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なぜ毎年写真展をやっているのか

はじめまして、カメラマン兼ライターの武山智史です。
主に野球をメインにしています。
東京在住ですが出身は新潟県長岡市であり、
2016年から毎年1月、 #アオーレ長岡 で野球の写真展「グラウンドの主役たち」を開催しています。
来年1月は1月13日、14日の2日間で開催予定です。

過去3年間、新潟の高校野球をテーマに展示してきています。
展示する写真は試合中ではなく、練習中の写真。
ごく普通の公立高校の野球部が中心です。
(今年1月の写真展の模様 http://www.niigatayakyu.com/archives/21411)

通常、毎年写真展を開くということはあまりありません。
「間を置くべきでは」「作品のクオリティーが落ちてしまうのでは」など、
過去には様々なご意見も頂きました。
でも、毎年開催することを自分に課しました。

理由の一つとして「自分の発信する場を作る」。
しかもWebではなく、写真展という形で。
カメラマンは基本、受け仕事でクライアントからの依頼があって仕事が発生することがほとんどです。
でも、ただ仕事を受ける形だけでいいのか。何も無かったらそのまま朽ち果てるのでは…。
そんな事を考えました。

ならば自分の写真展を開いて発信していこうと。
地元・新潟の高校野球は2006年から毎年取材していたこともあり、
最初の写真展は過去撮影したもので構成しました。
2回目以降はつながりのある野球部を中心に
「深さ」を求めて撮影に赴き、作品作りをしています。


同時に最初の写真展を開いてみて、
見に来て頂いた方が交流できるコミュニティサロンのような場所作りができるのではとイメージが浮かびました。
翌年からは中央に円形のテーブルやイス、フォトブックを設置するなど
長く滞在できるような「おもてなし」の場所作りにも目を向けました。
この点はもっともっと向上していきたいと考えています。

写真展自体にもコンセプトがあります。
高校野球といえば一般的には「甲子園」「ドラフト候補」の報道がほとんど。
特に100回大会となったこの夏の甲子園はその顕著な例でしょう。
でも、そのような高校、選手は高校野球全体から見ればほんの一握り。
そこだけで高校野球を語られていることに何か違和感を感じました。

そうじゃない。
もっと目を向けるべきものがあるんじゃないか。
高校野球部の日常は試合が行われる球場ではなく、練習するグラウンドではないか。
そこには有名も無名も、強いか弱いかは関係ない。
そんな思いも写真展を開催する一つのきっかけでした。
写真展の裏テーマとして意識しているのは「高校野球報道へのアンチテーゼ」です。

毎回、試行錯誤しているのは事実です。
一方で写真展を毎年開催することで自分の背骨というのか、「何を撮り続けるのか」というスタンスが見えつつある手応えも感じます。

来年1月については新たなチャレンジとして
BCリーグ・新潟アルビレックスBCの展示をやります。
写真展を通して、自分自身の挑戦の場にしていきたいとも感じています。


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