三井物産 2022年3月期通期決算および2023年3月期通期事業計画を徹底解説！
せーの、全員HAWKS もっともっともっと〜〜！！
は〜い、皆さまありがとうございます、さて始まりました〜本日のさとり世代の株日記！
先週の豊田通商を皮切りに本日は、双日と三井物産の決算がございました！
当ブログでも目玉としている総合商社の決算も徐々に発表されてきますので、徐々に一社ずつ書いてご報告させていただきます🙇♀️
まずは、早速ですが、3Q終了時点で、21年度暫定首位になりました三井物産が本日5月2日に発表でしたので三井物産の21年度通期決算につき、今回はご報告申し上げます🙇♀️
三井物産の前回3Q決算分析記事はこちらです↓
さて、今年の総合商社レースですが、
今年は上位3社である三井物産、伊藤忠商事、三菱商事が首位争いを展開していますが、
こちら、3Q決算終了時点での各社の最終利益の順位表でありますが、上位3社の首位レースは三井物産が頭一つ出ており、その200億円差で伊藤忠商事、三菱商事がぴったりと後をつけているという近年稀に見るデットヒートを繰り広げております！
総合商社全て3Qでの通期見通しを上方修正する爆益祭りとなりました！！
しかし、三井物産はなんとしてでも22年ぶりの首位に返り咲くことを今年至上命題としているはずです！
私は、9月には三井物産の個人投資家向けオンライン会社説明会にも出席して、三井物産のポテンシャルは改めて認識したところです。
それでは早速、三井物産通期決算を見ていきましょう！
三井物産 2021年度通期決算
2021年度通期経営サマリー
三井物産の2022年3月期通期の経営サマリーは、
基礎営業キャッシュフロー11,587億円(前年差＋5,006億円)
当期利益9,147億円(前年差＋5,792億円)
と1Q、2Q、3Qに引き続き非常に素晴らしいまま通期を迎えました！
✔︎基礎営業キャッシュ・フロー 11,587億円(3Q決算発表時比 +687億円)
✔︎当期利益 9,147億円(3Q決算発表時比 +747億円)
✔︎年間配当金は一株当たり105円(20円増配)、中期経営計画最終年度となる23/3期の年間配当金は120円/株の見通し＆最大1,000億円の自己株式取得を決定！
うおーーーー🔥🔥🔥🔥🔥
三井物産熱すぎますーーー！！！
もう今年1年間はずっと三井物産は期待を良い意味で裏切り続けてきたので本当に大拍手の熱男ーーー🔥🔥🔥
もちろんGW明けの来週が格上の伊藤忠商事、三菱商事の決算なので現時点では暫定に過ぎないのですが3Q通期で＋200億円の見込みだったので今年の21世紀に入って初の総合商社首位返り咲きは十分にあり得ます！
こちらが中期経営計画2年目の進捗ですが、収益基盤の強靭化はもちろんのこと、後述します通り、ロシア関連で注目されているLNG供給など国益を守る取り組みについても注力したとされております。
こちらが通期の基礎営業キャッシュフロー11,587億円の積み上げですが、金属資源の伸びもさることながら、上半期では利益貢献できなかったエネルギー、機械・インフラや化学品と行った三井物産が長年課題としてきた非資源ビジネスでもキャッシュ獲得が着実に遂行できていることがわかります。
そしてこちら通期の当期利益9,147億円の積み上げですが、当期利益ベースだとより一層金属資源の心強さがわかりますね。
半分以上が青い金属資源の棒グラフで草
本当に際立っております笑
ただ一点、リスクとして申し上げておきたいのが、この三井物産の爆益通期当期利益9,147億円ですが、市況・為替による影響で＋2,350億円となっており、1/3以下は市場環境に恵まれた上での利益であったことは頭に入れておくべきかと思います。
もちろん非資源も合わせた本業の伸びは十分に評価すべき点ではございますが、この点は、前回3Qでも申し上げました点です。
しかし、前回と比べて、非資源の機械・インフラ、化学品などが躍進していることから、三井物産の着実な進歩が見て取れますね。
主要事業セグメント
金属資源の伸びが著しいのは言わずもがなですが、ここでざっくりと主要事業セグメントについてもレビューしておきましょう！
前回3Qでも何度も申し上げております通り、この爆上げ基礎営業キャッシュフローと当期利益の鍵を握るのは金属資源とエネルギーだとお伝えしましたが、今回は、この資源ビジネスに加えて、非資源の機械・インフラも着目すべきです！
それぞれ最後に確認しておきましょう！
金属資源は、基礎営業キャッシュフロー5,528億円、当期利益4,976億円稼ぐ最重要事業です。
そして、もう一方の期間ビジネスであるエネルギーは基礎営業キャッシュフロー2,802億円、当期利益1,140億円稼ぐ中核ビジネスの一つです。
そして最後に今期、課題であった非資源代表として躍進しているのが、こちらの機械・インフラ事業ですね！
機械・インフラは、基礎営業キャッシュフロー1,440億円、当期利益1,208億円稼ぎ切ったので、3Qの見通し通りの着地であり、自動車業界の復調という追い風はあるものの見事なフィニッシュでした！昨年からの飛躍が見受けられます！
非資源の躍進は大変喜ばしいことではございますが、くどいようですが、あくまでこの大躍進には市況が恵まれているという前提ありきです。
金属資源だと、堅調な鉄鉱石価格を前提としておりますし、
エネルギーだと、堅調な原油・ガス価格を前提としております。
ライフサイエンスなど市況に左右されないビジネスを今後も高めていくことでさらなる飛躍が期待できますね！
三井物産 2022年度 通期事業計画
2022年度 通期業績予想
それでは次に来期の業績について触れておきましょう！
テーマは、変革と成長！
三井物産の2022年度通期業績予想は、冒頭で申し上げました通り、
