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登山ガイド実務テク! 雑談編

この記事は登山好きな貴方がガイド資格を取得し
ガイドとして活躍するまでのストーリーです
今回は実務的な課題を解決できるレポートです
ガイドの活躍で地球環境の保全に貢献する事が
私の願いです


「登山ガイド実務テク! 雑談編」


<目次>
1雑談の重要性
2雑談の基礎知識
3雑談の実践的なテクニック
4雑談誘引及びトーク例集




1雑談の重要性
サービス業における雑談とは人と仲良くなれるのはお互
いの自己開示(自分を知ってもらう)そのことで信頼関
係が築かれる、魅力を伝えられる事を目的に行うコミュ
ニケーションです
その雑談とは「どうでもよい話」「仕事に関係ない話」
です
参加者はガイドがとって素晴らしい自然解説を提供した
としてもそれは仕事(プロ)なので当たり前(当然)
だという認識となります
一方、雑談が面白い人ほど人気が出ます
(魅了できます)参加者は雑談の楽しさでそのツアー
やガイドを判断(評価)する傾向があります





2雑談の基礎知識
・雑談とは「どうでもよい話」 「仕事に関係ない話」 
 俗にいう「無駄話」です
・ストレスを感じる原因の60~70%が「人間関係」です
 職場でもキツイと感じるのは仕事内容よりも人間関係です
 それを解決するのが雑談力です
(雑談が下手な人とは気まずい雰囲気)
・人と仲良くなれるのはお互いの自己開示
(自分を知ってもらう)
 そのことで信頼関係が築かれる、魅力を伝えられる
・雑談が面白い人ほど魅了できます(人気が出ます)
 サービス業には必要不可欠なスキルとなります 
・「雑談力」とは総合的な技術(表情・しぐさ・声の調子)
  です

<雑談のタブー>
・相手の仕事に関連した話(アドバイスもダメ)
・成功体験 (成功体験は聞きたくない)
・時事ネタ(新聞・TV)  皆知っている
・芸能アイドルネタ (オタクの方は別)
・ベストセラーネタ(雑誌ネタ)
・ネガティブネタ (説教ネタもダメ)





3雑談の実践的なテクニック
<実践雑談テク(内容例)>
 □相手が思わず「プー」と噴き出す内容がベスト
 □マニアックな情報 (希少性)
 □いやらしくない下ネタ (万人が興味)
 □お世辞ネタ (褒める)
 □健康ネタ (万人が興味) 花粉症・関節痛
 □とびっきりの不幸話 (人の不幸は楽しい)
 □自虐ネタ (明るく話すと楽しい)  など


<雑談で意識すること(戦略)>
・サービス業での雑談はあくまでもお客様が中心である
(ガイドが楽しむのではなくお客様の気分を良くするため)
・できるだけお客様に話させる(情報を聞き出す)
 そのためにまず初めの行うことがガイドの自己開示である
・お客様から聞き出した情報より、共通項を探し出す
 その共通項の話題で盛り上がることで仲良くなる
・雑談を円滑にするために話題を作る
 (ファシリテート・そそのかす) →たくさん話す
・ホメることで気分を良くする
 (気分が良くなる) →たくさん話す
・できるだけ笑わせる
 (笑わせる人に好意を抱く・安心する)→たくさん話す
・できるだけ絞り込む
 (マニアックな話題に誘引する) →特別感・信頼感




4 雑談誘引及びトーク例集
  (一部ガイドの業務トーク含む)
 楽しいトークで引き付けて雑談と展開しましょう
 (ガイド業務ではいきなり雑談は実は困難です)

A挨拶から緊張を解く

(挨拶の合間に話す雑談的な会話の流れ)
・「今日参加のお客さまは皆、良さそうな人ばかりですね」
・「今日はどのような人が参加するのか心配でしたが、
  お会いして安心しました」
・「皆様が安全に楽しめるように、ベストを尽くします」


