2020年ふりかえり

今年も残すところあと僅かとなりました。

新型コロナウイルスの影響により、社会が大きく変わった1年と思っています。多数の方々が被害に会い、未だ納まる気配が見えない状況であり、良い状況では言えません。そんな中でも、幸いなことに家族含め身近な方々は健康なまま年を越せそうではあります。ただ普通であることがいかに幸せなことなのかを思い知らされることでもありました。そんな変化の中で、仕事やコミュニティ、個人的な活動においては新しい動きがあり、明るい面もありました。

仕事

仕事は、この1年は1つのプロジェクトを続けており、キックオフからリリースまで安定して進めることができました。昨年は主にPoCが多かったので、今年はユーザーが使ってくれるサービスの開発・運用をしています。技術的なところだと、久しぶりにRuby on Railsでアプリケーションをスクラッチから作りました。これまではAzureばかりだったところから、AWSを使ったり、構築するためのTerraformを書いてみたり、GitLabでCI/CDを入れたりするなど、いたって真面目なウェブサービス開発をした1年でした。相変わらず少人数チームで続けており、名古屋の本社にいるステークホルダーと連携しながら進める、という流れもでき、ゆっくりながらも特に大きな問題が起きることなく安定した開発でした。

3月からリモート勤務に変わりました。始めはネットワークやツールが揃っていなかったので辿々しいものでしたが、SREチームに尽力していただいたおかげで、リモートでも何ら問題なく開発できるようになりました。zoomで繋ぎっぱなしでモブプログラミングをするということも、やる前は不安はありましたが、やってみると思ったよりもちゃんとでき、オンラインに対して過剰に不安を感じていたのを思い知りました。リモート勤務がこれほど長く続くとはおもっていなかったので、自宅の開発環境の整備はゆっくりと揃えていきました。それについては別の記事にしているのでそちらを参照してください。

都内の日々の感染者数が気づけば800を超えるようになってしまいました。この状況は、年明けに急激に好転することは無さそうです。仮に、この状況が落ち着いた時に出社するだろうか、と考えると、会社に行くことは殆ど無くなるのではないかと思っています。あえて言えば、通勤の時間が無駄です。通勤が無くなったおかげで、個人的に使える時間が増えました。読書をしたり、気になることを調べてみたりと、自分の幅を増やすことに使える時間が増えたことはとても良いことだと思っています。この時間を失いたくないので、以前のように通勤をすることはやりたくはありません。と、いうくらいにリモートで仕事することが快適になりつつあります。

複業

複業については、これとは別に書きました。

コロナ禍によって個人事業主としてのお仕事は不安定になるんじゃないかと懸念していたのですが、そんなことはなく、安定して継続したお仕事の話をいただくことができました。なおかつ、これまでやったことないようなことも始める切っ掛けにもなりました。在宅でできるので家にいるとついつい仕事をしてしまうのが良くなかったことと思ってはいます。ブログを書いたり、個人的な趣味のコードを書く時間が格段に減ってしまいました。

コミュニティ

仕事でのzoomの普及だけでなく、コミュニティでのDiscordの普及はとても大きな変化を与えました。オンサイトでしかできないと思っていた、勉強会でのゆるい雑談の場がオンラインでもできたことの安心感は大きいものでした。特に、「ホワイエ」というDiscordサーバーの影響は大きかったと思います。在宅勤務が始まりだした3月頃に実験的にDiscordを使い始めた人たちがそのサーバーに集まり始めました。そして、自分も招待していただき、そこではDiscordの使い方やどう活用できそうかといった実験や議論がされていました。それを実装したものが、今年のスクラムフェス大阪だったと思います。完全オンラインのカンファレンスイベント、それでいてトラック数が異常なほど沢山。大阪だけでなく、様々な地方のコミュニティが集まったお祭り騒ぎでした。本来であれば自分もそこで発表するはずだったんですが、何が起きているのかがわからずお断りしてしまいました。それとは別に、ハッカーライフラボの岩切さんから「一緒に何かやってみませんか」と声をかけていただき、スクラムフェス大阪内でLTセッションを企画することになりました。