基礎営業キャッシュフロー9,500億円(前年比▲2,087億円)
当期純利益8,000億円(前年比▲1,147億円)
「一部商品市況の正常化を見込む(金属資源)のと、 市況に左右されにくい事業からは前期同水準の収益を見込む」ということで総合的には素晴らし過ぎた22年3月期は下回る見通しです。
「一部商品市況の正常化を見込む(金属資源)」というのは、まさに下記からわかりますね。
今年、市況・為替の利益が2,350億円であったのに対して、来期は＋320億円とかなり保守的に見ていることがわかります。
これは今年偶然起こった市況の良さが際立っていただけであり、来期以降は正常化するということですね。
2022年度 キャッシュフロー・アロケーション
来期のキャッシュフローマネジメントですが、1年前までは7,500〜8,500億円のキャッシュを成長投資と株主還元にアロケートするように想定しておりましたが、このキャッシュがほぼ倍の15,000億円となったので成長投資も株主還元も手厚くできるようになり、今後の三井物産の飛躍がさらに期待できるものとなっております！
2022年度 ロシアLNG事業
こちらは2021年度決算のパートなのですが、ロシアLNGで▲806億円の公正価値減少をその他包括利益で認識いたしました。
その他包括利益なのでこの輝かしい当期利益9,147億円のその数なのですが、今後のロシアの状況次第では、損益計算書に認識せざるを得なくなり、当期利益にも響いていくことは十分に認識しておくべきです。
2022年度 株主還元方針
三井物産の2023年3月期の株主還元方針は、「前年年間105円から15円増配の120円とする」と増配を発表いたしました！！
21年度の基礎営業キャッシュ・フロー11,587億円に対して、配当総額1750億円＋自社株買い1,700億円＝3,450億円なので、
基礎営業キャッシュ・フローに対する総配当性向は、
3,450億円/11,587億円＝0.29774％＝29.7％
22年度の基礎営業キャッシュ・フロー9,500億円に対して、配当総額1,900億円＋自社株買い1,000億円＝2,900億円なので、
基礎営業キャッシュ・フローに対する総配当性向は、
2,900億円/9,500億円＝0.30526％＝30.5%
本中期経営計画中の基礎営業キャッシュ・フローに対する総配当性向は33%と位置付けられておりますので、前回の増配発表の時もそうですが、33%まであとわずかに足りない株主還元となってしまいました😭😭😭
これですね、三井物産は何回繰り返すんだって説教したいですよ！
21年度もずっと期中に2Q、3Qの決算で株価が暴落することすらありました。
21年度の当期利益9,000億円越えは、単純に資源価格の高騰で経営陣の実力が100％反映されたものではない。
他力本願な部分が否定できません。
であれば、22年度の株主還元でせめて本中期経営計画中の基礎営業キャッシュ・フローに対する総配当性向33%は厳守すべきですし、キャッシュアウトという責任をきちんと明言することでマーケットは真の意味でこの21年度実績と22年度見通しを評価したでしょう。
経営陣は株主還元で責任持たなかったら、高い役員報酬もらっている理由が説明できません。
三井物産 決算発表後の株価、市場の反応
三井物産の株価は、本日決算発表が行われた5月2日は若干返すものの、物足りなさが否めないここ1ヶ月の推移となってしまいました。
正直、三井物産がなぜ利益9,000億円を突破しながら株価がパッとしないかと言いますと、下記の2点に集約されます。
①ロシアLNGリスク806億円の公正価値減少をその他の包括利益で処理しており、場合によっては当期利益に反映される爆弾💣であると言えるから
②株主還元が21年度も22年度も30％であり、約束の33％に達しておらずお茶を濁している点
5年間推移もしっかりと上昇を続けておりますので、マーケットが三井物産に期待していることは確かです。
確かに本中期経営計画中の基礎営業キャッシュ・フローに対する総配当性向33%に未達の株主還元は大変残念ではございますが、21世紀になって初めて首位に返り咲けるという事で古豪の復活という点で一定の評価に値する21年度通期決算であったと考えます！
マジで期待しています！三井物産〜〜〜😭😭😭😭
だからこそ経営陣の方はキャッシュに責任を持って自分で発表した本中期経営計画中の基礎営業キャッシュ・フローに対する総配当性向33％を守ってください🙇♀️
三井物産 決算総括
2021年度の三井物産の通期決算の総括ですが、市況の追い風で2,000億円の下駄を履かせて貰ったものの、素晴らしいの一言に尽きます。
金属、エネルギー一本足打法で今期はそのまま駆け抜けると思いきや、機会や化学品などの非資源もきちんと2月発表の通期予想を超える進捗を遂げており、16年に赤字で沈んだ反省を生かしてしっかりとポートフォリオの入れ替えを行い、良質なアセットを構築しつつある事が数字にもしっかりと表現されたと考えます。
しかし、この実績で頑張りました！とアピールする一方で、株主還元が課題であり、経営陣にはより一層数字に責任を持った株主還元政策を少なくともご自身で発表された数字33％は厳守して頂くことで高いレベルでの経営を期待したいと思います。
さて、GW明けには、三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、丸紅と他の総合商社決算もリリースされますので、気力体力が続く限り追って全力で私は分析の上、ご報告させて頂く所存です！
ありがとうございました！
今回の報告は以上です🙇♀️
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？