B 観察や質問から共通項を拾う(探し出す)
<歩行前や歩行中に実行する雑談例>
(質問からのケース)
・「今日はどちらからお越しですか?」
  住居地を聞き出す  → 住居地の情報を話す
・「私も好きでよく訪れている場所です」
・「昔、その近くに住んでいました」
・「○○のお店にはよく行きます」
・「○○へ昨年行きましたが、すごく良いところですね」
  その住居地の情報で切り返す →共通項の意識構築
・「どのような交通でお越しですか?」
  交通情報の中から、雑談ネタを拾い出す
・「この電車便利ですよね」
・「道路混んでいませんでしたか?」
  交通アクセスによる過去の失敗談を話す
・「この山は以前登られた人はいらっしゃいますか?」
   過去の行動から経験を推測する
・「最近、他にどの山行きましたか?」
 その山から共通項を拾い出す →その内容で盛り上がる

(観察からのケース)
・「私と同じ時計ですね」
・「その靴、歩きやすいですよね」
・「そのザック、調子どうですか?」
 参加者の外見から、服装や装備について話を切り出す
 できるだけ相手に話をさせる  
 (話を聞いてくれる人を信頼する)

<ポイント>
 □質問はさりげなく行う
 □観察(視覚情報)に集中する
 □できるだけ多くの情報を引き出す
 □「安心」というキーワードをたくさん話す


Cきっかけから趣味や志向を聞き出す

<歩行中や休憩中におこなう雑談例>
・「ホームエリアはどこですか?」
・「今までどのような山を登ったのですか?」
・「その中で一番良かったのはどの山ですか?」
・「次狙ってるのはどの山ですか?」
        ⇩
 「お客様登山の他はどのような趣味をお持ちですか?」
  登山・ハイキングによる趣味や志向を洗い出す
  その内容に合わせた話題で盛り上がる

・「これまで訪れた場所で、どこがよかったですか?」
・「お客様がオススメする旅行先はどこですか?」
・「どこのツアーがよかったですか?」
・「海外ではどこがオススメですか?」
        ⇩
「お客様の満足を決める一番のポイントは何ですか?」
 旅行や体験による趣味や志向を洗い出す
 その内容に合わせた話題で盛り上がる

・「○○の○○美味しいですよね」
・「○○の○○食べられました」
・「今回のツアーでは○○がオススメです」
        ⇩
 「お客様の食のポイントは○○ですね?」
  食による趣味や志向を洗い出す
  その内容に合わせた話題で盛り上がる

<ポイント>
 □参加者との現状の共通項で雑談を行う
 □現状の共通項とは(山・旅行・食)である
 □その雑談中の情報より、さらなる情報を引き出す


D 趣味関連から情報を聞き出す

<自然解説や参加者への連絡トークの合間に行う雑談例>
 (まずは自己アピール) 自己紹介や自己開示する
 自然解説から自分の趣味や嗜好を伝える
・「実はお花よりも鉄道の方が好きなんです」
・「実は私の趣味は「鉄道」「鉄ちゃん」なんです。
・「私は趣味が映画なんです」
「昨夜これ見たらすごく面白かったです」
・実は専門は心理学なのです。
 
 (自己開示から質問をする) 
 相手の趣味・嗜好を拾い出す
・「何か集めているものありますか?
 (私はガンプラです)」
・「これまでの映画鑑賞で1位の作品はなんですか?」
 (私はインターステラです)
・「俳優さんや女優さんで1位は?」
 (私はサンドラ・ブロックです)
・「コンサートなんか行きますか?」
 (私は矢沢栄吉とストーンズは必ず行きます)
・何かたまってしまうものありますか? 
 (私は映画のパンフレットです)
        ⇩
 「その情報マニアックですね、もう少し、聞きたい
  ですね!」
  ここからとにかく話させる(たくさん聞いてあげる)
        ⇩
 (とにかくおだてる・ホメる) 気分を良くさせる
 ・「さすがですね!」
 ・「勉強になります」
 ・「心を入れ替えます」
 ・「素晴らしい情報感謝します」

<ポイント>
 □観察や質問から相手の趣味・嗜好を想定する
 □その想定から質問を考えて質問する
 □できるだけマニアックな情報を引き出す
 □そのマニアックな情報に興味を示す
 □できるだけ「うなづく」(肯定する)
 □目をキラキラさせ感謝する