始めは「なんじゃこりゃ」のオンラインイベントでしたが、やってみると普段のコミュニティっぽい雰囲気が出ていたように感じます。

これとは別に、昨年度末から少しずつ話しを進めていたPyCon JP内でのOSS Gateワークショップ開催が実現に至りました。

このコロナ禍で開催自体も再検討されていたPyCon JPでしたが、オンラインイベントになるということで開催に至ったのですが、ここで先のスクラムフェス大阪が非常に影響していたことを伺いました。OSS Gateワークショップもそれまではオンサイトでしかやったことが無かったものでしたが、オンライン用に実施方法を設計するときに、ホワイエでDiscordを使ってきた経験がとても役立ちました。こういったコミュニティの繋がりから、運営方法が広まっていき、参加者も仕組みがわかっていき、このスタイルでの過開催が更に広まっていくのではないかと思いました。

オンラインイベントが増えたと同時に、講演動画が沢山生み出されました。それらを鑑賞するイベントがあり、基本的に倍速で視聴する癖がつくようになりました。

コミュニティのDiscordサーバーがたくさん生まれ、オンラインで開催されることもあり、いつでもどんなタイミングでも行けるようになりました。勉強会へ参加するコストが格段に下がりました。勉強会に参加しながら、裏で開催されている別の勉強会にも参加するなど、オンサイトではできないような方法で参加する人も現れはじめました。

オンラインイベントはとても好きです。常に、誰の目も気にすること無く、最前列のど真ん中の席を陣取れます。また、思ったことをチャットに書き残しておくことで、登壇者からレスを貰えることもあります。言葉を声に出して話すのが苦手な自分のような人でも、聞くだけ(通称、聞き専)に徹するのも参加のしやすさだと思います。個人的には、使い方によっては、登壇者により近づくことができるのがオンラインイベントの良さだと思っています。

とは言いつつも、まったく寂しさが無いわけではありません。やはりオンサイトで話をしたいという気持ちがあります。しかし、まだよろしくない状況なので、その気持ちだけで動いてしまうと、多くの方に迷惑をかける可能性があります。なので、まだ当面は我慢するしか無さそうです。

個人

普段のお仕事やコミュニティでの活動では殆ど問題なく過ごせてしまった一年ではありました。ですが、子どもたちの学校や塾などの影響は大きいものでした。突然の臨時休校。終わりが見えない休校期間に、始めは浮かれていたものの、次第に家の中にいなければいけないことへの飽きや不安でイライラしているのが見て取れました。

その一方で少し良いこと家で過ごすことが多くなったため、仕事をしている時を見られることが当然増えました。これまで見たことなかった、親の仕事をする姿が珍しいのでしょうし、興味はあるようです。お父さんみたいになりたい、とまではいかなくても、どんな仕事をしているのかが見えるのは何か新しい繋がりが生まれたように感じています。ただ、仕事中にzoomに映り込もうと背後に回ってきたり、遠くから変顔で笑わせてこようとしたり、メリットだけではないようです。

趣味の推し事は、オンラインイベントばかりになってしまいました。公演延期から中止になってしまったものもありましたので、オンラインとはいえ、開催してもらえるだけとても有り難いものでした。コミュニティのイベント同様に、オンラインだからこそできる楽しみ方も生まれたと思います。ライブ中にTwitterなどを使って、その時々の思いを残したり、それを見てファン同士で繋がれたりといったものが自然と生まれました。また、オンラインイベントは開催後にも一定期間アーカイブとして残っているので、リアルタイムで参加できなくとも後追いで同じイベントを体験できます。地方に住んでいたり、仕事などで都合が付かないような人にとっても参加しやすい形態の開催方式として重宝されそうです。とはいえ、それでもやはり現場で盛り上がりたいという気持ちは消えません。

来年は40歳になります。前厄であり、いわゆる不惑というものらしいです。戸惑うことしか見えていないのですが、新しいことを挑んで惑ってる方が自然なのかもしれません。なので、慌てず、目の前のことを着実に進められるように、なおかつ何か新しい道を見つけられるように頑張っていこうと思います。ですが、今年は、体調面でもメンタル面でも不調を感じました。そういった年齢に向き合うことを考えた年でもありました。筋トレをしてみたり、集中力を高めようと瞑想を始めてみたりカフェイン中毒を抜こうと試して失敗してみたり、自分のパフォーマンスを上げていけるように挑戦してみました。一部は効果を感じているので今後も継続していこうと思います。

さてと、色々と書いてきましたが、今年一年も楽しかったので良い年でした。来年も良い年にしちゃうぞ。

それでは良いお年を。

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