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麻痺する感覚 〜本日のコロナの感染者数は?〜

ときどき実父の様子をみに住まいを訪れる。要介護状態なので介護のため、と言いたいところではあるが介護らしき行動はしていない。行くときは手ぶらでは何なので昼に合わせて弁当を買っていく。このご時世なので近所のファミレスでお食事をというわけにはいかない。最後に一緒に外で飯を食ったのがもう一年以上も前のことになってしまった。その間に何かを学んだのだろうか?なにか良い方向に変わったのだろうか?

昨年の一回目の緊急事態宣言が出た頃は、37度4分までは医者に行くな、自宅で我慢しろ、そのうちに良くなるからとPCR検査を受けさせてもらえなかった。そうこうしているうちに患者が増え、重傷者が増え、死者が増えた。そして志村けんや岡江久美子が死んだ。コロナにかかると死ぬというこを学び、検査数が増えた。

父の日課はコロナ感染者数の記録である。テレビをデータ放送にして各地域の数値を見てはノートに記録している。精神衛生上良くないよなぁ、と思うが止めろとも言い出しづらい。ちなみに都内在住であるので、数字の増減は気になるなのは確かだ。昨年来の累計値を見ると、日本全国では感染者数が617,513人、死者数が10,547人だ。ざっくり60人に一人が亡くなる確率だ。昨年の今頃は確か500人に一人の割合だったと記憶している。一年でおよそ10倍悪化しているように見える。

コロナは人が媒介しているものの人為的なものではない。(意図的にウイルスを人が広めているわけではない)つまり自然のなせる業だ。自然の摂理はとても数学的であるとEric Hofferは言っている。

「自然はつねに理性的である。自然から引き出される回答はすべて、厳密で論理的である。風が竜巻になるのは、非理性的な狂気ではなく、数学的に精確なプロセスによる。精神をもたないものがつねに理性的であるのは、逆説的であるように思われる。」(エリック・ホッファー著、中本義彦訳、「魂の錬金術」より引用)

おそらく広がり方も精緻に計算をしてみれば精度の高い予測はできるのだろう。それをまともにやってこなかったのかもしれない。科学者たちのシミュレーションはそっちのけで直感的に、或いは感覚的に、或いは心情的に、非理性的な狂気に満ちた弁論を繰り返してきたつけが、一年たった今、社会を混乱させているのではないか。

これが俺の国の話だ。

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