Eお世辞ネタから仲良くなる

<ガイディング中、お世辞ネタから仲良くなる雑談例>
(服装・容姿をホメル) 
 ・「いいザック買ってきましたね」
 ・「そのウェア高そうですね」
 ・「その靴、良さそうですね」
 ・「スタイルいいですね」
 ・「ウェアのセンス抜群ですね」
 ・「何かやりそうですね」

(しぐさ・行動をホメル) 
 女性向け
 ・「品がありますね」
 ・「お上品ですね」
 ・「さすがですね」
 男性向け
 ・「行動早いですね」
 ・「馬力ありますね」
 ・「何かスゴイですね」

(アイディンティティをホメる)
 ・「その小物私も欲しかったんです」
 ・「その時計、最高ですね」
 ・「そのアクセサリー趣味いいですね」
        ⇩
 「ホメルところを探し出し、ホメまくる」
 それをきっかけに話させる(仲良くなる)

<ポイント>
 □参加者はお世辞でもホメラられると嬉しい
 □ホメてくれる人に好意を抱く
 □アイディンティティを探し出し、ホメることで
  強力となる


F 健康ネタから仲良くなる

<ガイディング中、健康ネタから仲良くなる雑談例> 
(特にシニア世代に効果的である)
(健康ネタきっかけトーク) 
・「天気良くて気持ちいいですね」
・「歩くと元気になりますね」
・「山くると落ち着きますね」
・「この景色を見ると健康になりますね」
・「このお花で癒されますね」
・「今日は最高ですね」

(きっかけトークから健康ネタに誘引する) 
・「歩くことは全身運動なので体力増進に最高ですね」
・「山くると気分が晴れて元気になりますね」
・「歩くと脳が活動し、活発になりますね」
          ⇩
 「普段も運動していますか?」
 「どのような内容ですか?」
 「頻度はどんな感じですか?」
          ⇩
 質問により、健康や運動の情報を仕入れる
 その運動を肯定してあげる
        ⇩
 「とてもがんばっていますね?」
 「いい運動していますね?」
 「何か充実していますね?」
        ⇩
 気分を良くさせた上でできるだけ話させる
 その会話に同調する

<ポイント>
 □特にシニア世代では健康がキーワードである
 □健康ネタにより相手を尊重する(協調する)


G 自虐ネタから笑いを誘う

<ガイディング中、自虐ネタから笑いを誘う雑談例> 
(特にヤング世代に効果的である)

(ファーストコンタクト時の自虐ネタトーク) 
・「集合場所間違えて、危うく集合時間に遅れそうでした」
・「ガイドなのに、行動食忘れてしまいました」
・「失敗しました、雨具忘れて今、売店で買いました」

(歩行中の自虐ネタ) 
・「今、何か動物のフンを踏んでしまいました」
・「仕事柄、ひざ痛なので少し休憩していいですか?」
・「ガイドは解説の素材を探しながら歩くので、私も今シ
  ーズン3回ほど転倒しています」


(山頂付近での自虐ネタ)
・「この山で良い天気だった確率は3勝7敗です」
・「一昨日は悪天候で8合目で引き返しました」
・「そもそも山頂で景色が良く見えたのは今年まだ
  ありません」

(解説時での自虐ネタ)
・「ズバリ、この間までこの花を○○だと伝えてき
  ました」
・「この間ここでハチの解説をしていたら、本当に
  刺されました」
・「実は私は花粉症なので、杉林は歩きたくないんです」

(休憩時の自虐ネタ)
・「この間、ここで昼食を落としました」
・「この間、ここで休んでいたら、鳥の糞が落ちてきました」
・「この間、ここで休憩していた時、笑い声で雪崩が
  発生しました」

<ポイント>
 □自虐ネタは万人が喜ぶ雑談です
 □自虐ネタで笑っていただき、良好な関係を構築しま
  しょう


H ユーモアネタからファンにする

<ガイディング中、ユーモアからファンにする雑談例> 
(ファーストコンタクト時のユーモアトーク) 
・「今日の参加者はみんな良さそうな人ばかりで安心して
  います」
・「私の班は全員可愛い(カッコイイ)人ばかりの班
  ですね」
・「もちろん毎回このように話しています」

(歩行中のユーモアネタ) 
・「歩くと言う漢字は将棋の歩です」
 (飛車や角と違って一歩づつなのです)
・「人はなぜ山に登るのか?」
 (お客様はお金を支払ったからです)
・「あと到着まで3kmです」
 (3kmも歩く楽しみが残っています)

