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デザイナーに期待されていることをキャッチし、長期的な改善にTRYする

rootのさとりこです。
プロダクトデザイナーとしてクライアントワークにコミットしつつ、rootのそのものの組織デザインを行なっています。

突然ですが「事業成長にデザイナーとして貢献していきたいが、求められているスタンスや成果が掴めず、プロダクト開発チームの期待にコンスタントに応えられない」そんなお悩みを抱えるプロダクトデザイナーの方はいらっしゃいますか。わたしはこの半年ほど、期待されていることをより高い解像度でキャッチし、まず「期待に応える」、さらに言えば「自らありたい姿を描いてアクションする」にはどうしたらよいのか、ということに向き合ってきました。
今回の記事では、「期待されていることのキャッチ」を起点に書きます。「自らありたい姿を描いてアクションする」が気になる方はこちらの記事へ!

プロジェクトに起きていた課題

企業のセキュリティ評価を行うプロダクトのデザイン支援に、2年ほど伴走してきました。グロースフェーズで、rootからはDPMが1人、プロダクトデザイナーが2人で関わり、pdmやエンジニアチームと共にプロダクト開発に取り組んでいます。
コアな機能が一通り揃ってきて、既存機能改善や、よりエンタープライズで利用できるような大規模改修に取り組むフェーズ。以下の点でデザインチームが期待に応えられていないという現象が起きていました。
一言で表現すると、長期的なプロセス改善ができていない。もう少し具体で見てみると、デザインシステムの改修がなかなか進まない、デザイナーごとに、また個々の施策ごとに洗い出される論点が揃ってないように見え、結果体験設計のクオリティが揃わない…などなど。

きっかけになったのはOKRの策定

KPTで上記の課題が出てくるものの、一朝一夕で解決できるサイズのものではなく、日々の開発に追われて課題が滞留してしまいがち。そういった状況を打破するために、3ヶ月ごとにデザインチームとしてのOKRを策定することにしました。こちらのOKRの策定プロセスや、内容の詳細については、近日発信が予定されておりますので、別の機会にお話しできればと思います!それが聞きたかったのに〜と思った方、大変申し訳ありません!今回の記事では、その中でもデザイナー視点で取り入れて効果があった2つのことをご紹介します。

デザイナー視点で見たやってよかったこと①:OKRを達成するためのアクションをメンバー自身が考える

DPM(Design Program Manager)とpdmを中心にOKRが策定されたのち、DPMから「アクションを、プロダクトデザイナー2人で、それぞれ個人で出して欲しい」と提案されました。正直、2人いるプロダクトデザイナーから個々にアクションを出すことが、いい手段なのか…と半信半疑でした。(DPMである関口さん、疑っててごめんなさい🙏w)一定の方針をチームで決めてから取り組んだほうがいいのではないかと考えていたのです。
理由としては、2つあります。まず、期待値の把握に苦戦しているデザイナー自身、つまり自分たちがが考えるアクションで、バリューが出せるだろうか、と考えたためです。期待に応えられない理由が「事業やプロダクト開発への解像度の違い」にあると感じていたため、苦戦しているデザイナー自身が一定の自由度を持って方針を考えて、成果につながるのかな?と感じていました。2つ目は、2人のプロダクトデザイナーで、プロダクトに関わった年月に1年以上の差があったためです。joinして1ヶ月くらいのデザイナーと、joinして2年目に入ったデザイナーだったので、DPMも含めたチームでの話し合いやインプットを起点に決めていくほうが、適切なアクション設計ができるのではないかと考えていました。

まず生身の解像度をさらけ出すことが前進につながった
結果、デザイナー個人個人でアクションを考えたことは、「デザイナーに求められている成果の認識が揃っていない」という課題の解決につながりました。それぞれ個人で考えたものをまず眺めることで、生身のリアルな解像度が全部表に出てきた状態になりました。全部出てきた上で、DPMやpdmからFBをもらい、作り上げていく。ボトムアップで作ったプロセスによって、個人ごとの解像度の現在地を理解しあい、すり合わせていくことができてきました。実際にアクションを実行するデザイナーがオーナーを持つことで、より当事者意識が高まり、真の意味で「チーム全員の目標」になったという側面もあります。解像度が異なり目標を「みんなのもの」にするのが難しいときに、プロセスを共にすることで、いい意味で共犯になっていくというアプローチだったのだと今は理解しています。
わたしの「一定解像度が高い人が方針を考えたほうがいいかもしれない」という考えは、自覚はなかったものの「解像度が高い人が降りてきて自分にわかるように示して欲しい」という人任せで受け身なスタンスであったことに気付かされました。「できない理由を探さず、できる方法を探す」「まずは自分の理解を開示するところから」今後も大事にしていきたいスタンスです。

デザイナー視点で見たやってよかったこと②:日々のデザイン提案に、振り返りやプロセス改善を織り込んでいく

このプロジェクトでは、定例が週2回あります。pdm、デザイナー、エンジニアが参加して進行中のデザインについて議論するようアジェンダ設計されています。まだ模索中ではありますが、OKRに向かう上で、この定例に持ち込む内容を少しずつ変化させています。
議論の時間が限られていること、また直近のプロダクト開発に最も貢献できる形を目指したことから、以前は直近の開発に必要な成果物のみを論点に上げていました。現在は、直近の開発に必要な成果物に加えて、その週にぶつかった壁と改善案をセットで提案するようにしています。

直近上げた論点の例

普段の定例でチームに共有しておき、長期的なプロセス改善についてもタスクを切っておく。優先度に応じてコツコツと進めていくことで、日々の開発に追われるだけでなく、3ヶ月スパンで見た時に確実に前進しているような状態を作っていきたいためです。今チームで発生している課題をリアルタイムで共有することで、チーム内での認識が合っていき、時にはデザイナーが提案したものより成果の出そうな解決アイディアがチームから出てくることもありました。チームに発生した課題を自浄的に解決していくカルチャーを作っていく重要性に気付かされています。

まとめ

解像度が異なるチームで、期待値の把握に苦戦した時にどうした?
:まず実行するメンバーの生身の解像度をさらけ出した上で、チームに期待されていることの認識を合わせていった。プロセスを共にすることで目標を「みんなのもの」に。

長期的なプロセス改善を確実に前に進めていくためには?
:長期的なプロセス改善を定例の論点に含み、チームに発生した課題を自浄的にコツコツ解決していく

フェーズによってデザイナーに求められる成果が異なるプロダクト開発。一通り機能が揃い、より安定的で属人化しないチーム運営を求められるフェーズに変化してきたということなのだろうと理解しています。事業成長に応じて求められる成果にしなやかにフィットしていきたい…!2024年もより期待を超え、デザインが手段にあってよかった!と思ってもらえるように精進していきたいです。

この記事に書いたことを含め、事業成長を見据えて、クライアントワークするデザイナーが何を考えているのか、現場のリアルをお伝えするイベントを企画しました。sevendexさんと初共催🎉 恐縮ながら登壇させていただくので、よかったら遊びに来てください!

記事に共感いただいた方、同じようなお悩みに向き合っている方、じっくりお話ししたい方は以下でお待ちしています💌


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