更メンバー紹介!僕は男性Aと女性Bと一緒に歩いていたのですが、男性Aは登山経験者っぽく、イケメンアメリカ人。女性Bはオーストラリア人で、話されても30%くらいしか聞き取れない!やはりアフリカとは違った!(ケニアやウガンダの方がもう少し聞き取りやすかった)というわけで、英語勉強しよ、と思った

女性の方はかなり大変そうだったので、途中から僕が彼女のバックを持って行きました。それでもやっぱり大変そうでした。

そして僕の方もなかなかに大変でした。そもそも富士山の頂上から半袖とパーカーで登山を開始してたようなもんなので、当たり前ですが笑

↑こんな感じの道を1時間以上歩く

そうして2時間くらい歩いた頃、僕たちは山頂に、ついてる訳ありませんでした。というか、恐ろしい看板が目の前に立ちはだかったのです。

ここに書いてあるのは、以下の通りです。

死の道
1.この道を進むには、一定の登山経験があるか、登山家の同行が必要です
2.決して一人では行かないで下さい
3.適切な服装(セーター、ジャケット、長ズボン)及び用具(ヘルメット、ロープ、カラビナ、登山靴)を持参する必要があります
4.道に迷っても大丈夫なよう、GPSで位置情報を取得しながら歩いてください
5.暗くなる前に早めに下山して下さい

普通に、帰ろうと思いました。

僕はそもそも登山の体力にはそれなりに自信があったのですが、すでにかなり疲れていたし死の道はヤバい。というか3番の適切な服装及び用具、長ズボンの1点しか満たしてない笑

ですが、男性Aは当然のように進むとのことでした。また女性は、ここでリタイアすると言っており、僕は、とりあえず行けるところまで行って、ヤバそうだったらさっさと引き返そうと思いながら、男性に着いていくことにしました。

ここからが本当に地獄だった

そもそも、命の危険スポットが2箇所あって、下が崖で足を滑らせたらチャオ!みたいなところを通らなければ行けませんでした。

ただ、勇気はいるけどめちゃめちゃ難しいというわけではなかったので、めちゃめちゃ慎重に渡りました。

その後も登っては登っては、ふかふかした土の上を歩かなければいけないところがあって、本当に足が取られて大変だったり(この時点で帰ろうと3回くらいは思った)、それを登りきったら今度は岩盤でごっつごつなところを慎重に登っていかなければならず、しかも高山病で頭が痛くて、気温も低くて手も赤く腫れ上がっていて、本当にしんどかった。

それでも、無理!というタイミングに至らないまま何とかずっと着いていったら、とうとう山頂に到着しました。

本当に、嬉しかった

なかなか泣かない僕でも、本当に涙出そうになるくらい嬉しかった

周りが雲で真っ白で、何も見えなくても嬉しかった

辿り着いたことに意味があるんだ、と思いました。

また、山頂には道中見かけなかった鳥が一匹いて、登山者を迎え入れてくれているみたいでした。

僕はもう疲れで座り込んで、持ってきたりんごを食べたのですが、このりんごが人生で食べたりんごの中で1番美味しかった。りんごで泣きそうになってまた涙をこらえました。

↑うまかったな〜

山頂に着いたのは、登り始めてから大体3時間くらい経った頃でした。

そうして感動も束の間、アドレナリンが消えて寒さがぶり返してくると、流石に居ても立ってもいられなくなって下山を開始しました。

すると下山が大変で大変で、降りているはずなのに頭も痛くなってくるし、何より道がそんなにただの下り坂で構成されていないので(登ったり下ったり)時間がかかるし、お腹も空いて、力が出ない。

ちなみに、途中で分かれた女性は、あの後なんと再び登山を開始していたようで、降り始めて少ししたところで再開することが出来ました。てっきり僕は下山したかと思っていたので、本当に驚きました。

というわけで2時間程かけて、意識が若干朦朧としかけてる中、何とか下山することが出来ました。

ギブアップしよう、と何度も思ったし、二度と来ない、と何度も思いました笑

それでも、今思えば本当に良い体験でした。

登山の面白さを身をもって体感した気がしました

もう十分だけど笑

あとがき

本当に若干死の淵を覗いた気がした。
登山やばい。
けど、山頂に辿り着いたからこそ言えるのは、諦めないで良かったということだった。
命の危険もあるし、誰にもおすすめできないけど、本当に良い体験だったから、こうやって文章に残したかった。

生きてるって、いいなぁ

普通に喜びます