(解説時でのユーモアネタ)
・「植物の名称を覚えることは重要でない」
 (人間と同じで色や形、咲く環境を記憶するのが重要
  です)
・「ご安心ください。樹木に興味がない人の割合の方が
  断然多いです」
・「ご安心ください。鳥はほとんどが同じ形です」
  (違うのは大きさや色だけです)
  (違うのは雷鳥とペンギンだけです)

(休憩時のユーモアネタ)
・「休憩は歩くために必要な行為です」
 (疲れたからではなく、次も歩くために休むのです)

(ウケなかった時の対処方)
 ・「今は笑って欲しかったタイミングです」
 ・「やはりうけなかったみたいですね」
 ・「このネタは二度と使いません」

<ポイント>
 □ユーモアを提供(笑っていただく事)はみんなに
  効果的です
 □人は笑わせてくれる人に好意を抱きます
 □ユーモアはトライアンドエラーにより上達します


I 自己開示から距離を縮める   ・・上級編・・
(解説)顧客との信頼関係を構築するためには自己開示
(自分の情報を正しく伝える)
    ことがカギとなります。まずはガイド側から自己
    開示をし、それによって相手の自己開示を誘引
    します
    ガイドと顧客が自己開示することで「信頼関係」
    が構築されます

(自己開示の雑談例)

・「私は田舎育ちなので、あんまり自然に興味が
  ありません」
・「小さい頃から、生活そのものが自然の中でした」
・「そこで人よりは自然や山に詳しいのです」
・「むしろ、都会の方に興味があります」
・「実は私はお花や山に興味があんまりないです」
・「特にお花や樹木は苦手なので、努力して覚えました」
・「サービス業なので営業的に行動しています」
・「サービス業なので、たまに嫌なお客もいます」
・「中には気に入ったお客もいるので、その人にはどう
  してもえこひいきしてしまいます」
・「特に気の合うお客さまにはハッスルしてしまいます」
・「私はガイド業で生計をたたているので当たり前ですが」
・「そもそもガイドでお金を稼ぐことに興味があるのです」

(重要)
参加者のほとんどは都市部在住者の方です
また、ガイド同行ツアーに参加する方は植物や山の景色
や情報以上にガイドに興味がある方が多いです
ほとんどの参加者は知人や身内にガイドをしている人が
ほとんどいません。
そこで自己開示するには「ガイド自信のネタ」が最も
効果的となります

<ポイント>
 □自己開示とは「真実を話す」ということです
 □自己開示とは「心を開く」ということです
 □自己を開示するにはとても勇気が必要です


J 信頼関係を構築する      ・・上級編・・
(解説)参加者を優良顧客に育て上げ、リピーターとなっ
    てもらうためには、お互いの信頼関係を構築する
    ことがカギとなります
    信頼関係を構築するのはお互いの「信用」が必要
    です
    「信用」は言葉だけでは得られません「行動」が
    必要です
    又、「行動」だけでは意志が伝えありません
    まずは「言葉(トーク)」を使用しその言葉に合
    わせた行動を提供することが重要です

(信頼関係に向けての雑談例)
・「現在「心配や不安」はないですか?」
・「不安を解決するようにこのようにしましょう」
・「もちろん、困った時は、私がお手伝いします」
・「何か心配がありましたら、こっそりお話しください」
・「その解決に向けて行動します」
・「○○さん、困ったことないですか?」
・「○○さん、このような話でどうですか?」
・「○○さん、このような行動でどうですか?」
・「○○さん、怒っていませんか?」
・「○○さん、悲しんでいませんか?」

(重要)
参加者と信頼関係を築くために効果的な雑談(話し方)
は参加者のトークを真似る(同調し繰り返す)という
テクニックです
そこで同調する言葉を引き出すことが重要です
さらに、相手が喜ぶことや不安を解決するために必要な
行動を速やかに行うことが必要です

<ポイント>
 □信頼関係とは「お互いに信用する」という事です。
 □信頼関係には「言葉」と「行動」が必要です。
 □ガイド的には「1日で信頼関係を気付けるか」という
  事になります。




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