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痛い過去の経験から得た宝物たち:5 信じて委ねること

心に熱い情熱を秘める同志のみなさまへ♡

さと・ブーケの人です.

「痛い過去の経験から得た宝物たち」として,シリーズ化してポツポツと綴ってきております.その5作目.膵臓手術を通じて得た宝物の一つを綴ります.「信じて委ねること」です.

わたしは,病気を通じて出会った内科主治医に恋を致しました(恥ずかしい…).膵臓のオデキの経過観察中に出会って最初の1年間は,「何やねんこの人」って印象で何とも思ってなかったのですが.2年目の夏に,悪性の可能性が浮上してきてから.内科主治医の内視鏡を何度か受けて,やり取りが密に始まったのです.

悪性診断をする内視鏡検査の時,強いお薬を使って眠っていたにも関わらず,腫瘍の部分に薬剤を吹きかける大切な場面で.わたしは唸り声を上げて暴れてしまったのです.「膵癌だけは嫌‼︎」って,夢の中で自分の膵臓をみながら叫んでいました.それが声に出てしまったのです.一瞬目が覚めた瞬間.主治医が,「今大事なところ‼︎落ち着け‼︎」って大声あげていて.その声を聞いた直後,わたしはまた眠りに落ちました.

検査直後,主治医の姿が消えていて.膵癌確定だと思い込んだわたしは,怖さのあまりパニックを起こして大声で泣き出してしまいました.半年も生きられない,このまま痩せ細って死んでいく… そう思い込んで.情けなさと怖さのあまり泣き続けていました.母親が飛んできて,ベッドの側で付いてくれていましたが.その母よりも先に居なくなるって思うと,点滴に繋がっている自分が情けなくて更に涙が出てきて…あの時ほど死を身近に感じた事はありませんでした.

血圧も落ち着き,麻酔も随分と醒めてきたのを確認してから,母が押す車椅子に乗って検査室を出ようとした瞬間.主治医が駆け込んできて.力強い目でわたしの目を真っ直ぐ直視しながら,熱く力強く,何度も何度も大きな声でこう伝えてくれました.

膵癌じゃない‼︎膵臓じゃない‼︎膵臓じゃないから‼︎ 
膵臓じゃない‼︎膵臓じゃない‼︎
膵神経内分泌腫瘍だ‼︎ 手術で切っておしまいだ‼︎

膵癌じゃない.その言葉を聞いた瞬間,全身の力と怖さが一瞬で抜けるとともに,「手術」という言葉にギョッとなったのです.一瞬息を飲んで固まりました.それでも,生きられることが心底嬉しかったです.生きられる喜び,生きることができるという喜び.わたしは,思わず笑顔になっていました.

この瞬間の出来事は一生忘れられません.この瞬間から主治医に対する見方が180度変わりました.この人を信じて着いていく,全てを委ねて着いていく.そう腹を括った瞬間でした.

「信頼する」ということを,病気を通じて出会った主治医が教えてくれたのです.どんな結果になろうと,目の前の人と自分自身を信頼して流れに委ねていく.今叶わない事は,今じゃなくても大丈夫.タイミングがちゃんと来るから大丈夫.流れに委ねれば大丈夫.そう信じることができるようになっていたのです.

主治医が着いてくれているという絶対的な安心感.そういうのも今まで味わったことのない感覚でした.離れていても感じる絶対的安心感.とにかく不思議な不思議な感覚でした.男性って安心できる信頼できる存在なのだって言うことも主治医が教えてくれました.

手術は外科の領域なので,内科から外科に移ってから,直接治療に関わる事はなかったのですが.それでも外科担当医よりも細かくカルテをチェックしてくれていたり.わたしがとても気に入っていた外科女医さんに,状況確認を事細かく行なってくれていたり.入院中も病室に何度も顔を出してくれたり.病理診断結果が出た当日も真っ先に病室に来てくれて,立場上は診断結果を言えないながらも「手術をして本当に良かった」って何度も何度も言ってくれたり.その病院は,退院してからでないと病理診断結果は教えない決まりでした.そのことをわきまえつつも,その日に来てくれたことが凄く嬉しかったです.

わたしは主治医に対して,先生がいなきゃ乗り越えていないから!って何度も何度も言ってきましたけれど.やっぱりここでもそう伝えたいです.先生が居てくれたから,わたしは今ここに元気に生きていられます.信じるということも,委ねるということも,絶対的安心感も,わたしは自分が思っている以上に大切にされているということも,先生を通じて教えて貰いました.何度伝えても伝えても感謝の気持ちが溢れ出てきます.命を救ってくれて,大切なことを沢山教えてくれて,本当にありがとうございます.

心配してもしなくても大丈夫なようにしかならないから.大丈夫♡心配はいらない♡

東京は冷え込む日が続いております.暖かくして素敵な1週間をお迎えくださいませ.
さとでした.

Lots of Love♡

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